「Masaki」さんのページ

総レビュー数: 12レビュー(全て表示) 最終投稿: 2013年09月15日

同名の池波正太郎作品のコミック化です。
原作があるためゴルゴのような作品とは全く異なる色合いになっていますが、原作の小説を高校時代に何度と無く読み返した自分にはとても思い入れのある作品です。

盗人を取り締まる長官、といった役目上概ね似た展開(時代劇にもなってますし)になるのですが、画力と脚本がしっかりしており当時の江戸の風景や旅情を楽しめて読みやすいです。
悪党だけどどこか憎めないのがいたり、下半身にだらしないが目をかけて貰っている部下がいたりと個性のある登場人物も見逃せません。

難点は単行本を余り見かけないことでしょうか・・・自分もいわゆるコンビニ版の方で集めてましたし、古本屋などで見かけるのもこれが大半です。ですが作品としては変わりないし、どの話も基本1話完結なのでどこからでも読みやすいですし、何冊か持っているだけで、ちょっとした暇潰しに読むには最適です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-09-15 08:13:48] [修正:2013-09-15 08:13:48] [このレビューのURL]

10点 ゴルゴ13

自分の中で一番好きな作品を一つ挙げろ、と言われたらさんざん迷うでしょうがこれになります。

この漫画に触れたのは小学生当時でしたが、さすがにこの頃は話が難しく濡れ場シーン目当てで飛ばし読みレベルでした。
ですが中学、高校、そして大人となりある程度の理解力がついてくるに従ってゴルゴの強さと魅力、そして何よりストーリーの面白さに引きこまれていきました。

秀逸なのはゴルゴは主役であって主役ではなく、そのゴルゴを使うことになる依頼者側が主役なんですよね、なのでどの作品にも依頼者側の正義、そして狙われる側の正義というのが俯瞰的に楽しめるので飽きがこないのが素晴らしいです。

そして時事ネタを扱うため、冷戦の真っ只中でソ連とアメリカがスパイ合戦にしのぎを削ったり、ナチスの残党がブラジルに拠点を築いていた、といった懐かしいものや、
今となっては他人事にはできなくなった原発事故、冷戦終結後の民族主義の台頭、近年では国家的盗聴組織やロボット兵士といった、
生々しい時事が作品に散りばめられているため、いつ読み返してもその当時の背景を想像できるのもいいですね、
作品はあくまでフィクションですが、書かれている時事ネタは中々深い物が多く、いつも考えさせられます。

自分の中ではモノの考えのみならず、間違いなく人生に影響したといえる正に傑作です。
劇画なので合わない人はいるでしょうが、食わず嫌いで終わらせるには惜しい作品です、一度は読んでみて!と自信を持ってオススメしたい作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-09-15 07:54:08] [修正:2013-09-15 07:54:08] [このレビューのURL]

12
次の10件>>