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7.7点(レビュー数:27人)

作者田村由美

巻数27巻 (完結)

連載誌ベツコミ:1990年~ / 小学館

更新時刻 2011-07-21 13:17:28

あらすじ 20世紀末。ある大予言者の予言通り、地球は滅亡の危機を迎えた。文明は滅び、国は暴君が支配し、人々は圧政に苦しんでいた。それから300年後の日本。山陰地方の白虎の村に、運命の子供が誕生した。その名は「タタラ」。日本を救う革命家として、白虎の刀を携え、残りの朱雀・青龍・玄武の刀の継承者を探す旅に出る。(Wikipediaより)

備考 1993年に小学館漫画賞受賞。

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BASARAのレビュー

点数別:
21件~ 25件を表示/全25 件

10点 ITSUKIさん

10点を久しぶりにつけたいと思います。

文明崩壊後の日本全域を舞台とした架空戦記ものです。

まさに「大河ロマン」!
ドラマチックな内容ながらも、リアリティもあるので読み応え抜群。
最初から最後まで感動させられっぱなしでした。

・広大なスケール
日本全域を渡って旅をし、戦い、徐々に仲間が増えていくという王道な展開をしています。
各地それぞれに人がいて家があって自然があって、皆違っているので世界を股にかけた作品でもないなのにスケールは非常に広大に感じられます。

・巧みなストーリー構成
更紗と朱理のこの古典的ともいえるがドラマチックな関係を巧みに描き切っています。
二人のすれ違い、交錯。うますぎる!
最後の終わらせ方にも無理なく、綺麗にまとまっているのがまた素晴らしい。
女性作家の本領といわんばかりの恋愛模様も流石と言わざるをえません。

・魅力あるキャラクター
主人公をとりまく仲間たちがとても魅力的。
更紗を見守る予言者ナギ、身内の敵として読んでいて最後までやきもきさせられた浅葱、主人公一行からは一歩離れたところで活躍する揚羽、ムードメーカーな那智&聖、それに巻き込まれる群竹さんなどなど・・・
キャラの立ち位置も皆はっきりしているし、心理描写もしっかりしている。
一時期ハヤトの扱いが若干不憫に感じたけど・・w最後はまたかっこよくなっていて嬉しかったです。
朱理側の今帰仁、サカキ、四道、錵山将軍なども皆良かった。
皆それぞれの信念を持って生きています。
「新しい国とは」23巻の朱理の一連のくだりが特に印象的でした。

・画風
顔の書き方などは結構癖があるものかもしれません。
ですがこれで敬遠するのは確実にもったいないです。
表情の書き方は上手だと思います。感情が溢れかえった時の表情は、怒りも泣き顔も笑顔もどれも印象的だし読んでいてひきこまれました。
また、見開きの使い方も上手でよりドラマチックさを演出してくれています。
戦記ものであり、決してバトル漫画ではありません。
大河ロマンなんです。必殺技なんて一つもでてきません。


この作品の一番の魅力は?スケール?キャラ?ストーリー?
答えになっていないかもしれませんが、自分は「全部優劣付けられないくらい素晴らしい」と思いました。だから10点です。
今まで読んできた長編ストーリーものが少し霞むくらいのインパクトがありました。

いやぁ、にしてもあとがきの漫画の内容には流石に時代を感じましたw(FF4がでましたー、とか。何年前だw)

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-05-31 01:17:25] [修正:2010-05-31 07:08:56] [このレビューのURL]

9点 ジブリ好き!さん

(2010年7月、読了につき全改変)

名シーン・名台詞がこれでもかと詰まった作品であるから、感動シーンも当然多い。
四道・錵山の最期、朱里と更紗の対面、大仏内で朱里が更紗の手を引くシーン、晒される太郎、そして揚羽…
幾多とある感動場面の中でも、自分は朱里と柊の決闘のシーンでグッときた。
初めから引きこまれっ放しだったが、中盤少し敵が間抜けすぎかなぁと失速しかけていた時、この22巻の対決場面で猛烈に感動。些細なことはもうどうでも良くなった。

最強の暗殺者・柊との一瞬の斬り合い。
たった一太刀で決着がついたこの場面の、何が自分を熱くさせたのか?


スターウォーズという映画がある。
ご存じ、フォースやライトセイバーを利用した、男なら熱くならずにはいられないバトルが魅力の映画だ。個人的には、ネタが銀河鉄道999のパクリだという論に同調しているので、大好きとは言い難いのだが、それでも壮大なストーリーや世界観、そして何よりボス級の敵とのアクションシーンは心躍る。
ライトセイバーで何度も何度も斬り結び、長い時間たっぷりと手に汗握る決闘が繰り広げられる。そう、長い間…
少年漫画の多くもそうで、ラスボスともなれば1回や2回でバトルは終わらない。本当に長いこと激戦を繰り広げる。

それに対してどうだろう、最強の敵・柊とは、たったの一太刀で勝負がつく。バトルが主体ではないとは言え、例えばナウシカだって土鬼皇帝との対決で何度か切り結んでいる。それに比べてこちらはただの一瞬、はたしてスターウォーズ以上の魅力はあるのだろうか?

