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9.66点(レビュー数:3人)

作者木村直巳

巻数4巻 (完結)

連載誌コミック乱TWINS:2005年~ / リイド社

更新時刻 2010-12-08 08:21:54

あらすじ 日本の明日を見つめる信念の男?ただひたすら国を想い人生を駆けぬけた 幕臣 小栗上野介の生涯。

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天涯の武士のレビュー

点数別:
1件~ 3件を表示/全3 件

10点 torinokidさん

幕末の偉人、小栗上野介の伝記的作品。ハッキリ言ってとても面白い。
数多ある歴史系マンガではトップクラスだと思う。

幕末期における最有名人の一人とされる勝海舟と折り合いが悪かったためか、
過小評価されがち、あるいは名前すら表に出てこない感のある小栗だが、
ぜひともこの作品を見て、彼の人生を知ってほしいと個人的には思う。

おススメです!

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-12-10 12:08:25] [修正:2012-12-24 00:53:49] [このレビューのURL]

9点 臼井健士さん

幕末の日本。腐敗する幕府の中にも逸材はいた。勝海舟が幕引き役を務めたことは知られている。
榎本武揚は幕府残存勢力を率いて函館に転進。五稜郭で最後まで抗戦し続けた。

だが、その影で一人の武士の存在が歴史の闇に消されていた。
幕臣・小栗上野介忠順その人である。
幼い頃から神童と名高き二千五百石取りの直参の旗本の出。海舟に比すれば家柄は比べるべくもないほどに上。
その海舟とともにアメリカ国へ通商使節団の一行として太平洋を渡った。

当時の日本は開国以来、金が流出し、それが国内の物件高を招き、国益を損なっていた。
小栗はその金との交換比率の改善に心を砕いた。
諸外国に下手に出る風潮が幕府内部に蔓延していたときに、この男は恐れず「No」と言ったのだ。
「ノー!」と言える日本人。それが小栗という男だった。

だが・・・海舟とは元々の身分の違いもあったのだが、あくまで幕府の臣であろうとする小栗とでは反りが合わなかったらしい。
この作品でも海舟は小栗の実力を認めながらも、決して好んではいないという描かれ方をされております。
また、対馬がロシア船に占拠されて島民が殺害された等のエピソードはこの作品を読むまで知りませんでした。

反幕府勢力としては薩摩藩とは当初は強調体制だったためか、関係を描かれている場面が多く、
逆に「長州藩」や「土佐藩」「会津藩」は少なめです。
しかし・・・上野介の顔が全然残っている写真と似ておりませんな。
実際はもっと若々しかったようですが・・・・・・・・・・・・・。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-10-27 23:28:29] [修正:2011-10-27 23:28:29] [このレビューのURL]

10点 blackbirdさん

数々の幕末漫画・小説を読んできたにも関わらず、小栗上野介という人が何をしたのか全くと知らなかったが、本作品を読んで、正直恥ずかしくなりましたね。
こんな人物がいたなんて、あまりにも扱われなさすぎでしょう!
・・・と、急に小栗ファンになったりして・・・

竜馬や新撰組と、分かりやすく強いキャラばかりにスポットが当たり、数々の優秀な人物が、幕末の時代に埋もれてきたのは確か。
最近になってようやく、幕臣側にも見直されるべき優秀な人材がいたと取り上げられるようになったが、それにしてもまだまだ埋もれてる感がある。

小栗が最初から最後まで、しっかりと時代を見つめ、世界の中で日本の進むべき姿を考え続け、お役御免を繰り返しても、出来る事を淡々とこなす姿は、この時代にあって、何て冷静なのだろう。
身分も関係なく、経済を重視して、先を見る目は、立場こそ違うが竜馬と重なる自由なもの。

自分がいなくなっても、幕府が無くなっても、やった事は受け継がれると信じて、最後まで自分の運命を粛々と受け止める。

・・・泣けます。男です。

正直、薩摩薩摩ととらわれ過ぎていた西郷がもともと好かなかった私。
かなり悪役に描かれているので、西郷好きには耐えられないと思うが、個人的にはすごく納得。
立ち位置が変わるだけで、こんなにも歴史観が変わるんだなと感じました。

架空の人物は一人のみ。史実に基づき見事に著した作者の力量も素晴らしい。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-04-18 17:13:26] [修正:2011-04-18 17:13:26] [このレビューのURL]


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