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10点 寄生獣

 ランキングの上位にいるので、私も乗ってみます。

 この作品の魅力は、パラサイトという人間に寄生する異種生命が人間に与える様々な衝撃を、僅か十巻という長さに無駄なく収めきった点。
 やはり巻数が多いと敷居が高くなる。十巻というのは友人を勧誘するにも気楽な長さかと。

 主人公新一は、右手にパラサイトを宿すことになってしまい、彼にミギーと名付け、パラサイトと出会い戦い、成長していく。
 こういった種族間の争いなど心理的な描写が味である本作だが、新一とミギーによるバトルも迫力があり、逆転要素もありで拳を握ってしまう。

 パラサイトの身体が変形するシーンなんか、幼い頃に見たら軽くトラウマになってしまうだろう。
 多感な時期に一度見て、嫌な思い出がある方も、どうかもう一度手に取って読んでみて欲しい。

 人間を食べる必要のあるパラサイトと人間の生存競争。共存の難しさ。
 これはやはり命題としては難しく、だからこそ、この作品は価値が高いのだと思う。
 説教臭いわけではなく、作品全体に問い掛けられているような気分。漫画というジャンルの価値を一段階引き上げた作品と言っても過言ではないだろう。

 絵柄は味がある、その表現が一番似合う。登場人物の表情を、その内面に応じて描けるのはただただ凄い。

 終盤。寄生獣という言葉による衝撃は、今も憶えている。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-02-21 10:35:56] [修正:2011-02-21 10:35:56]

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