山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」という映画がある。
そのクライマックスシーンで、武士の二人が斬り合う場面がある。
斬り合うと言っても、何度も刀を交えるわけではない。お互い、張りつめた空気の中、間だけを測って動きあう。
そう何度も無意味に刀を振ったりしない。それが命取りになると知っているから。
派手な斬り合いのシーンなんて一つもない。一度でも切られれば致命傷になる。家の中をひたすら動き回り、相手と自分の間合いを測り合い、一瞬の隙を狙う。剣道の有段者の闘いが、動いた一瞬で決着がつくように、一度刀が振りかざされればどちらかが死ぬことを知っている。
その緊張感たるや、見ているこちらにとっても凄まじい。

北野武監督の「座頭市」で、終盤の用心棒とたけしの居合抜きでの決闘のシーン。
目の見えないたけしが構えたのを見て、凄腕の用心棒がより早く抜ける構えをとる。
そこで勝利を確信した用心棒は、思わず笑みを漏らしてしまい…結果、素早く構えを取り直し斬りかかったたけしに敗れる。
ここにも、構えから始まる一太刀の中に、命をかけたやり取りがある。熱い。この一瞬の刹那の中に、互いの想いが、人生が、輝いて消える。そんな様が、何よりも熱い。

西洋の騎士は盾と剣を持つ。盾は相手の攻撃を防ぐためにあり、更には鎧も着る。勝負が一瞬で、一撃で決するより、何度も討ち合う中で決着が付くのだろう。
しかし、日本の武士は、侍は防具一切なくただ刀だけを持つ。
彼らの闘いには、最初から2撃目などないのだ。

一瞬で決まる勝負。
そこにはなんの派手さも、何度も混じり合う剣が奏でる音もない。
沈黙の空気。そして内に秘められた静かで熱い闘志があるのみ。
自分はこんな戦いが好きだ。
スターウォーズのような派手さよりも、少年漫画のような長い長い決闘よりも、この一瞬で輝いて消えゆく戦いが好きだ。何よりも手に汗握り、何よりも熱くさせてくれる。

朱里は鎧を纏っていたからどんな戦いになるか心配だったが、田村由美先生が選んだラストバトルは、ジパング伝説の名にふさわしい、一撃決着の斬り合いだった。一太刀の中の、ほんのわずかな動きも漏らさず描かれていた。
心が燃えるようだった。
その斬り合いにも、その一瞬に込められた朱里の、柊の、今帰仁の想いにも、感動した。浅葱の叫びも心に染みわたり、目頭が熱くなるのを止められなかった…


この漫画は、少年漫画を超えたスケールで描かれた少女漫画として認識されている。別に宇宙どころか外国とも少ししか関わらないけれど、日本全国端から端まで一つ一つに地域にまで及んで描かれた作品はこの漫画以外に私は知らない。だから確かに、少年漫画以上のスケールを持っているのは確かだろう。
しかし、自分にとっては、少年漫画を越えた部分はスケールだけではない。
この熱さ、戦い、想い!
志半ばで散る者、生きて苦しみもがく者、その全てを包み込んでの大団円!
いつまでも色褪せない名作、ここにあり!

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-05-25 01:46:51] [修正:2010-07-07 02:15:57] [このレビューのURL]

9点 とろっちさん

近未来戦国大河ドラマとでも言うべきでしょうか。まるで少女漫画らしくない少女漫画です。
ただ少女漫画として押さえるべきところは押さえてあり、その辺のバランスが実に巧みです。

ストーリーはスケールが大きく、熱いです。
他のレビュワーの方も書いてますが、「壮大で濃厚」というのがピッタリです。

男性の方も、少女漫画だからって敬遠していたらもったいないです。とにかく面白いです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-10-10 00:53:03] [修正:2009-10-10 00:53:03] [このレビューのURL]

9点 doneさん

否応なしに泥を被って(被らされて)
生きなければならないキャラクター達の物語。
とにかく谷へ谷へ落としてはらはらさせるストーリー。
読んでいて圧倒的パワーに苦しくて堪らなかった凄い漫画です。

何が苦しいかというと生理的に苦しいというのでしょうか、
人の生き死にや性的な残酷さにまつわる穢れ(自分の中に
ある恐怖というか厭な事)がキャラクター達の過去未来に起こった事が悲しくて堪らない気持ちになります。

圧倒的な重量感で戦乱と愛情の形を描いた傑作です。ただ
読み返すのが辛い作品。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-05-06 03:52:49] [修正:2009-05-06 03:52:49] [このレビューのURL]

9点 居酒屋さん

25巻で終わりとして評価します 以降は完全に蛇足

男と女の恋愛感情を書かせたらやはり女作者にはかわないと痛感させられた
それだけでなくここまで濃厚な物語 えらく感動しました

少女漫画ですからやたら美形で男同士もやたら変な感じです
慣れてない人には少女漫画の絵柄から読むのはつらいと思います

心理描写の微妙な変化と絡ませ方は非常に良かった 面白し

男性も読める少女漫画の代表だと思う まだそんなに少女漫画読んでないけど 
一気読みを推奨します

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-02-11 11:06:06] [修正:2009-02-11 11:06:06] [このレビューのURL]

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