ホーム > 少年漫画 > 週刊少年チャンピオン > バチバチ

7.5点(レビュー数:10人)

作者佐藤タカヒロ

巻数16巻 (完結)

連載誌週刊少年チャンピオン:2009年~ / 秋田書店

更新時刻 2009-11-25 00:47:01

あらすじ ある事件をきっかけに相撲界を追われ、この世を去った大関・火竜! その息子、鮫島鯉太郎の胸には父が遺した言葉が深く刻まれていた!!待ったなしの角界激震!本格大相撲漫画!!

備考 『バチバチ BURST』へ改題

シェア
Check

バチバチのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全10 件

相撲という不人気ジャンル、これが本当に主人公か?と疑うような悪役面の三白眼等々
不安要素も何のその、連載の早い段階で既にチャンピオンの人気の柱になりつつあります。

一番の魅力は取り組み場面。
相撲の力と力のぶつかり合う一瞬の勝負をセリフを極力排し、大ゴマでみせています。
画力自体は特別上手いとまでは感じないんですが、何かそれを超えて怖さすら感じさせる
迫力は必見。
また非道な王虎をはじめとするライバル達の強さが上手く引き出されているのも○
立ち向かう→敵わない→挫折→努力→ステップアップの流れが非常にわかりやすくてよろしいです

月並みな言い方ですが熱い。最近流行りのネタ表現でなく正面から向かってくる
「必死な」熱さが感じられます

よくよく考えれば、多くの少年スポーツ漫画は、
学生生活の一部である部活という枠組みであるのに対して
相撲は角界入りして相撲部屋に入門して、既に己の人生かかってる訳ですから
少年スポーツ漫画の類で括る事自体失礼かもしれませんね
そこらへんからこの作品の必死さをみたのかも
ギャグも意外に?外さず笑えます(川口が)
まだまだのびしろが感じられ、これから連載と伴に力量も成長していけば相当な作品になると思います
今年の少年漫画連載陣でも特に注目してもらいたいオススメです

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-03-18 00:03:48] [修正:2010-03-18 00:22:36] [このレビューのURL]

8点 booさん

 相撲というと日本の国技であるし、すごく身近なスポーツでもある。その一方でダサいというイメージは、言い難いけれど、あるだろう。ふんどし一丁で太った男同士がぶつかり合うスポーツだから、少なくとも“華麗”という言葉は似合わない。
 でもバチバチを読んで感じるのは、だからこそいいんだよなぁってこと。熱い漫画に洗練、華麗なんて言葉は要らない。泥臭くて、格好良くて、最高の男たち。やはり相撲は男の浪漫だよ。

 主人公の鯉太郎は暴力事件で引退し、交通事故で死んだ大関火竜の息子。彼は相撲と親父の過去に折り合いをつけられないまま日々を過ごしていた。
 そんな思いにケリをつけようと思った鯉太郎は巡業相撲で幕下力士を強烈なぶちかましと何よりもその根性と気迫で圧倒し、勝利する。その相撲を見ていた火竜の旧友、空流親方にスカウトされ相撲部屋に入門することになるのだった。

 バチバチを形容する時にやっぱり“熱い”というのは一番に使われる言葉だろう。男と男がぶつかり合って、張り合って、投げ合う。もちろん熱い。とんでもないくらい熱い。
 でも最初の内はそれだけかな、と思っていた。胸くそ悪い悪役(王虎ね)が出て来て、バチバチに打ち勝って、もちろん熱くて読んでいるときは燃え上がってしまって最高なのだけれど、立ち読みで十分だと思っていた。熱いだけだと読み返すうちにやっぱり冷めてきてしまうわけです、正直な所。

 でもあれ?それだけじゃない?と思い始めたのはどんぐりとの取り組みあたりからだろうか。あの取り組みで佐藤タカヒロは鯉太郎に、勝たなければいけない理由と勝つのが当たり前だと決め付ける理由の違いを突きつけた。
 決して鯉太郎だけが“特別”ではないのだと。いや、確実に特別ではあるのだけれど、でもそれは他の力士を無意識にでも見下ろすことにはならないと。

