「ぐるぐる」さんのページ

山田芳裕は実力と意欲を兼ね備えた漫画家だと思う。
他の作品からも作者の熱意が伝わってくる。

地味な茶道や数寄を題材にしながらエンタメとして盛り上げているのが凄い。

もっとも、その為に強引な展開になったり作者の考えが色濃く作品に反映されたりしていて、否定的な評価をされる事も。万人受けする漫画では無いと思う。
史実とはかなり違うしパロディや変顔の多用も賛否別れる(個人的には好きだけど)。

しかし、この作品にはやはり強いエネルギーがある。
利休の存在感は凄かったし、伏線回収の巧さに感心する場面も多かった。
「人の欲望には限りがない」など印象深いセリフが沢山あるし、登場人物の苦悩や喜びの描写には魂が込もっている。

作品のテーマ「へうげ」を貫いた名作だと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2022-02-06 20:14:43] [修正:2022-02-06 20:17:19]