あらすじ 山に魅せられた男、島崎三歩。若くして世界の巨峰を登頂した後、三歩が選んだ道は日本でのボランティア救助隊員だった。感情に流されることなく、常に最善の結果を求めて救助活動をする三歩。ときには非情で冷酷とみなされ、遭難者やその関係者と衝突することも。山があり、登頂者がそこを訪れる限り、三歩の救助は続く。
備考 当初はビッグコミックオリジナル増刊で不定期連載されていたが、途中からビッグコミックオリジナル本誌に移籍した。2008年第54回(平成20年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。「ビッグコミックオリジナル増刊」で不定期連載されていたが、2007年から「ビッグコミックオリジナル」に移籍した。
この漫画のレビュー
7点 Masakiさん
登山家である主人公が登山を楽しみつつ、救助のボランティアもやっているというかなり独特な設定の漫画です。
基本的には誰かが遭難したのを主人公の三歩が助けに行く、というものなので展開がいつも一緒とか、中盤から中だるみしているなどとの評価もありますが、自分は中々どうして最後まで飽きずに読めました。
絵についても余り画力が変わっていないなどと言われるようですが、自分は三歩の救助後の大きな笑顔一つで癒されますw
ヒロイン役の久美ちゃんも人間くさくてかわいいですし。
あえて言うなら囲み文字で登山系のウンチクや解説があっても良かったかなとは思います、基本読者が知っている事を前提の描写なので。
序盤はシンプルに遭難者を救助(もしくは遺体を回収)して三歩がよく頑張った!で終わりですが、中盤からザックや久美、阿久津、ナオタといったサブキャラにもストーリーが割り当てられ、世界観の構築に一役買ってます。
特に阿久津は美人の奥さんと結婚、子供も生まれて幸せな家庭を築くという典型的な事故フラグを立てまくってきっちり回収、という波瀾万丈なキャラになってしまいました。
最終盤については賛否両論で、極限状況下ではまず自分を助ける事が重要、と語られていたのに三歩は限界ラインを超えて救助活動に行ってしまった上にほぼ確実に二重遭難死したであろう展開はちょっと悲しいオチですね・・・
作者いわくは死んでない、などというコメントをしたとの話もありましたがリップサービスかなと。
また久美が三歩に好意を持つような描写がそこかしこにあっただけに、まさか最終回でエピソードが1つほどしかなかった青木(民間救助ヘリの運転手)と結婚して子供までいた展開にはかなり驚きました。まあそれを見ても三歩は既にいない世界なんだと思っちゃいましたが。
最終盤は悲しくなってしまいましたが、登山の楽しさとその裏側の恐怖・危険を上手く描いた名作です、何度も読み返すほどではないですが、全巻一気読みしたので評価は7点です。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2013-10-10 22:27:43] [修正:2013-10-10 22:37:57]