「トカレフ」さんのページ

総レビュー数: 12レビュー(全て表示) 最終投稿: 2016年07月25日

主題は宇宙飛行士の群像劇で、実際に作者が宇宙に対して抱いている興味の強さや知識の深さが伺い知れる。
しかし真の主題はさらにその先にある、作者の持つ「愛」についての哲学だろう。
作品の性質を上手く活かしながら、自分の哲学を描く事に着地点を据えているところは、ある意味寄生獣にも通じていると思う。
話の連続性が薄く、主役もエピソード毎に異なり、テーマも壮大なため、割と読み方にはコツがいるが、大人も読める名作だと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-09-21 11:13:00] [修正:2016-09-21 11:13:00] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

起承転結がしっかりしていて読みやすい。
ワンパターンではあるが、それでも飽きさせない普遍的な面白さがある。

個人的にはこの作品で一番スゴいと思ったところは、海原戦の導入エピソードでリョウが涙を流すシーン。
人の死や別れに泣くでも、自分の非力さを嘆いて泣くでも無いという、少年漫画のキャラの落涙場面としては極めて異質且つ奥が深い名場面となっている。
ジャンプ主人公でも五指に入るであろう強靱なメンタルのリョウが泣くに足る充分な動機と、演出が成されている。
そのシーンの直後のコマやセリフも神憑っていて、この数ページの件に、冴羽リョウのキャラクター性が凝縮されていると言えるだろう。

予定調和の中に確かなこだわりや変化球をぶっ込んでくるところが、この作品が最期まで飽きずに楽しめる一番の勝因だろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-09-21 10:12:03] [修正:2016-09-21 10:12:03] [このレビューのURL]