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10点 寄生獣

扱われているのは環境問題や人口問題といった作者の個性を出そうと思えばいくらでも出せそうなテーマです。しかしあくまで岩明先生は一歩引いた立場でこの物語を描くことで、読者である私たちに考えさせたという点が非常に好感が持てました。
共生も一つのテーマです。パラサイトでもなく人間でもない新一を主人公に置くことによって、複雑な現実が描かれていると感じました。ただのグロテスクな漫画にならなかったのは、このような複雑な漫画の設定が現実の複雑さとマッチして、よりストーリーに深みが出たからです。エンターテイメントとしても考えさせられる漫画としても傑作の漫画だと思います。何より読者のわれわれにこれだけ深い問いを投げかける漫画というのも、現在ではまれだと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-10-30 13:13:01] [修正:2008-10-30 13:13:01]

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