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6.76点(レビュー数:25人)

作者古谷実

巻数4巻 (完結)

連載誌週刊ヤングマガジン:2001年~ / 講談社

更新時刻 2010-03-10 19:25:15

あらすじ 人生って、とんでもねえぇぇぇ――!! 超極端な不幸に巻き込まれずに生きる、ズーズーしき「普通の人間」たち。そんな彼らに憧(あこが)れつつも、激しい憎しみを抑えきれない中3男子・住田。彼の悩みは、「自分にしか見えないバケモノ」にとりつかれていることだった……。メガヒットGAG大作『進め!稲中卓球部』から一貫して、「人生とは何か?」というテーマを問うてきた漫画家・古谷実。その魂をつぎ込んで描き出される、圧倒的な「絶望の世界」!!

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この漫画のレビュー

9点 朔太さん

社会の底の閉塞感を文学的に哲学的になり過ぎず、
適度の分かりやすさで表現している。

「僕といっしょ、1997年」、「グリーンヒル、1999年」
に続く一連のシリーズも同様ながら「ヒミズ」は
救いようのない底辺の底の息苦しさが今まで以上に
切迫しており、これ以下はないと思える設定である。
この後の「シガテラ,2003年」、「わにとかげぎす,2006年」でも
絶望の状況はあるが、一筋の光が見え隠れしている。

今回もお節介な女性理解者には同様に救い神としての
役割が与えられているのだが、結局は主人公が受け
入れていない点で、他にはない地獄っぷりである。
何事もなく、貧しくとも平穏を求めるだけで、清く
正しく生きるつもりだった主人公の絶望ぶりは
半端ないものである。

単純に言えば“行き場のない暗い”作品だが、
切り捨てられない魅力がある。
こんな主人公や哲学に共感しないまでも理解できる
読者がいるとすれば、私も含めて病人と呼んでも
良いのではないだろうか。

大きな熱量とインパクトを持った作品である。
漫画として成立しているのが不思議ではあるが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-06-18 17:09:57] [修正:2020-06-18 17:09:57]

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