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7.25点(レビュー数:4人)

作者青木幸子

巻数8巻 (完結)

連載誌イブニング:2006年~ / 講談社

更新時刻 2009-11-25 06:39:57

あらすじ 温度が視認できるという特殊能力をもつ主人公「楠野香也」の動物園での活躍を描く。

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ZOOKEEPERのレビュー

点数別:
1件~ 4件を表示/全4 件

8点 フクポルさん

<所持歴:全巻>

ここ最近読んだ物で高い評価を付けてる作品はあるけど、殆どが娯楽(エンターテイメント系)としてであり、単純におもしろおかしく、ハラハラドキドキ楽しめるもの。

が、これは深く考えさせられる真面目な作品で、そういう系統の作品では久々に良いものを読んだ気がしました。

言いたい事は既にruruiさん、FSSさんが詳しくレビューされてるのでわざわざ自分が拙い言葉を並べなくても良いかな・・・
それ以上のレビューを書く自信が微塵も無いのでw

画力の向上を含めて今後に期待する作品。


***追記***
(ナイスレビューを頂いているので、過去のレビューは残してます)
8巻で完結してしまいました。。。
また1つ好きな作品が終わった・・・

最終巻は、ホントに考えさせられました。
動物園という場所とその飼育員を通して、何か大切な事を教えてくれる作品です。


ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-05-03 23:37:18] [修正:2010-02-07 21:23:07] [このレビューのURL]

5点 DEIMOSさん

ただ動物の可愛さにおんぶにだっこの漫画が多い中、動物と人間との関りあいとともに、それを取り巻く人間たちのヒューマンドラマを丹念に描き上げている点は好感が持てる。

ただ、作者本人も自覚しているように、キャラが「地味」な点と、(経験の少なさからくるのか?)ネームの粗雑さが散見される点は残念。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-03-24 01:36:06] [修正:2008-03-24 01:36:06] [このレビューのURL]

8点 FSSさん

動物園の新米飼育員と動物の触れ合いを描いた「ほのぼの漫画」かと思いきや、変に動物を擬人化する事もなく、人間と動物、どちらか一方の視点に偏る事もなく、動物と人間の関係性や、自然と文明の在り方などをテーマに描いた、意外なまでにシビアな作品。

かと言って、説教臭い話や理想論的な話は少なく、あくまで人間の主観である主人公の視点に感情移入しつつ考えさせられるシナリオ作りになっている。特に「何故、コアラは人気がある看板動物なのに、観客の滞在時間が短いのか」という動物園の経営問題から入り、コアラの生態を考え、新たなコアラブームを作ろうとする。そして、ようやくコアラの問題について解決できたかに思えたが、そこには人間本位の考え方と動物園そのもののあり方が問われる事に…、というシナリオ作りには感心した。

また主人公の「温度を視認できる」という特殊能力も目新しく、その能力をちゃんと作品の中で有機的に絡ませていく使い方も上手い。

動物園の園長も外見とは違い一筋縄では行かない人物で、その「黒い」性格が作品のスパイスになっているし、主人公を動かす的確なアドバイザーとしても機能している。

あえて難点を言えば、絵柄には好き嫌いが出るだろう。この作品が作者のデビュー作だからなのか、技術的にもあまり高いとは言えず、個性と言うにはかなり線描が雑に見える部分が多く、絵柄に関してはあまり良い印象が持てなかった。もう少し丁寧に描いて欲しいところ。

ただ先述したように、動物園経営を通して、人間と動物の在り方や、文明とは何か、自然とは何か、と言ったような哲学的なテーマに至るまで考えさせられるシナリオは非常に質が高い。小、中学校などで授業の教材としても良いくらい。

一度は読んでも損は無い。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-01-22 20:02:11] [修正:2008-01-22 20:02:11] [このレビューのURL]

8点 ruruiさん

[ネタバレあり]

熱を視覚認知できるヒロインが動物園でさまざまな問題に立ち向かう?ジョブ漫画
もやしもん以来、微妙な一芸主人公が増えてきたイブニングにおいて
彼女の特性は凄い
のだが、必ずしも飼育員として有効的なものとは言えない

そもそも、動物の様子などは温度を見るより経験則からの判断のほうが妥当性が高い
体温からくる真偽判定能力も、洞察力で補える上に公に使用できない

しかし、新米飼育員でしかない彼女は動物園にまつわるさまざまな問題をクリティカルにあぶりだす
それは果たして彼女の持つ特殊能力からなのだろうか

その答えは作中で園長がある程度出している
実は彼女の能力はその高性能ゆえに脳に負担を与え続ける
それゆえ彼女はいつも本格的にモノを見ることを避け続けていた
ようは彼女は観察眼などの能力を自らの手で無意識的に封印してきたのだ

そんな彼女が自分の能力に向き合い、初めて本格的に対象者と向き会うことにより、常日頃から見続けていた飼育員ですら見過ごすような問題に気がつくのである

つまり、彼女にとって熱を視覚認知するという特殊能力こそが足かせであったのだ

自らの足かせに気がつきそのうえでその能力を役立てようと奮戦する彼女の姿は決して格好のいいものではない
また、現実を半分ぐらいしか見ていなかった彼女の思想は非常に青臭い
だが、やり手の園長はじめ、個性的な飼育員に囲まれることによって彼女自体の偽善性などが鼻につかないような構成を、この漫画はとっている
この漫画において見られているのは動物のみならず、彼女、または彼女の周りの人物達なのだろう

動物を介在とした人間観察眼の確かさに今後も期待したい

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-06-26 19:37:40] [修正:2007-06-26 19:37:40] [このレビューのURL]


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