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8.66点(レビュー数:9人)

作者山岸凉子

巻数10巻 (完結)

連載誌ダ・ヴィンチ:2000年~ / メディアファクトリー

更新時刻 2010-08-30 12:41:14

あらすじ 篠原六花(ユキ)は小学5年生。バレエ教室を開く母のもと、姉の千花(チカ)とともにバレエを習ってきた。そんなある日、六花のクラスに不思議な転校生がやってきた。その転校生もバレエを習っている様だった…バレエに魅せられた者達の物語が始まる。バレエに向き合う少女たちの、それぞれの境遇、それぞれの闘いを描く!

備考 2007年 第11回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作品。
第二部へ続く。

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舞姫 テレプシコーラのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全9 件

9点 ITSUKIさん

ズガーーンとやられました。
バレエを題材とした作品ですが、同じバレエ漫画として有名な「昴」と比べると凄い現実的で生活感の溢れる内容です。
主人公たちのバレエの内容だけを描くのではなく、学校生活や、指導者達の悩み、バレエをする子供を支える親の悩みなどバレエをしている者は気づかない様な現実の側面も描かれるのが面白い。
また、女の世界ならではなライバル同士の確執だったり、嫉妬や妬みからくる嫌?な雰囲気も少女漫画らしく、良く描けてると思いました。

優秀でしっかり者な姉・千花に比べて平凡で、しかもバレリーナとして致命的な弱点を持つ主人公・六花。
弱い所を多く見せる為、感情移入しやすいです。
また後半になるにつれて序々に成長を見せる点も○。

バレエを踊るにしてもその技術ひとつひとつを丁寧に描かれていて、絵が極めて上手ではないのに、バレエが「綺麗だなぁ」と思えます。
取材をしっかりしているな、という印象です。

飽きることなく最後まで読めました。
序盤のとあるキーパーソンが4巻以降回想以外で全く登場しなかったのが意外でしたが。二部に出るのでしょうかね。
そして、この作品が8点じゃなくて9点となったのは最終巻の展開が全てです。
あまりにも予想外、衝撃的でした。そして感動的なラスト。
流石「24年組」と呼ばれる作家さんだなぁと思いました。
是非ネタバレを読まずに最後まで読んでほしい作品です。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2010-01-19 23:56:31] [修正:2010-01-19 23:58:08] [このレビューのURL]

9点 punpeeさん

こんなに面白い漫画、今の今まで見逃してたんだ…ってくらい、出会えて良かった作品。


バレエがテーマではあるけど、心理描写やキャラの成長の過程が非常に丁寧。
初っ端からドロドロしてたのが、良い掴みになっている様に思います。

所見こそ、淡白な絵や、セリフやリアクションから古臭さを感じたのが正直なところですが、
主人公の魅力やストーリーに夢中にさせられたので、2巻くらいからはまったく気にならずに読めました。
キャリアが長いだけあって、本当に実力のある作家さんだと感じました。(偉そうにすいません。)

色々衝撃的な展開だという前情報だけあったのも影響してか、最後まで緊張感持ちながら見れました。

この作者を一気に信頼しちゃって、日出処の天子やアラベスク、テレプシコーラ2部等、主要作品を買い揃えちゃったのですが、
絶版されているものも多く、ネット以外での入手難易度が高かったです。。笑

じっくり読んでレビューを増やしていきたいと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-06-21 22:43:51] [修正:2016-06-21 22:43:51] [このレビューのURL]

10点 blackbirdさん

バレエの技術的なこと、指導法、勉強との両立、女の世界の嫉妬やねたみ、
そして、エリートとして周りの期待を背負って歩む者の孤独など、
今までのバレエ漫画とは一線を画す作品。

同じ山岸先生の昔のバレエ漫画、「アラベスク」とは、まったく違います。

また子供に対する衝撃的な描写があったり、
いじめなどの、中学生位が当たり前に接する問題を描いたり、
さすが山岸先生、そう突っ込んできますか!と、驚きを隠せませんでした。

日本でバレエのプロを目指すことの現実がぎっしり詰まっていて、
涙なくしては読めません。

特に伝説となっている10巻は、わかっていても何度も泣きます。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-03-31 00:56:37] [修正:2011-04-04 23:48:26] [このレビューのURL]

8点 こみっくはさん

ネットの評価が高いので、手にとってみた作品です。

派手な感じはしないのに、つい先を読みたくなる作品でした。

よくあるスポコン漫画のシンデレラストーリーではありません。
バレエをやっている人の地道な努力や苦労、イベント的ではなく日常的な心理描写などが書かれています。

バレエの細かい技術的な面でも、壁にぶつかったり伸びていくのが丁寧に描写されています。バレエをやってる人なら、技(?)の難しさや、できた時の気持ちなど、共感できるのかもしれない。

高みを目指す人達の嫉妬心みたいなものも、まさに悪役といった感じではなく、リアリティがある。主人公達を見守る大人の目線も多くかかれている。

金銭事情や体質などの環境面も含め、厳しい現実面を思い知らされる。

「リアル」を読者に知らせ、感じてほしいというメッセージが一貫して伝わってくるのが、ひとつの作品としてすごいです。

バレエでなくても他のスポーツでも、何かを一生懸命目指してやっている人はすごく感情移入できるのではないでしょうか。きっと今がんばっているものに対して、モチベーションがあがると思います。
自分は特にそういったものはないけど、登場人物達を応援する気持ちでいっぱいでした。

最後の方は作者を恨めしく思うような展開があったけれど、その展開からのラストの結びは最高だったと思います。

従来のスポーツ漫画に比べ現実的な分、スカッとするところは少ないと思います。
ですが、読み終わったあと、しばらく余韻が残りました。大御所だけに力量を感じさせる作品です。

同作者の他の作品も以前から気になっていたので、これをきっかけに読んでみようと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-07 20:58:48] [修正:2011-01-07 20:58:48] [このレビューのURL]

8点 doneさん

掲載誌が文芸雑誌ダヴィンチということで
ちょっと露出が低い、面白いのに埋もれ気味な漫画かもしれません。

バレエ教室の講師である母、理解ある父、努力家で優れた素質と技術を持つ姉、そこそこの妹(主人公)という環境で小学生時代から始まるリアルな成長物語です。

念密な取材の元のリアルさが徹底的な売りになっている作品で、
バレエレッスンや、関節の元の柔らかさ等の素質の違い、
怪我やそれにかかる治療費、トップに選ばれることで起こる周りとの軋轢等非常にリアルなお話です。

現在第二部連載中ですが、第一部ラストの衝撃的結末を乗り越えて、優しくて弱い女の子だった主人公が少しづつ少しづつ強さ
を身に着けていく姿は非常に応援したくなる素敵な漫画です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-11-15 23:57:31] [修正:2009-11-15 23:57:31] [このレビューのURL]

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