ホーム > 青年漫画 > 月刊コミック電撃大王 > よつばと!

7.84点(レビュー数:131人)

作者あずまきよひこ

巻数15巻 (連載中)

連載誌月刊コミック電撃大王:2003年~ / メディアワークス

更新時刻 2012-07-21 14:21:30

あらすじ 不思議な女の子小岩井よつばとその周囲の人たちが繰り広げるささやかな日常を描いたハートフルコメディ。

備考 文化庁が2006年に発表した日本のメディア芸術100選・マンガ部門に、『あずまんが大王』と共に選出された。また、同年の文化庁メディア芸術祭・マンガ部門においても優秀賞を受賞した。2016年第20回手塚治虫文化賞<マンガ大賞>受賞。

シェア
Check

よつばと!のレビュー

点数別:
6件~ 10件を表示/全131 件

10点 friendstudioさん

パーフェクト。「平成のサザエさん」になりえる(笑)、日本人のスタンダード・コミックにもなりえる、紛れも無い傑作です。

このマンガは、夏休みの初めの日に引っ越してきた「とーちゃん」と「よつば」が、近所の人たち(特にお隣さん)を巻き込みながらも、実にだらだらと「なんでもない日」を過していくマンガです。幼稚園〜小学校低学年くらいの年齢で好奇心旺盛なよつばは、田舎っ子なのか海外っ子なのか、都心から外れた住宅地の何もかもが発見で、ブランコからクーラーまで知らないものばかり。些細なことでもよつばの目には夢のような世界が広がっていて、何でも不思議で、何でも楽しくて、毎日元気に走り回っています。その「ちっちゃい子ならでは」の無邪気な行動が何から何までがなんだか微笑ましくて、テキトーにどのページを開いても顔がほころびます。設定では「変わった子」なんてなってますけど、僕は子供ってアレぐらいでいいんじゃないかなって思えてしまいます。雨にわざと当たって「おーすげー!」とか、鳥よけの風船を怖がったりとか(僕も子供の頃怖かったです)それってきっと人間として純粋なことなんじゃないかと。周りの大人や子供たちもどこか素朴で、人間味溢れています。2巻からギャグもパワーアップし、クスクスからゲラゲラになることもしばしば。登場人物の瞳が心情でコロコロ変わるのもユニーク!最後にいたっては「あー、人間っていいなぁ」って思えてしまうほど(笑)
・・・そうやって読んでいると、なぜだかノスタルジックな世界に引き込まれるような気がするのが不思議です。書かれている話は「買い物」に行ったり、些細なイタズラをしたり、挙句の果てには旅行のお土産を配ったり等、本当に日常のなんでもない姿です。だけれど、それもよつばの目からは発見だらけで、そして楽しくてしょうがないものに見えてくる。どうでもない日常もマンガとして見事に描かれる。ふと時折、「果たして現代人は(自分も含めて)毎日をこんなに楽しめてるだろうか」なんて考えてしまうのです。プールの監視員の上るイスから見た世界も、トラックの荷台から見る世界も、今の私たちは忘れかけてる。ケーキ屋さんに入ってたくさんのケーキを見たときのあのトキメキも、デパートの陳列棚が面白くって駆け回っていたあのトキも、今は感じなくなってしまったことです。たしかにそれが「大人になる」ことなのかもしれない。だけれど、忘れてはいけない事なんじゃないかと。見方が変われば世界も変わって、退屈で倦怠な毎日もなんだか違って見えてくるはず。大人になったって、「すっげーおもしろかった!」って言える出来事を見つけたっていいはず。「朝飯が美味しい!」ってことは、実はものすごい幸せのはず。マンガ中の言葉を借りるなら「何もないが、ある」。今ある平凡だって永遠じゃないし、だからこそ現実は楽しい。そして切ない。夜が更けるまで遊びまわったあの頃は、夜寝るときに明日が楽しみで仕方が無かったはず。今は?・・・そんな深い、深い、そして重たいテーマ。「大きくなると忘れてしまう\"何か\"」を、このマンガは持っています。「本当になんでもない日だって、マンガになるんだ」ということを問いかけてくる全編に通じるテーマには深く共感できました。
たしかに「このマンガはつまらん!」という人はいると思います。でも、できるだけ多くの人がこの\"笑い\"が分かる日が来たら・・・なんて考えてしまったり。多分このマンガは夏休みの終わりとともに終幕を迎えるでしょう。そんな、たった一ヵ月半の\"永遠の時間\"を精一杯駆け回る、よつばと近所の方々。暖かくて、どこか切ない。
不満点がふたつ。ひとつはとなりんちの綾瀬さんが庶民にしてはだいぶいい生活をしてること。この場合は裕福層にしないほうがいいのにな・・・それともう一つ、どんなにこのマンガをベタボメしても許せないのが、ちょっと大判だからって、一冊630円は高い!(笑)

