ホーム > 不明 > 描き下ろし > 銀河鉄道の夜―最終形・初期形〈ブルカニロ博士篇〉

8点(レビュー数:1人)

作者ますむらひろし

原作宮沢賢治

巻数2巻 (完結)

連載誌描き下ろし:1985年~ / 偕成社

更新時刻 2010-10-03 05:44:54

あらすじ 幻想と謎に満ち、難解といわれる宮沢賢治童話を、ますむらひろしが原作に忠実に漫画化した愛蔵版。ケンタウル祭の夜、友人のカムパネルラと一緒に銀河鉄道に乗り旅に出たジョバンニは…。

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銀河鉄道の夜―最終形・初期形〈ブルカニロ博士篇〉 のレビュー

点数別:
1件~ 1件を表示/全1 件

8点 そのばしのぎさん

「銀河鉄道の夜」と言えば宮沢賢治の有名な童話のひとつであるが、
実際には途中の原稿が紛失されており、完全な形では現存していない。
また、何度も推敲を重ねて書かれており、初期形と最終稿では、
展開が異なっている。

初期稿では物語の最後にこのブルカニロ博士なる人物が登場し、
夢の四次元鉄道について講釈をたれる。
ゆえになぜジョバンニが銀河鉄道に乗り込む羽目になったのか
理屈としてわかりやすくなっているのだが、賢治はこれを蛇足としたのだろう。
最終稿ではばっさり削って読者の想像にゆだねたのだと思う。

本来は最終稿だけ読めば良い物なのだが、敢えてこのアウトテイクまで漫画化してしまった所にますむら氏のマニアぶりが伺える。

音楽でもそうだが、異なるテイクを聴き比べる事により、作品のできる過程を感じ取る事ができる。マニアの楽しみなので公的には不要な物ではあるが、こういうお遊びは嫌いではない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-01 21:34:30] [修正:2010-11-01 21:34:30] [このレビューのURL]


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