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7.55点(レビュー数:40人)

作者柳沼行

巻数16巻 (完結)

連載誌コミックフラッパー:2001年~ / メディアファクトリー

更新時刻 2009-11-25 06:27:31

あらすじ 西暦2010年。日本人初の有人宇宙探査ロケット「獅子号」は市街地に墜落して多くの死傷者を出す惨事となった。事故で母親を失った少女・アスミは、事故機のパイロットの幽霊、「ライオンさん」と出会い、宇宙飛行士を夢見る・・・。

備考 2003年から2004年にかけてNHKにてテレビアニメ化、2009年に同じくNHKにてテレビドラマ化された。

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ふたつのスピカのレビュー

点数別:
16件~ 20件を表示/全40 件

9点 lowtech711さん

名作。
主人公の【鴨川アスミ】が宇宙飛行士を目指す漫画。
同じ夢を持つ仲間達と共に、宇宙を目指す姿勢に胸が非常に熱くなる。宇宙以外の要素も多く、それを苦手とする人もいると思うが、この作品は大丈夫だと思う。
アスミには元宇宙飛行士の幽霊【ライオンさん】と話が出来るという特殊な能力が備わっている。言い換えると、幼い頃から宇宙飛行士になるトレーニングをしてもらっていたサラブレッドなんじゃないかという点に、「フェアじゃないな」と斜に構えた捉え方をしていた。でも徐々に、それ以上にアスミの夢への直向きさが、ライオンさんとの邂逅を成したんだなと思うようなっていった。

また、絵が上手くない点が若干の不安要素だった。というのも宇宙モノの一つの売りは絵だと思うからだ。例えば幸村誠さんの「プラネテス」があれだけ評価された背景には、内容だけでなく絵の素晴らしさも入っていると僕は思っている。この作者はそこをどうカバーするのかと思っていたが、宇宙モノなのに宇宙を地上から見上げる描写ばかりを使い、ここぞというタイミングでドンッと宇宙から見た地球を描くというシンプルな演出で乗り切った。乗り切ったというよりも作品の内容と盛り上がりを計算しての演出だったと僕は感じた。あのシーンは本当に最高だった。かなりのオススメ。

努力と仲間の大切さを教えてくれる、珠玉の作品。

是非、ご一読を。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-14 16:11:48] [修正:2010-06-14 16:11:48] [このレビューのURL]

9点 ITSUKIさん

初連載とは思えない完成度。
どこか懐かしい哀愁漂う絵柄がとても魅力的です。
細部まで丁寧に描かれていて作者(とそれに協力した方々の)こだわりが感じられます。

「宇宙飛行士になる」という夢を追って友達と努力し、協力し、涙し、恋し、成長していく。
各キャラの掘り下げと成長がしっかり描かれていて、全16巻という長さをまったく気にせず読めました。
アツい展開とは無縁で本当に淡々としています。
人によっては泣ける場面も多々あるでしょう。フラグ立ちすぎですが、ベタで外れがないです。
滝のようにダラーッと流す涙ではなく、ポロポロとこぼれ落ちる様な涙の描き方は印象的でした。

明かされないままになった謎や伏線も存在しますが、読み進んでいくうえで重要なものでもないのであまり気にする必要はありません。
ストーリーの展開はぶれずに最後まで進んでいますので。
最終回、終わるのが名残り惜しく胸が締め付けられる様な気持ちになりました。
キャラ良し、ストーリー良し、絵柄超好みと思いっきりハマりました。
この作品に出会わせてくれたレビュアーの方々に感謝。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-15 00:05:15] [修正:2010-03-15 02:40:56] [このレビューのURL]

8点 ジブリ好き!さん

大好きな作品です。

ライオンさんが良いです。

ライオンさんのいないふたスピなんてふたスピじゃねぇ!ってNHKの実写ドラマをけなしていましたが、いざ見てみたら感動しちゃいました。
ライオンさんがいなくても面白い。
つまりこれ、宇宙飛行士を目指す若者たちの青春ものだったんですね。感動に媚びた感じが拭えませんが、それでもこの作品の世界に浸っていたいと思えます。

ドラマでは熱さが目立ちましたが、原作はほんのりと暖かい雰囲気。その源は優しいタッチの画で、淡くもの寂しくもふわふわとして温かい、独特の魅力がこもった画です。
こんな優しい画から想像もできないほどシリアスな内容ですが、その本質は青春ドラマ。そう気付いて読み直すと、幾多の葛藤と苦難の末に夢を掴み取ったあすみの姿に感動してしまう。秋やマリカのエピソード自体じゃなく、それを乗り越えたあすみの姿に…

印象的な場面が数多くあるけど、やっぱり一番は、最後あすみが選ばれた時のシーン。
あのあすみの表情…その後の教室の空気感や差し込む光の効果なども良い!
嬉しさと寂しさと、そこにいる他者を蹴落として勝ち取った栄光と周囲への申し訳なさ、そしてそれまでの苦難の数々。全てが詰まってます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-11 02:17:51] [修正:2011-02-13 16:10:59] [このレビューのURL]

9点 とろっちさん

暖かくて透明感があって、どこか儚げなこの作品の空気がとても好きです。

とりあえず泣けます。
泣かせてやろうとする意図が垣間見えるのですが、それでも泣けます。
場の見せ方、盛り上げ方は見事と言うしかないです。

ストーリー的には厳しい展開が続きますが、登場人物の芯の強さと、全体を包み込む優しい雰囲気に心打たれます。
作者が愛情を惜しみなく注いで丁寧に描きあげた物語です。

ただ、一つだけ違和感が。別に近未来の話にしなくても良かったのでは。
読み切りからの流れなのかもしれませんが、近未来感が全く伝わってこなかったので…。
「現代劇のSF」という舞台ならば満点だったかも。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-11-16 01:10:31] [修正:2009-11-16 01:10:31] [このレビューのURL]

9点 ういちさん

大好きな作品だったが、素晴らしい作品のまま無事に完結してくれて安心した。
お涙頂戴ものと言ってしまえばそれまでだが、本当に泣いてしまうのだから仕方がない。
「夢」と「仲間」についてここまでキレイに描き続けてくれた作者に心から感謝。
心が疲れてしまったときに、また読み直したい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-11-02 01:51:23] [修正:2009-11-02 01:51:23] [このレビューのURL]

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