ホーム > 青年漫画 > 漫画アクション > 鬼市

6.5点(レビュー数:2人)

作者諸星大二郎

巻数1巻 (完結)

連載誌漫画アクション:1997年~ / 双葉社

更新時刻 2009-11-25 06:41:28

あらすじ 主に中国古代に題材を採った伝奇SF短編集である諸怪志異シリーズの第三集。「鬼市」「羽化庵の来訪者」「石の中の女」「倀鬼」「空園の戦い」「艮嶽の龍」「推背図」「小玉」「天后」「鬼弾」を収録。
※「倀鬼」の倀は人偏に長。

シェア
Check

鬼市のレビュー

点数別:
1件~ 2件を表示/全2 件

7点 ガクちゃんさん

著者は歴史の絡んだホラー、というイメージが一般的だが、かなりとぼけた味わいあり、登場人物のりりしさがあったり、シュールな描写がありと、かなり独特な存在だと思う。
特に本作は、作者のそれぞれの味わいが絶妙に混在していて良作である。
(個人的な趣味もあるだろうが、作者のとぼけた一辺倒の作品やシュール面を強調しすぎた作品はあまり好きではない)
表題の「鬼市」の世界観は漫画よりも実写で見たい。作者のやぼったい画風(すまぬ)での味わいよりももう少しだけシリアスで緊迫した空気が生まれると思う。
しかし、この作者の絵は何年経っても垢抜けしない。まあ、これだけの大家ならそれもまた味か。
ちなみに私は著者の愛読者です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-02 15:24:36] [修正:2009-04-02 15:24:36] [このレビューのURL]

6点 まれらさん

一応オムニバスの形式をとってはいるが、燕光(燕見鬼)の活躍を描く連作になっている。怪異譚の味わいを残しながらも特に後半は冒険に比重がかけられ、また謎解きの要素もあって面白い。以下各話寸評。
「鬼市」民話調の怪談だが、どこかとぼけた味わい。落語の首提灯を彷彿とさせるあたりが要因か。(6点)
「羽化庵の来訪者」阿鬼の成長後の登場を語る話。これもまた民話的味わい。(5点)
「石の中の女」作者には珍しく、官能要素を取り込んだ怪談。「厄介なやつだった」で済ませる淡泊さが味わい深い。(5点)
「チョウ鬼」何故か挿入される阿鬼の幼少時の話。さらにスターシステムに似た二重虚構が仕掛けられており、気の利いた娯楽作品になっている。(7点)
「空園の戦い」1回だけの脇役と思われた長命さんの再登場。その後の冒険談の幕開けになっている。(5点)
「艮嶽の龍」時代や政治背景が語られ、前作に続いて冒険談のプロローグ。(6点)
「推背図」人物の見立てが非常に面白い。これをさらりと漫画にした作者の知識と力量に圧倒される。(7点)
「小玉」謎の呂氏の登場。サスペンス仕立てで、珍しく燕見鬼が戸惑ったりしている。(6点)
「天后」とりあえず推背図の謎解き。だが武則天を知らなければ面白さ半減。何か作者が暴走気味な感じがしないでもない。(7点)
「鬼弾」エピローグではなく、明らかに次巻への繋ぎ。(5点)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-02-04 00:07:09] [修正:2008-02-04 00:07:09] [このレビューのURL]


鬼市と同じ作者の漫画

諸星大二郎の情報をもっと見る

同年代の漫画

漫画アクションの情報をもっと見る