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7.42点(レビュー数:7人)

作者業田良家

巻数5巻 (完結)

連載誌週刊宝石:1987年~ / 光文社

更新時刻 2009-12-30 16:37:05

あらすじ 貧乏・暴力・偏見が飛び交う世の中、幸せとは何かを問うある夫婦の物語。

備考 竹書房より文庫版上下巻発売

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自虐の詩のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全6 件

7点 朔太さん

終盤の怒涛の展開で、人生賛歌という結末で救われます。
「幸や不幸はもういい。どちらにも等しく価値がある。
人生には明らかに意味がある。」
けだし名言です。

・・・しかし、私は残念ながら、終盤に至るまでの
ほぼ全編での森田幸江の悲惨な人生を全く笑えないし、
彼女にまとわりつくダニのような男たちイサオや父親に
寛容には全くなれません。
したがって、ギャグマンガとしてほとんど読むに堪えない気持ちでした。
途中で放り出したくなるような気持ちですが、
泣ける漫画というコピーだけを信じて最後まで読み通しただけです。

それでも、それでも、人生には意味があると、業田良家は言うのです。
本当にそうでしょうか?
自分の子供や妻にさえ不幸を呼び込む男、女。
そんな人間とも呼べない生物たちに囲まれて生きる
人生って意味があるのでしょうか。
そんな風に自問自答しながら何十年と生きた挙句に、
熊本さんとの再会があって、その瞬間だけ「生きてて良かった」と
思う幸江の物語でした。

熊本さんは、さらに磨きをかけた孤高の人でした。
人生いろいろ、男も女もいろいろ、という言葉を思い浮かばせる作品でした。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-05-28 20:12:50] [修正:2018-05-28 20:12:50] [このレビューのURL]

8点 こたたさん

4コマ漫画です。私は竹書房から刊行された文庫版(全2巻)を読んだのですが、これは『自虐の詩』の中でも「幸江とイサオ」の2人に絞り込んだ作品のようです。
読んだきっかけは映画化されることを知ったことと、「日本一泣ける4コマ漫画」という帯に惹かれたからです。作者の業田良家さんのことはそれまで知りませんでした。

作風は一言で言うと「古きかなしき」といったところでしょうか。
乱暴でガサツで無口な亭主と、働き者でケナゲで不美人な嫁の、世間並み以下の暮らしぶりを、せつなく愛おしく描いています。

幸江の半生に主な焦点を当てたストーリー仕立てでもあります。
このストーリー性に泣かせる秘訣があると思います。

かなり良いけど伝説的ではないレベル、ということで「8点」という点数にしました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-09-07 18:41:34] [修正:2009-09-07 18:41:34] [このレビューのURL]

6点 アキラさん

期待しすぎて読んだためかあまり感動できなかった。しかしイサオの何気ない優しさには心にグッとくるものがあった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-05-16 23:06:40] [修正:2009-05-16 23:06:40] [このレビューのURL]

9点 チャドさん

久しぶりに泣いた。
正直しばらくは「何がおもしろいのだろう?」と思ってしまう程だったが、読むにつれて人物を知るにつれて・・・。いや、正直内容はそんなでも無い。
後半、幸江の学生時代から一気に悲惨になる。つっこみたくなる程、救いの無い話になる。
だが妊娠してからの、ある種哲学的であり美しくさえあるラスト。最初から読んでこそ泣ける。嬉しいとか悲しいじゃなく泣ける。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-02-11 23:17:27] [修正:2008-02-11 23:17:27] [このレビューのURL]

7点 まれらさん

世の中の事象は、原則として無意味である。無意味な出来事同士を結びつけ、そこに何かの意味を見つけたいと願うのが人間の悲しさであり、人間の人間たる所以なのだろう。
幸江とイサオを中心に、非情かつ無意味な日常が延々と語られるところまでは、どうでもいいギャグマンガだと思って読んでいた。しかし熊本さんという屈指のキャラを補助線として、無意味な日常はひとつひとつ次第に綴り合わされていき、やがて静かに輝き始める。作者がこの帰納的なストーリーづくりを念頭にして4コマという制約の強い枠組みを選んだのであれば、とんでもない才能である。
熊本さんとの再会シーンは4コマ漫画にあるまじきクライマックスだった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-07 00:30:32] [修正:2007-12-07 00:30:32] [このレビューのURL]

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