「りばー」さんのページ

総レビュー数: 5レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年02月18日

国民的RPG「ドラゴンクエスト」をモチーフにした王道冒険漫画。
ドラクエの世界観を最大限に活かしつつも、オリジナル要素も上手に絡めた傑作と呼ぶに相応しい作品。

この漫画の最も素晴らしいところは、キャラクター達の成長にあると思う。それは肉体的に強くなるとか、新しい呪文を修得するといったことよりも、むしろ精神的に一回りも二回りも大きくなっていく所にある。

最初は純粋に勇者に憧れていただけであったダイは、自分の双肩にのしかかる勇者という名の重みや、竜の騎士という、自分が人間ではないことに対する苦悩に打ち勝ち、大魔王に立ち向かっていく。

自分より強い敵に出会うと逃げてばかりいたポップは、戦いの度にありったけの勇気を振り絞ることで成長し、最後の戦いでは戦意を喪失したダイを奮い立たせる。

虚栄心や出世欲を捨て切れず、汚い手を好んで使っていたハドラーは、魔族であることを捨ててまで超魔生物になることを決意し、正々堂々アバンの使徒を倒すことに生涯をかける。

他にもバラン、ヒュンケル、クロコダイン、ノヴァなんかも初登場時と終盤では随分印象が違うのではないだろうか。

絵も中盤以降はキレイで見やすい絵柄だし、戦闘描写もかなり工夫されているように思う。

現在のジャンプのバトル漫画のようにポンポン新必殺技が出たりしないあたりも評価できる。「アバンストラッシュ」や「ブラッディースクライド」は小さい頃ドラゴンボールの「かめはめ波」と同じくらい練習した必殺技で、自分にとってはそのくらい1つ1つの技のインパクトが強い。

単純にバトル物としても楽しめる内容であるが、何か大切なことを教えてもらえるような、そんな作品であると思う。

また同ジャンルの他作品と比較しても、感動出来るシーンは多い。

色々と書いたが、とにかく完成度の高い漫画。そんな印象。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-04-29 13:08:53] [修正:2011-04-29 13:09:12] [このレビューのURL]