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-11-19 20:55:48] [修正:2006-11-19 20:55:48] [このレビューのURL]

8点 butcherさん

あずまんが大王に続き日常をテーマとしたほのぼの作品。
あずま氏はやはりあずまんがの4コマ印象が強く、ストーリー形式のタイプに少々不安がありましたが安心して読める作品だと思います。
最初は少々違和感を感じましたが慣れていくうちに気になりません。

物語は特に変わったこともおきず、ごく平凡に流れていきます。しかしこの平凡をつまらなくしないのはさすがあずま氏だといった感じ。
人物はというとあずまんがでは主要キャラでは女性のみでしたが(木村はサブキャラとして)主要人物に男性が出ているのには少々驚き。
この男達もうまく活かされていて、セミ取り、プールの話なんてずばりそうじゃないかと。

しかしよくもまぁ作者はこんな子供の思考が浮かぶものだと感心します。
色んなことを素直に疑問に感じ、常識にとらわれない子供心がうまく出せてるんじゃないでしょうか。
そしてそんな子供心を持ったよつばが実にかわいい。

突拍子もない行動と好奇心旺盛なよつば、そしてあずま氏に今後とも期待です。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-05-28 00:11:21] [修正:2005-05-28 00:11:21] [このレビューのURL]

世間に名作として認知されているという意味では今更語る必要もないが
自分の逃げ場になってくれたマンガ、という意味でとても思い出深い。

このマンガを表現するには、程よくリアリティのある夢の世界、というのが一番適切な言葉だろうと思う。
そしてこの夢の世界は学生ではなく、日々の生活に疲れた社会人のほうが
より響くのではないかという印象を持っている。

お隣さんが美人三姉妹というのは社会人にはあまり関係の無い話で
むしろ在宅業で一戸建てを借りられるとーちゃんの財力だとか
社会人になっても学生時代のノリでバカをやれる友達の存在に強く感じる。
そりゃあこんな愉快なメンバーがいれば楽しいだろうなぁと考えてしまう。
とーちゃんは、疲弊した社会人男性の夢を体現したような存在ではなかろうか。
もちろん、よつばの目線で描かれる世界は大多数の人間のノスタルジーを刺激し
えも言われぬ感情に襲われることは間違いないだろう。

私は昔のようにこの世界観に逃げ込むことはもう無くなったが
それでもたまに思い出したように読んで、ホンワカとさせてもらっている。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-02-18 01:49:16] [修正:2016-02-18 01:51:43] [このレビューのURL]

3点 ネコ好きさん


隣に美人三姉妹。でっかい家。
漫画に嫉妬しても意味ないんだけど…。

そんな優遇された環境で好き放題やってるよつばが好きになれない。


てかそもそも、私は子供が嫌いだ。
大人が計算しつくして作った子供を好きになれるわけがなかったんだ。



子供本来の無邪気なうざさと
大人が作り出した不気味さしか感じなかった。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-02-04 09:26:58] [修正:2012-02-04 09:26:58] [このレビューのURL]

8点 kikiさん

あずまきよひこはキャラ立ちさせるのが本当に上手だなぁ。
主役陣はもちろんのこと、三姉妹のそれぞれの友達の性格まで
読み手にこの子はこういう子って把握させてくれるんだもの。

登場人物女の子が多いけど、彼の作るかわいい女子キャラって読者に
媚びた感じがしないので女性にもウケるんじゃないのかなぁ。
バランス感覚が絶妙だよね。

よつばを通じてそこいらにあふれている日常の面白さを再発見
させてくれるだけでなく、そのキャラ達が絡んで作る人間関係までも
楽しませてくれてます。


最初の方はよつばの最強っぷりが異次元な感じがしたのですが、
巻がすすむにつれよつばにも普通の子供と同じく嘘をついたり
ワーワー泣いたりダメなところがあったり、敵対する相手(ヤンダ)
が出てきたりして、共感できるようになりました。
が、はちゃめちゃっぷりが減ってきて普通の元気な子供になりつつ
あるような気がします。(11巻まで既読)



個人的にすごく気になること。綾瀬家の玄関の鍵って開けっ放しなん?
女の子(しかも三人ともめっちゃかわいい)だらけの家なのに…。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-12-12 23:04:39] [修正:2011-12-12 23:04:39] [このレビューのURL]

PR


よつばと!と同じ作者の漫画

あずまきよひこの情報をもっと見る

同年代の漫画

月刊コミック電撃大王の情報をもっと見る