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6.05点(レビュー数:37人)

作者花沢健吾

巻数22巻 (完結)

連載誌ビッグコミックスピリッツ:2009年~ / 小学館

更新時刻 2012-03-04 21:21:09

あらすじ 深夜。何重にも鍵をかけた部屋に、ひとりの男が帰宅。夜食をとりながら、妄想で作り出した後輩に、テレビの中の女子アナの文句をたれている。だが全ての放送が終わると、男は部屋を覆う闇と静寂に怯え、ひとり言い知れぬ恐怖と闘い始める。経を唱え、独自の魔方陣を組み、さらに奥から銃まで持ち出す。そして男は「アイ アム ア ヒーロー」と自身に言い聞かせ…。やがて、日が差し込み街も目覚める頃、男はようやく安堵の表情を浮かべるのだった。

備考 実写映画版が、2016年4月より東宝系にて公開。

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この漫画のレビュー

7点 yumenneさん

[ネタバレあり]

自分は昔ゾンビという存在が本当に怖くて、何故か死ぬよりゾンビになる方が怖かった。たしか、もし家族がある日気づかぬうちにゾンビになってしまったら、という想像が耐えられないものだったのだ。
いつのまにか、幸か不幸か、自分も物語を面白くする工夫と現実社会は切り離すようになってしまった。

でもそんな自分にもこのマンガは怖かった。
多分結局このマンガがなしたのは、ゾンビものをリアルな絵柄と、等身大の人間を伴って、ありったけのリアリティを付与することで、ゾンビものを極限まで怖くしたということだろう。
特に一巻をほとんど丸ごと使って日常を描写したのはとても良かったと思う。
自分がどちらかといえば特殊な方かもしれないが、自分は生き汚くて、温かい、こういう人間の描き方は結構好きだ。(それにしたって花澤健吾のひねくれ方はやはり度を越しているとちょっと思うけれど。)

たいていの点においてこのマンガは成功していると思う。自分は引き込まれた。

ただエンディングは正直自分にも受け入れがたい。
別に全くつまらない終わり方ではないし、それなりの読後感は残るけれども、様々のものを置いてけぼりにして終わってしまった印象は拭えない。下手に世界観を中途半端に開示して読者を煽る必要はなかったのではないか。
おそらく、著者があらかじめ考えていたエンディングを変えたのではないかと推察される、少しつぎはぎのある印象は否めない。

しかし、それを踏まえても、大きな存在感を持った漫画であったのは疑いない。




ナイスレビュー: 1

[投稿:2018-05-11 20:14:07] [修正:2018-05-11 20:14:07]

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