「ぐれいず」さんのページ

総レビュー数: 25レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年01月12日

『ひぐらしのなく頃に』同様、同人ゲーム原作のメディアミックス作品。

画力は申し分なく、ストーリーも原作に忠実で、ファンが望む原作シーンのカットも殆ど見当たりません。
ひぐらしにも言えたことですが、はっきり言ってアニメ版よりもこちらのコミック版の方が読者に優しいように感じます。

原作既読のファンは漫画の絵から推理できることもあるでしょうし、「『うみねこ』を読んでみたいけれど、ゲームやアニメはちょっと……」という方には迷うことなくこの漫画版をお薦めします。

ただ気をつけてほしいのは、エピソードによって漫画を描かれる方が代わるという点と、アニメと違ってストーリーの進みが遅いということです。気長に待てる人でないと漫画でお腹は膨れないかもしれません。

初めて作品に触れる人がいる漫画としての評価で7点をつけましたが、ゲームのコミック化という点で見れば10点満点の表現力と再現力があると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-23 13:37:25] [修正:2009-12-23 13:49:56] [このレビューのURL]

春秋戦国時代、中華統一を目指す、後の始皇帝と彼を支えた武将のお話。
三国志の漫画は多くあれど春秋時代はやはり珍しいです。ですが史実を知らなくても脚注・解説は充実しており、十分楽しめます。

一番の魅力と言っていいのが、戦と武将の描写です。戦国時代ですから戦が物語の中心に据えられるのは当然ですが、何といってもそのスピード感、パワフルなタッチ、そして兵士たちの一体感が胸を熱くさせてくれます。
加えて主人公をはじめ周りの武将たちにはそれぞれキャラを立たせ、垣間見える「漢」が織成す新しい展開に、読んでるこっちはワクワクしっぱなし。

今一番面白い中国歴史漫画という煽りも過言ではありません。
暇つぶしとは言わず是非買って読んでみてはいかがでしょう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-08-09 18:23:34] [修正:2009-12-23 13:26:47] [このレビューのURL]

6点 嘘喰い

カイジとライアーゲームの絵をどうしても受け付けられなかった私が、それらに代わる純粋なギャンブル・心理バトル漫画として期待した作品でした。

序盤でこそ裏社会とギャンブラーたちの狂った様子、「命を賭ける」という緊張感が伝わってきましたが、中盤からは少しがっかり。
「何これ、格闘漫画だったの」的な肉弾戦、まるで幻〇旅団か護〇十三隊のような賭博組織の登場には少し疑問が残りました。
それでも「立会人」・「號奪戦」・「屋形越え」など賭博に秩序と規則をもたらした点においては新しさがあるかと思います。

肝心のゲーム描写はと言えば、常識の範疇を越えたトンデモなイカサマが連発されますので、ライアーゲームのように読者は推理することは難しいです。台詞を熟読し、ページを凝視してもこちらの思考が追いつかないことも多々あります。

ただ、立会人たちの台詞回しや立ち回りは惹きつけられるものがあるし、焦って苦しんでる人間の顔は文句なく上手に描かれています。

これからもっとギャンブル的に面白い展開になることを期待して、6点です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-23 01:17:11] [修正:2009-12-23 13:24:09] [このレビューのURL]

兵器として使用されるため、機械の体を与えられた少女達と、彼女達の担当官のドラマをそれぞれ描いた作品。
重く、そして救われない展開がどうしても多くありますが、現実ではありえない立場の登場人物たちの苦悩に、こちらも考えさせられることがあります。
銃器を用いた戦闘の描写が多い作品ですが、それほどマニアックでもグロテスクでもないので、苦手な人にもお薦めできます。
私は、この作品で久しぶりに漫画で泣きました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-01-12 20:32:09] [修正:2009-12-10 20:18:25] [このレビューのURL]

10世紀前後、イングランド侵攻のために戦ったヴァイキング達を描く歴史・戦争漫画。

以前マガジンでの連載を読んで、思い出したようにアフタヌーンに移ってからの単行本を読んだのですが、序盤とは見違えるような面白さになっていて驚きました。
序盤は主要人物の情報・背景には殆ど触れられていません。必然的に読者は頭に疑問符を浮かべながら読み進めるわけですが、途中に過去編を挟むことでスピード感を伴って主人公トルフィンほかアシェラッドたちの過去が明らかになり、読み易さが段違いに増します。
アーサー王伝説やキリスト教さえも巻き込み、男臭い戦の描写の中には、この漫画の軸となる作者のメッセージも込められています。
時代背景の捉えにくさ、「ヴァイキング」というものへのとっつきにくさはあるものの、神話や伝説、北欧の歴史など、この手の話が好きな人には堪らない出来になっています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-09 18:06:42] [修正:2009-12-10 20:03:52] [このレビューのURL]