うさぎドロップのレビュー
7点 s-fateさん
前半は子育て部分も面白いですが、意を決して行動に出たダイキチの周囲の利害関係者の描写がリアルなことと、後半で効いてくる複数の家庭環境設定が素晴らしいですね。後半はその設定がよく生かされて決して広くない世界観、サッパリした絵でも話の密度は充分に感じられると思います。一桁巻数完結で非現実性を持ち込まない作品ではなかなか会えないタイプのマンガかと思います。
個人的には前半後半双方あってこその良作だと思います。
あとがきで最初はすぐ終わる予定だったことが記載されていますが、結局ある程度の長さの作品に落ち着いたことがこの作品には良かったのかもしれません。最初からスタートがアレでオチがコレと決めて進めるとしたら、自分だったら源氏物語の紫の上の話しか思いつきません。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-09-17 01:22:15] [修正:2011-09-17 01:22:15] [このレビューのURL]
7点 そのばしのぎさん
似たような評価の方が多いようですが、私も第一部は文句なしに評価しますが、第二部はちょっと・・・と思いました。
第一部をあの時点で切って、10年進める。その展開自体は良かったと思うのですが、すぐにまた中学生時代の回想に戻ったり、コウキの額の傷のエピソードが未消化だったりと、どうも後付け感が漂います。
あと、ラストに明かされる血縁の謎ですが、最初の方を読み直してもダイキチがそれに気づいている様には取れない。
二部はあの展開でもいいのだけど乱雑で物語としての説得力に欠けるかな。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-09-11 23:01:40] [修正:2011-09-11 23:01:40] [このレビューのURL]
7点 ラビスカノンさん
前半は素晴らしい出来だと思う。
大吉の社会人の面や保護者としての面を上手く書けていて、ほのぼのとした雰囲気が作中からとても伝わってきた。
保護者同士の絡みや子供達の動向にも日常的なリアリティがあり、作品の持ち味を活かしきれてるように感じる。
しかし、10年経過した後半以降はどうしてもとっつき辛い。
失礼な書き方かもしれないが、ありふれた学園ものの少女漫画と同じような印象を受けざるを得なかった。特にコウキとりんの絡みを前に出しすぎていて、後半になるにつれて食傷気味になっていった。
エンディングについてはやはり意見が分かれるだろうけれど、大吉の寛容さのようなものが自分にはどうも納得いかなかった。ただ、最後のりんの台詞には少しウルっときてしまった。
作品を通してキー人物であるりんの母親の立ち回らせ方がかなり上手く、長らく離れていた親子の距離感をしっかり演出できてる点はすごい思う。
個人的には大吉とコウキママのラブコメっぷりをもっと見たかったのでその点が少し残念ではあるけど、あらすじに興味を持つようであれば十分に読む価値のある作品だと思う。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-09-07 11:32:53] [修正:2011-09-07 11:32:53] [このレビューのURL]
8点 100gさん
初めは絵が味気ない様な印象を受けましたが、それも初めだけ、ほのぼのとしたストーリーが和ませてくれます。
途中から突然数年後の話になってしまい、違う漫画かと勘違いする程びっくりしました。
ここの展開についていきにくくかなり戸惑い、脇役の把握がしにくかったです。
しかし、繋ぎ方はともかくとして、後編に価値がある漫画なんじゃないかなと思います。
子供物は、ダラダラぼんやり終わるパターンも多く、それが悪いわけではないとは思いますが、盛り上がりに欠ける傾向が有ると思います。
しかし、この作品はラストを盛り上げてくれます。
結末は賛否両論でしょうし、予想を裏切られましたが、読み物として楽しかったです。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-07-31 00:07:41] [修正:2011-07-31 00:07:41] [このレビューのURL]
6点 booさん
ほのぼのしながら楽しく読めました。宇仁田先生の優しい絵とほんわかした温かい物語(途中までは)がとてもマッチしていて良かったですね。
1部は育児もの。育児ものにはパパトールドミーや赤僕など名作も多いものの、うさぎドロップ独特の切り口も多くておもしろかった。りんは可愛かったし、ダイキチはかっこよかった。
2部になってかなり色が変わったのには戸惑った人も多いはず。りんの思春期特有の面倒くさい人間関係やぐだぐだな恋愛についての悩みを描こうとしているのかな?、でも迷走してるよなーと思っていたら最終巻を読んでなるほどだったでござる。
評価は分かれるであろう最終巻。倒錯的な恋愛自体は現実的にも少なくないし私も嫌いではないから置いといても、その過程の説得力が足りなさすぎた。これでは結局ダイキチが光源氏になっちゃっただけな気がする。
2部をまるまる使ってりんの気持ちはしっかり描写されていたのでどうしてそうなったかというのは十分理解できた。問題はダイキチの方だよね。どう考えても娘としか思っていなかったようなのに時間がいきなり飛んで受け入れて終了ってのはないよ。もしこの普通ならありえないであろう気持ちの変化の過程が説得力を持って描けてたら、私の中でうさぎドロップは名作(怪作か?)になっていたかもしれないと思うとかなり残念。
個人的には2部が惜しいなと思うものの最終巻が気に入れば楽しめるでしょう。1部は誰が読んでもOKです。
宇仁田先生他の作品に普通のホームドラマを描いた作品もあるようなのでそっちも読んでみようかな。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2011-07-30 15:07:06] [修正:2011-07-30 15:22:41] [このレビューのURL]
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