「北海流双」さんのページ

総レビュー数: 3レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年05月04日

 1巻を読んだだけでは、今いちハマれなかったのですが、
3、4巻と読み進むにつれ、かなり面白く読めました。

 基本的には日常ギャグ漫画の範疇に入るのでしょうが、
ミステリー、SF(藤子F氏の言う所の少し不思議)的な非日常世界の話、
人情、郷愁を感じる類のエピソードが所々に盛り込まれ、
単にそれだけでは括れない作品です。

 作品の随所に散りばめられた伏線や小ネタの完成度が高く、
かなり創りこまれた印象を持ちます。キャラ一人一人の個性が
きちんと描き分けられており、言動行動に不自然さを感じません。

 タイトルに「それでも町は廻っている」とあるように、
作者は一歩引いた冷静な視点を持っているようで、
その確立された世界観が、主人公視点以外の作中世界の流れや
しっかりとした伏線に繋がり、物語を単なるドタバタ劇に
終わらせないものとしています。

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[投稿:2010-05-09 05:02:10] [修正:2010-05-09 05:02:10] [このレビューのURL]

 私は子供の頃から藤子不二雄さん(当時解散前)の漫画が好きだったんですが、中高生位の時分にこれを読んで強い衝撃を受けました。今、大人になって読み返してもこれが30‐40年前の作品とは思わせない普遍性があります。

 ホロッとするような心暖まる作品もあるのですが、全般的に風刺、皮肉の効いたものが多く、それがあのドラえもん等の少年マンガと同じキチッした端正な画風で描かれているのですから、この短編集を初めて読むとイメージのギャップは大きいかもしれません。(今になって思えばドラえもん等の少年マンガにも端々に黒い片鱗は見えますが・・・)

 作者は「良い意味で」常識にとらわれないフラットな心を持った方なんだな、という感想を強く持てる作品集です。意地悪に言うと、乾いた観察者の視点とも取れるかもしれません。
 しかし、社会の常識やモラルを所与の条件として当たり前の物とせず、客観的に公平な視点で見つめられる力と、それを商業誌に娯楽として、物語の中に落し込める豊富な引き出しがあるからこそ、このような作品を産み出せるのだと思います。

 作品の舞台はありふれた日常の生活から中生代、古代中近東、未来の宇宙空間、パラレルワールドと様々ですが、書きたいテーマに合わせて話の舞台を決めているといった印象で、本人談でSFを(S)少し(F)不思議と表現しているように、SFには何も大がかりな設定や壮大なテーマは必ずしも必要無く、一捻りの想像力が重要なんだと教えて下さる教科書のような一品です。

 と、ベタ褒めしておりますが、この異色短編集は作品の選択が個人的にはちょっと微妙なので、単行本の評価としては1点減点しておきます。同じ小学館ならPerfect版か、若しくは中央公論社のSF全短編(絶版?)がお勧めです。

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[投稿:2010-05-04 23:34:50] [修正:2010-05-05 13:43:47] [このレビューのURL]

 完結(ディアドコイ戦争かな?)までいつまでかかるのか予想出来ないのと、レビューを書く時間も無い為、さしあたり点数のみで。
 もし綺麗にまとめあげたら凄まじい大作になると思うのですが・・・

 

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-04 23:45:53] [修正:2010-05-04 23:45:53] [このレビューのURL]

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