 で、それが私の中では、すごくすっと入ってきた。初めて熱いだけではなくて、おもしろいなぁと思ったのだ。さらにその後の鯉太郎がスランプに陥ってから下手投げを習得するまでのエピソードで、ああこれは傑作になるわと確信したのだった。
 すごく丁寧なのよ。相撲はシンプルなルールではあるけれど、私が知らなかったシンプルゆえの奥深さがそこにはある。ぶちかましや下手投げの一つをとってもこれだけ相撲ってすげぇなぁ、と思わせてくれて、さらにそれらはしっかり本場所での取り組みにつながってくる。さらにはただのスポーツではなく、伝統芸能としての一面もしっかり描かれる。

 要は熱さの中にも裏づけがあるってことで、これはなかなか見れない。熱いだけ、って漫画はたくさんあるし、頭でっかちな漫画はそれ以上にあるだろう。バチバチは熱さと物語性、そして競技性がそれぞれに盛り立てあうという稀有な漫画であって、それを傑作というのだ。
 バチバチは親方や兄弟子、同期の仲間の台詞や態度一つとってもそれぞれに布石があって、でも先は読めない。読めなかったのに、終わってみればこれしかなかったんだ、と感じてしまう。熱さの裏に説得力がしっかりとあるってこと。

 鯉太郎がまっすぐな、まっすぐすぎるくらいの好感の持てる主人公である一方、脇を固める空流部屋の兄弟子達や同期の仲間も魅力的だ。悪役が本当に胸くそ悪いのも良い。そして何より川さんの神がかりっぷりが良い笑。
 でも今年一番は白水だよなぁ。いわゆる凡人代表のポップ的な位置で、さらに兄弟子である白水の目覚めは本当に今一番わくわくしてる。天雷との取り組みとかもうたまらん。そして鯉太郎との決戦へ…。熱いぜ!

 来年は吽形と阿形の対戦が待っていて何とも楽しみな、そして恐ろしくもあるこの漫画、最高に熱くて、でもそれだけじゃないのです。初期のはじめの一歩が好きな人なんて特におすすめしたい。
 しかしまだ序二段だからなぁ、横綱までの道は遠いぜ。この勢いでぜひぜひ頑張って欲しいです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-02-06 23:58:53] [修正:2012-01-22 22:13:37] [このレビューのURL]

9点 KAKAさん

俺は相撲が好きです。
何が好きかって言うと下記にまとめてみました。

・短時間で勝負がつく
・見ていて力が入る(土俵際とか組んでるときとか)
・個性があって色々な型があり、場所ごとに上に成長していく人もいればそうでない人もいるし、場合によっては引退していく

大体、バチバチは当てはまってる感じッスねコレ

バチバチという漫画の特徴はズバリ一枚の絵の中で“迫力”の表現を追求している点だと思う。表情やポーズとかね。
そういうところが現実的な相撲の熱さ・おもしろさとして、俺に伝わってくる気がします。漫画ですから、「こんなん相撲じゃねえ!」って部分もあるけど
おもしろいからいいんじゃねーかな?と思ってしまいます。むしろ逆に「こんな風な相撲が見れたらな」って思うレベルです、多分。

総じて言うと、ギャグあり・成長あり・ライバルあり・キャラあり・熱さあり・生ぬるさなし・多少現実と乖離しているが十分許容範囲(俺的に) という感じ?(実は一番最後が重要な気がするぜ…)
要するに王道少年漫画すぎてビックリだわ、この欲張りさんめ!!…はじめの一歩みたいですねって言ったら怒られるのか?あ…恋愛がないわ。恋愛が。


本当に面白い!と思います。ないよ、今時こんなストレートな、しかもおもしろい、先が気になる作品。
相撲見てない人にこそお勧めしたいです。あなたの知らない世界が、今まさに…

