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4.82点(レビュー数:28人)

作者岡本倫

巻数13巻 (完結)

連載誌週刊ヤングジャンプ:2007年~ / 集英社

更新時刻 2010-08-03 00:04:08

あらすじ 白銀の山の頂上、風が強く吹く夜のジャンプ台。あまりにも危険なこの場所でスタート台に腰掛ける少年が!! ジャンプ台の係員の制止も聞かず、少年は滑りだし……。彼は一体、何者!? 無名のスキージャンパーが、オリンピックを目指す!!

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この漫画のレビュー

3点 まれらさん

[ネタバレあり]

スキージャンプに目をつけたのはいい。現実世界においては近年は低迷が続くジャンプだが、札幌世界選手権では奇跡的な表彰台を見ることができ、少しは上り調子に思えてきた中で、ジャンプ漫画という新しい存在が出てきた点は素直に嬉しい。
また女子選手に目をつけたのも鋭い。女子の世界選手権が現実味を帯び、また伊藤という幼きヒロインが登場した現実がある中で、実に旬の素材を見つけたものだ。
だが誉められる点はここまで。旬の素材を手に入れたのに、見事に料理に失敗している。
まず肝心のジャンプの飛翔感や緊張感が描けていない。本来ならスタートの緊張やアプローチのスピード、そして踏み切りのタイミングといった息詰まる要素の積み重ねがあるからこそ、その後の開放感が引き立つのだと思う。いくら時間的に短いからといって、ほとんど描写や説明を放棄していきなり宙を飛ばすのはひどい。ジャンプに興味がない人に説明するとすれば、例えば野球漫画で「バッターボックスに立った後、ピッチングのシーンやスイングのシーンを省略して、次のコマでホームラン。」とでも言えばわかってもらえるだろうか。スポーツの面白さが伝わらないスポーツ漫画は成り立たないだろう。
まだおかしい点はある。いきなり安易にヒルサイズ越えを描いて、後は何を描くつもりなのかわからないし、飛距離の話ばかりしていてゲート設定の説明がないのも変だし、そもそもかなり競技人口が少ない筈なのに無名の選手がいるというのも不自然である。長野五輪の少し後という設定のようだが、ジャンプのフォームがいかにも今風のフォームなのも気になる。
ストーリーも変に奇を衒い、スケート選手やホモや兄弟など、目眩ましのように雑多なネタを放り込んであって咀嚼し切れていない。軸が定まらないのをごまかすためにあちこちに伏線を張っているだけのように感じる。既にスキージャンプ漫画という一大ジャンルが存在し、後進の若手が隙間を狙っているとでもいうのならわかるが、ほとんどエポックメイキングな作品なのにいきなり奇襲攻撃に出る必要はないだろう。
まっとうな競技の面白さと健全な競技者では漫画を描く自信がないのだろうか。
(得点は素材を見つけた点への評価。)

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-02-04 01:32:38] [修正:2008-02-04 01:32:38]

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