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総レビュー数: 15レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年10月29日

10点 寄生獣

扱われているのは環境問題や人口問題といった作者の個性を出そうと思えばいくらでも出せそうなテーマです。しかしあくまで岩明先生は一歩引いた立場でこの物語を描くことで、読者である私たちに考えさせたという点が非常に好感が持てました。
共生も一つのテーマです。パラサイトでもなく人間でもない新一を主人公に置くことによって、複雑な現実が描かれていると感じました。ただのグロテスクな漫画にならなかったのは、このような複雑な漫画の設定が現実の複雑さとマッチして、よりストーリーに深みが出たからです。エンターテイメントとしても考えさせられる漫画としても傑作の漫画だと思います。何より読者のわれわれにこれだけ深い問いを投げかける漫画というのも、現在ではまれだと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-10-30 13:13:01] [修正:2008-10-30 13:13:01] [このレビューのURL]

男女のすれ違いを色々なシチュエーションで楽しませてくれます。時にシリアスに、時にユーモラスに描かれる登場人物たちの日常は見ていてとても面白いです。徐々に進展していく彼らの恋愛模様は等身大であり、読者を引き付ける魅力があります。
五代と響子の恋愛はやや古典的とも思える感じで、今の恋愛とはズレがあるようにも感じます。彼らの恋愛には今の恋愛とは異なり、お互いの考え方がしっかりと反映されていてなりゆきで進むということでははありません。そのことが途中でやや中だるみ感を感じる理由かもしれませんがいい意味で安定感があり、またこの作品が広く親しまれている原因でもあると思います。この漫画は今の恋愛漫画の源流であり、最高峰だと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-10-30 04:06:33] [修正:2008-10-30 04:06:33] [このレビューのURL]

生と死というテーマを描いた漫画として最高傑作だと思います。この後の同じようなテーマを扱うすべての漫画がこの漫画の影響からは逃れられないと思います。
人間臭くない容貌でありながら、どの漫画の主人公よりも人間臭い登場人物であるブラックジャックが利己的でありながら人間的に描かれているからこそ、共感しうる部分が大きいのだと感じました。正義の味方という書き方をすると語弊があるかもしれまえんが、彼は間違いなくヒーローです。現実的な手術だけではありませんが、手塚先生の描く物語の中には必ず現実的な問題が扱われています。そのような人倫としての道をいくブラックジャックに人生を送る上での大きな影響を受けました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-29 18:05:27] [修正:2008-10-29 18:05:27] [このレビューのURL]

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