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6.78点(レビュー数:57人)

作者羽海野チカ

巻数10巻 (完結)

連載誌コーラス:2000年~ / 集英社

更新時刻 2012-10-09 00:26:23

あらすじ 古いアパートで楽しく平和な生活をおくる美大生の森田、真山、竹本が親しい助教授のいとこの娘・はぐに出会い……。
美大を舞台に少し複雑な恋模様や青春を描く物語。

備考 2000年から2001年までは「CUTiEcomic」で2001年から2005年までは「YOUNG YOU」で連載していたが、休刊に伴い「コーラス」に移籍した。
2005年4月から9月までフジテレビ系列の「ノイタミナ」枠で、2006年6月からは第2期として「ハチミツとクローバーII」が同枠でテレビアニメ化された。
又、2006年にアスミック・エース製作で実写映画化、2008年にはフジテレビ系列にてテレビドラマ化されている。

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ハチミツとクローバーのレビュー

点数別:
11件~ 15件を表示/全57 件

9点 パン屋の店長さん


漫画に憧れを抱いたのはいつ以来だろうか?

こんな大学生活過ごしたいっていうよりもむしろ・・私もこの4年で何か自分を満足させたいと。小学生の頃は漫画を読む度に『あぁ、こんな風になりたい。こんなことしてみたい。』とよく思っていた。けれども、年をとっていくのと同時に漫画は漫画で割り切ってしまうということが多くなってきている。現実離れができなくなってしまった。それはそれで良いかもしれないけど。

しかし、この漫画だけは割り切れなかった。ジャストミートな年齢だからかもしれない。それでもスゴイと言わざるを得ない!私も自転車で旅をしてみたいと、影響されすぎだと笑われるかもしれないがそれこそが大学生だと肯定化してしまうようなあたり、もはやこの漫画にどっぷり浸かっているのだろう。

主要メンバーほぼ全員が竹本くんを際立たせている気がしてならない。才能があることや、自分の目標がしっかりある人間たちの中で主人公である竹本くんが実に等身大の存在に見えてしまうのはもっとも。そんな竹本くんが青臭さを爆発したせいか、読者である私たちも爆発させてもらいました。

ようは5?7巻の竹本くんが自分の作品壊して一人旅いってしまう展開のところのわけですが・・・それまでの彼の葛藤などの心情表現があってこそのココ!いかにも漫画的な展開で大好きでした。

一人旅から帰ってきた竹本くんがはぐちゃんに告白したシーンが最高。
伝えた後の満足そうな笑顔に、もう何も言うことができません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-17 22:52:44] [修正:2011-04-17 22:52:44] [このレビューのURL]

8点 kikiさん

甘酸っぱいー!
メルヘンタッチでギャグもあって青春してて連載時夢中になったものです。
みんな片思いの相手には純粋でまっすぐで切なくて。
こんな青春してみたかったものです。

青春まっただ中な描写だけでなくデザイン事務所の先輩方とかの
大人視線や見解があったので、青春まっただ中でない私でもより物語を
楽しめたと思います。美和子さん素敵すぎ。(特に健康ランド)

まぁラストの先生には驚きましたけどね。
意外な死角で面白い展開といえばそうだけど、前半時のハグラブ!な
言動があの頃からマジだったらキモすぎるあれはギャグ描写なんじゃ・・・
どうせならはぐちゃんは自分の芸術のため恋よりも芸術のパートナーを
とり(最後の先生との過去話は無理矢理作ったようにしか思えないし)
先生は純粋にはぐちゃんが芸術を生み出すのを手伝いたいそうして自分も
救われたいでええのに・・・「大好きさ」って読者は冷めるっつーの。
それ以外はいい展開な終わりで好きなんですけどね。

個人的にローマイヤー先輩がドストライクだったのでもっと活躍される姿を
見たかったのですが話が転がらないかな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-16 15:31:47] [修正:2011-04-16 15:31:47] [このレビューのURL]

10点 ジブリ好き!さん

これって、読むのがすんごく辛いの。
スピッツからいただいたハチミツの味は甘いじゃなく甘酸っぱく、スガシカオが摘んできたクローバーの葉数は4枚じゃなく3枚のものばかり。
「全員片想い」なんて聞こえのいいキャッチフレーズだけど、もういい加減前向うよ!って。


ちょっと前にブームになったけど、たぶん本当にはまったのは、大学生活を送る最中の若者達だと思う。どのサイトでも、批判する側の人は、昔の漫画に造詣の深い、若者じゃない人が多かったから、年配の人には、ちょっと理解できない部分があるのだろう。
TVでマツコ・デラックスが言った、「大学時代の恋なんてクソみたいなもんよ」って。きっと、歳を重ねて青春スーツ脱げるようになれば、そうなんだろうな。でも、僕ら若者にとっては、そんなクソみたいな恋が、バカやってる今が、全てなんです。
就職氷河期と言われつつも相変わらず受験戦争は激しく、とにかく必死に勉強して、大学入って、はめはずして青春してみて。でも自分が何者かなんてわかんなくて、何がしたいのかも不明瞭で、それでもとりあえず楽しんで。
そんな自分にはとにかく主人公は竹本。
からっぽで美大入学、良き先輩に囲まれながら初恋し、迷って、自分を探し、何かを掴んで、告白し、失恋する。そうやって、モラトリアムから脱却した彼。森田やはぐのような才能も、真山のような成功もないけど、本当に等身大で、自分を重ねたくなる。(けど、こんな青春まだ僕は送れてない)