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-06-12 15:55:21] [修正:2011-06-12 15:59:07] [このレビューのURL]

8点 景清さん

かつて週刊少年マガジンの創刊号の表紙を飾ったのが名横綱の大鵬であったように、力士は強さの象徴、男の子のあこがれだった時代が確かにあった。しかし、少年マンガの世界においては相撲をテーマにした漫画の成功例は少ない気がする。これは決して相撲人気そのものの低迷だけが原因ではないだろう。

まず第一に大相撲の世界はスポーツ・格闘技であると同時に神事でもあるので、そのあたりの伝統や習慣も描かなければならないところが面倒である。第二に世俗を超越した厳しい世界なので、その辺をリアルに描こうとするとどうしても陰惨になってしまうせいもあるだろう。(傑作「うっちゃれ五所瓦」は高校相撲を舞台にすることでその辺の問題を解決していた。)
なにより、ビジュアルの問題がある。いかに美化しようとも、ちょんまげ結ってふんどし締めたデブ同士が熱い抱擁を交わすという画の暑苦しさはいかんともしがたい。華麗な打撃技や蹴り技の応酬もないし「気」とかの使用などもってのほかである。

このように正攻法で描くことが非常に難しい題材のため、近年の少年向け相撲漫画というと、たとえば主人公の見た目をおもいっきりコミカルにしたりホモっ気のある変態にしたり、現役大関と弱小高校生の心と体が入れ替わっちゃったり等等、どちらかとうと正攻法とは違う絡め手なアプローチから相撲を描く作品が多かった印象がある。

ところが今年になってチャンピオンで始まった本作「バチバチ」は、「こざいくむよう タフすぎてそんはない」といわんばかりのど直球ストレートな相撲漫画である。そしてそれがかえって新鮮にすら感じた。

この漫画、本当に新奇なことはなにもしていない。物語はかつて不遇の死を遂げた大関を父に持つ息子が因縁渦巻く大相撲の世界へ殴り込みをかけるという王道なもので、相撲部屋での厳しい体育会系的シゴキもむろん手心加えず描かれる。登場する力士の多くはまだ幕下ということもあって細身のアスリート体型が多いが、じきに見た目暑苦しい巨漢がおおくうごめく世界となるだろう。主人公の性格もよく言えば愚直な不器用で、コミカルさなどみじんもない。

だが、ここが重要なのだが、それほどオースドックスな作りに関わらず、作者の力量によるものだろうがとにかく手に汗を握るほどに面白い。大ゴマの使い方も良い意味で堂に入っており、登場人物の表情の描き分けも実にうまい。テレビでは一瞬に見える相撲の取り組みの一挙一投足も豪快かつ緻密に描かれており、見ていて格好いいのだ。決して勢いに任せて描かれただけの作品ではないのである。「死んで生きれるか!」に象徴される不器用だがアツい台詞の数々もいい。

このように連載開始早々から非常に勢いのよい作品だが、それゆえに不安もある。まだ物語は始まったばかりで主人公はまげすら結っていない状態なので、そんな序盤からこんなにテンションMAXで先がもつのかというやや贅沢な不安を拭いきれないが、今後も安定した取り組みを続けていってくれることを願ってやまない。

それと、数は少ないが女の子キャラがとてもカワイイのも忘れてはいけないポイントである。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-11-10 23:07:45] [修正:2009-11-10 23:27:37] [このレビューのURL]

7点 s-fateさん

 幕下というのがいいですね。幕内だともう「選ばれしもの」になってしまい、実力にあまり差があると嘘くさくなってしまう。おかげで個性ある力士を描ける自由度があるいい作品になっていると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-11-01 23:20:42] [修正:2015-11-01 23:20:42] [このレビューのURL]

PR


<<前の10件
12

バチバチと同じ作者の漫画

佐藤タカヒロの情報をもっと見る

同年代の漫画

週刊少年チャンピオンの情報をもっと見る