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8点(レビュー数:1人)

作者山岸凉子

巻数1巻 (完結)

連載誌短編集:1999年~ / 文藝春秋

更新時刻 2011-04-15 22:27:18

あらすじ 「ブルー・ロージス」他、「パエトーン」「化野の」など全6作の入った自選作品集。

イラストレーター黎子(たみこ)は、幼い頃から負の暗示をかけられて育てられ、自分に自信もなく、男性ともうまく付き合えなかった。ある男性と出会い、恋をする中で、自信を取り戻していくが・・・。

備考 短編集のため連載開始年には発行年を記載。

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ブルー・ロージスのレビュー

点数別:
1件~ 1件を表示/全1 件

8点 blackbirdさん

表題の「ブルー・ロージス」は、親や家族からの負の暗示で自分に自信を持てず、男性を愛したことがなかった女性が、初めて恋愛し成長していく話。

愛されることは、自分にも自信が持てることであり、自信が持てれば、自分に浴び去られる心無い言葉にも暗示にも、踊らされる事はない。
それが気づけただけでも、主人公の人生でこの恋愛は無駄ではなかったのですね。

「パエトーン」は、チェルノブイリ事故の後に描かれた作品。
現在、大震災後にこの作品が再度注目されて、色々なところで取り上げられているそうですが、原発の恐ろしさ、必要なものなのかを問いかけたものです。

イラスト的作者が飄々と原発の事を話して行くので、軽い雰囲気があるものの、やはり内容的には重い。神話とも絡め、人間の思い上がりの愚かさを鋭く切り込む。
賛否はともかくこの作品を何年も前に描いた作者が投げかけたものは大きい。

他にも読み応えのある作品が並ぶ。短編集といえども、この人の作品は読む前に気合が必要かも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-16 16:56:31] [修正:2011-04-16 16:56:31] [このレビューのURL]


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