この漫画って、ポエムとか心内語が多いんだけど、大きな気持ちは見せてない。だから心理変化が結構唐突に起きて、そこについていけなくて嫌いになる人も多いそうで。
でもこれ絶対意図的で、「そこは自分で補ってね☆」とかじゃなくて、たぶんそこには、若者にしか伝わらない、もとい「若者のシンボル」があるんだ。
竹本が自分探しの旅で行き着いた地の果て。そこで彼は何かを感じ、はぐに告白する決心がつくんだけど、その地の果てで何を見て、大きな心情変化が起きたのかって、あんま描いてない。
でも、自分も、寒い中外で待って拝めた初日の出の素晴らしさや、イタリアでみたダイナミックで緻密な彫像の神々しさを目にしたときとか、感嘆のため息はでても、言葉は出さない。そういう時の、心の中に渦巻く大きな感情を、言葉にできない。下手な言葉を紡ぐと、その気持ちが壊れてしまいそうで。だから自分で、自分の心の中をゆっくり落ち着いて整理する。多分それと同じで、竹本も地の果ての感じたことは吹き出し=言葉で発してないし、心内語で整理しきれてもないんだ。
他の場面も同じ。今なんて、伊集院光が中二病なんて言葉を生んじゃったせいで、なんでも言葉で表すと陳腐に感じられて、そんな世代の僕ら若者は、次第に青春を言葉で表現せず、心の中の漠然とした気持ちに従って動くようになっていってる。それは、ハチクロの間(ま)で、奥底の心情を省いた間(ま)で表現されている。
そして心の中の漠然としたものに従っている内に、僕たちは自分を見失う。自分の気持ちが、分からなくなる。そのくせ人のことには敏感で、人を言葉で表すことには抵抗がない。ハチクロでは「本人は気付いてないけど周りが気付いちゃう・理解できちゃってる」パターンが多いけど、これもそんな若者のシンボルなんだろう。
こういうのって従来のしっかりした心理描写の少女漫画とは違うし、岡崎京子でもない。きっと、浅野いにをの青春狂想曲のような、新しいマンガなのだろう。
時代って生き物だから、漫画の姿も5年10年で全然変わって、それを受け入れていかないと、「なんでこんな漫画がヒットしたんだろう」ってなるのかもしれない。

羽海野チカは高卒だから、もしかしたら美大って設定は彼女の憧れなのかも。
彼女は本当に漫画読みで寄せ書きも多く、漫画家であることに誇りを持ってる。そしてそれ故にコンプレックスも持ってて、自ブログでは遅咲きなことへの言及も多い。
でももし高卒のまま漫画家になってたら、絶対にハチクロは、こんな大学生活は、描けてない。大学の友達関係って、小中高とは全然違って、共にした時間は短いのに最後の青春を全力で楽しんだ仲間って感じがある。竹本達が写真1枚も残せなかったことがその象徴で、本当にそんな風に淡く儚く夢のような時代なのだろう。社会人での経験と取材熱心な態度、遅咲きで苦労したからこそ、彼女はこの作品を生めたのだと思う。

自分も先生と同じ足立区出身で、作中の花火大会も足立区のじゃん!とか思い入れが強いのだけれども、本当に、大学時代にこの作品に出会えたことは、良かったと思うのです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-16 12:18:03] [修正:2011-01-16 12:18:03] [このレビューのURL]

9点 玄米茶さん

※完全に個人的な感想です。気にしないでください。

「三月のライオン」もそうだが、この人のマンガはド真ん中に真っ当なマンガなので、「面白かった」以外の感想がでてこない。無理に何か言おうとすると、「オレの学生時代はこんなにいいモンじゃなかった…」みたいなイジケたものになってしまう。このマンガの全編に流れる真っ当さの前には、ヒネクレたマンガオタクの屁理屈など全く無意味だ。

一コマ一コマの描写から、(これを描いてくれるなんて)いいなあ、うれしいなあ、と感じる。マンガでしか表現できないドタバタもよかった。ポエムも一生懸命読んでしまった。

ようするに、面白かった。

健全さは不健全から逆算して導き出されるものだと思う。ヒネクレたオタクが、自身のヒネクレに気づいてしまったとき、真っ当さへの憧れが生まれるのだろう。本当に、愛が溢れているマンガである。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-12 23:54:50] [修正:2011-01-12 23:54:50] [このレビューのURL]

8点 森エンテスさん

個性的なキャラクター達の織りなす恋愛群像劇です。

心の声と実際の台詞の対比によって、深く物語に入り込ませるテクニックは少女漫画をほとんど読まない身には新鮮でした。

どんな終わり方になるか想像も出来ない物語でしたけど、綺麗な終わり方で、
人に優しい気持ちで接したいときに読むと良いと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-06 21:56:36] [修正:2010-12-06 21:56:36] [このレビューのURL]

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