「褒め河童」さんのページ

総レビュー数: 3レビュー(全て表示) 最終投稿: 2016年03月22日

映画にもなった有名漫画 沢尻エリカが綺麗だったなぁ、見てないけど。
全身を整形し、誰もが羨む美貌を手に入れたりりこ、しかし整形に次ぐ整形。精神を安定させるための大量の薬物。未来には堕落しか予想されないストーリーとなっています。
そんな中でりりこは自分に自信を持ち、時には無くし、誰も信じず愛されず。それでもどうにかして自分を保ち生きようとしていく話。
現代の流行や芸能界への羨望、恐怖がよく描かれていて、今の時代に凄く合っている気がしました。それ故の映画化でもあったと思います。
一人の女性が輝き、老い、壊れていく過程がグロテスクにエロティックに描かれているのが余計に怖さを引き立たせます。人を傷つけることで憂さ晴らしをして自分の存在を確かなものにしていく等沢山の女性の怖さを見られる作品でした。もしかすると女性の方は共感したり、誰かとリンクする事が多いかもしれません。
最後に作者の岡崎京子先生は96年に飲酒運転の車に撥ねられ事実上漫画家生命を絶たれました。加筆修正も出来ないかもしれない状況でありますが、このような素晴らしい作品を描いて頂いたことを深く感謝いたします。

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[投稿:2016-09-18 18:52:08] [修正:2016-09-18 18:52:08] [このレビューのURL]

臓器移植や、脳死の判断などいろいろな視点から、命の重さを考えられる作品。
恋愛要素あり、心臓病を患う少女との儚い恋愛、そこにライバルといった青春も描かれていて、読みやすかった。それが後々主人公達の将来を分けたポイントとなり、研究者という立場から過去に縛られながら命と向き合っている。主人公達のエゴのが最後までぶれなかったことは好印象だった。
医療系の人間達の裏の顔もわかりやすく善悪で描かれてた。ちょっと…犯罪犯しすぎでしょ…と言いたくもなる。実際そうなのか、そうじゃないのか。どっちにしても え?やりすぎでしょ、バレるバレる。とリアリティーに欠ける部分もあった。
絵は全体的に薄い感じ、癖もなく見ててくどくない。線が細く、回想部分との書き分けが上手かった。女の人が描いてると思ったら、妻が原作、夫が画の夫婦ユニット。
個人的に楽しめたし、考えられる部分もあった良作。
ただラストがちょっと…と思う。

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[投稿:2016-07-09 19:08:06] [修正:2016-07-09 19:08:06] [このレビューのURL]

諸星大二郎先生の作品を初めて読みました。
一番気になったのは主人公たちの理解不能、ホラー漫画っぽくない行動。ホラーものに欠かせない感情移入や共感というものが全くの皆無でした。
恐怖に慄く主人公たちは描かれておらず、なんとも呑気でギャグなんかも混ぜちゃって、なんとも臨場感や緊迫感のないものでした。
しかし読んでくうちに2人の行動や思考、というより諸星大二郎先生が何を描きたいか分かってきました。これは主人公たちがあう恐怖体験や怪奇現象を面白げに描いている日常漫画のようなものであり、ホラー漫画ではなかったのです。
そう見るとだんだんと面白さが分かり納得できました。
実際最後のあとがきで、諸星大二郎先生自ら"コワサではなくどこかひとつハズしたものにしようと思いました"と書かれていました。
タイトルにもなったり、全話通して出ている事からもわかるように、話よりキャラクターに重きを置き、話の流れやオチなどもキャラクターの行動は同じでも全く別のものばかりになっており、さすが漫画を描くのがうまいなぁと思いました。
勿論話自体も突飛で面白く全く飽きさせない、世にも奇妙な物語を見ているような感覚に近くとても面白く読めました。同シリーズも全部読んでみたいと思える漫画でした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-03-22 01:12:38] [修正:2016-03-22 01:12:38] [このレビューのURL]