「ハカタメンタイコ」さんのページ

小学生時代以来の一気読み。28年前にこの作品を世に出した鳥山明は天才でしょう。

今読んでも感心するのは、独特の世界観と、キャラの豊富さ、アイデアの豊かさ。ネタは中盤以降は焼きなおし、焼き増し的なものが増えてくるが、もともと短編も想定していたという狭い設定の中で、よくぞ5年も描き続けたと思う。加えてメカの描写の細かさや独特さは、現代でも見ていて楽しくなる。

終盤は「ドラゴンボール」の布石っぽい話もあり、まさに本作で「鳥山明」という作者が誕生し、本作を通してストーリー漫画家へ踏み出していった成長の過程がよくわかる。特に中盤以降は一話完結が減って数話にまたがる話が中心となり、作者が「こんな作品が描きたい」とアイデアをめぐらせていたことがひしひしと伝わる。続けてドラゴンボールも読みたいところです。

もうひとつ、改めて読み返して気づいたのは、その画力の完成度だ。大作家の連載デビュー作というのは、1巻と中盤以降ではキャラの絵がかなり変化していることが多いが、本作ではそのあたりの「崩れ」はほとんどない。デビュー時から画力はほぼ完成されていたのだろう。完全脱帽だ。


それにしても、あれだけブームになったアラレちゃんも、単行本は全18巻しかなかったのね。自分世代としては、それが今更ながら意外でした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-12-03 22:29:08] [修正:2008-12-03 22:29:08]