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8点(レビュー数:34人)

作者田村由美

巻数35巻 (完結)

連載誌月刊flowers:2001年~ / 小学館

更新時刻 2010-12-19 06:50:18

あらすじ 人類が滅びた近未来、政府プロジェクトにより冷凍保存されていた若者達が目覚め、次々と押し寄せる絶望と困難に真っ向から挑む

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7SEEDSのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全34 件

10点 ITSUKIさん

設定、ストーリー、キャラクター全て素晴らしいです。
問題を強いてあげるなら絵柄でしょうか。しかし、表紙で買うのをためらわずに読めば、2巻までには慣れてるでしょう。

内容としては、文明が崩壊した未来でのサバイバルものです。
これ以上は実際に読んで謎を明かされていった方が面白いと思うので伏せときます。
荒廃した未来の世界でも現代でも、「自分で考えて、自分で行動する」事の大切さは変わらないというのがうまいと思います。ハッとさせられました。

複数のチーム、時系列を章で分けて書かれるので飽きもきません。
またそれらの複数のチームを上手く絡ませる構成力の高さも凄い。
主人公も複数存在し、主に「ナツ」と「花」の二人が主人公として描かれています。
この二つのチームがいつ邂逅するのか、それが現在の大きな楽しみです。

ストーリーは全体の8割以上はシリアスです。シリアスですが、鬱という程の内容でもないかなぁと思います。
未来を生き抜いていく上でのキャラクター達の精神面の成長や、葛藤が多いです。
各キャラクターの心理描写が非常に上手く、さまざまなキャラに感情移入できるでしょう。

主人公の一人ナツがいる夏のBチームが出る時だけはコミカルな雰囲気となり、ずーっとシリアスな内容が続く中での癒しとなってます。ギャップがホントに凄い、特に16巻では顕著でした。
少女漫画という事もあり、恋愛要素もご多分にもれず存在します。
こんな時代にそんな事考えとる場合かー!と初めは読んでいて思ったのですが、もし自分が明日目覚めた時にこんな時代になっていたら、きっと大切な人の事を探すだろうしなぁ・・・という事で納得できました。

既刊17巻、という事で「長っ 今からなんて集められないよ?」と思われるかもしれませんが、個人的には全巻今から集めても絶対後悔しない名作になりうる作品だと思ってます。
今のところマイナスする要素が絵柄以外みつかりません。(その絵柄も今は決して悪くはないと思っています)

まだまだ完結は先になりそうですが…こんなに面白い長編は久しぶりに読みました。



2017.10 8→10
35巻で遂に完結。こんなに長くなるとは思わなかったけど、最後まで楽しませてくれてありがとう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-02-28 23:32:53] [修正:2017-10-16 21:45:15] [このレビューのURL]

3点 でろりんさん

10巻まで読んだ、続きは残念ながら読む気がしなかった

まず単純に絵とキャラが苦手で物語に入りこめなかった
髪の毛が長い男だったり、女も男も目がでかすぎる
背景もその場面場面でしか書かないので、どういう風な世界になってるのかが伝わらない、絵の情報量も少なすぎる
更に言うなら似たキャラが多くて見分けが難しい
少女漫画に慣れていない人には特にそういう傾向になりそう

この漫画の特徴だと思うが場面と人がコロコロ変わる
ドシンとした一本のストーリーがあってのサイドストーリーでなく
どれも均等に書かれている為かどうしてもフラフラとした印象を受ける
また必需品がほとんど揃えられてる為サバイバル方面の楽しみ方もない
奇妙な生物達が出てくるのも私には白ける要因
いくら未来の世界とは言えこうはならないだろと思ってしまう

1番ついていけなかったのがプロジェクトを作った人達
それに関わった先生達、あまりにもキチガイが過ぎるので
一周して恐怖も感じない、ただただ理解不能だった
どうして彼等はここまでするのかと思って読んでると答えはなかった
恐らく未来に優秀な人間を残す為なんだろうけど、あれほどの狂気に走る理由としては薄い

あくまで10巻までの感想、続きを読めば自分の疑問も解消し
コロコロと変わるストーリーも話が繋がって素晴らしい物になっていくのかも知れないが10巻までを点数としてつけるなら私は3点だった

ナイスレビュー: 2

[投稿:2012-06-06 05:09:32] [修正:2012-06-06 05:09:32] [このレビューのURL]

10点 ジブリ好き!さん

(2010年8月更新、【既刊18巻まで所持】)
先読み不可能、サバイバル漫画最高峰!
圧倒的なリアリティと面白さに驚嘆。完結を待つことなく自分の中で自信をもって満点を付けれる作品。

この作品から感じたこと。それは「アリとキリギリス」に対する反論、もしくはアンチテーゼのようなもの。
「アリとキリギリス」
食糧の集めやすい夏の間に、アリの集団は冬への備蓄のためせっせとひたすら働き、キリギリスはのんびりと音楽に興じる。そして冬が来て、備蓄のあるアリたちは生き延びることができるが、キリギリスは食糧を見つけられず、アリに頼んでも分けてもらえず、死んでしまう。そんなお話(地域により詳細は違うかもしれないが、大体こんな感じ)。

この話を読み聞かせた後、大人は決まって「アリさんが正しい。アリさんを見習って生きなさい」と言う。
確かにアリさんは正しい。
皆で分担して、生きるために必要なことだけを、計画的に機械的に行う。特にサバイバルという状況においては「アリさん」であることが求められるのだろう。だからこそ教師たちは、優秀な夏のAチームを作り上げた。アリさんの象徴のような夏のAを。理論的には何も間違ってないのかもしれない。(そのやり方は問題だらけだが)

では現実に、夏のAチームこそが正しく、理想的な人間像なのだろうか?
14巻で安吾とハルが言い争うシーン。
スポーツも音楽も、暇な人間のやることだ、必要ない、という安吾に対し、ハルは言う。
「じゃあどうして、戦時下でピアノを弾くのさ。絵を描きながら飢え死にするのさ。内戦のさなか、歌を歌うのさ。ボールを蹴るのさ。人として生きていくためじゃないか」

生きるためだけに生きるAチームは、人さえも簡単に殺してしまう。感染の疑いがあれば迷わず撃つ。邪魔になるなら迷わず構える。
彼らは生きるための「生き物」としては正しい。けど、きっと「人間」としては正しくない。
「人間」として正しい姿は、アリでもキリギリスでもない。

夏のAとBの姿は、比較すれば一目瞭然、アリとキリギリスそのものだ。Aがアリの象徴だとすれば、まぎれもなくBはキリギリスの象徴。貯蓄も船の管理もしっかり行わず、遊ぶBチーム。絶望的な世界でも、常に明るい夏のB。機械のように、生きるための活動だけをするAとは全く対照的だ。
夏のBの明るく元気で活き活きとした姿からは、ただアリのように機械的に働く日々からは得られない「人間らしさ」が感じられる。

「人間」として正しい姿、それはアリでもあり、キリギリスでもあることなのかもしれない。
だから、田村先生なら、「アリとキリギリス」をきっとこう子供たちに教えるだろう。
「アリさんは偉くない。アリさんはキリギリスさんと共に生きるべきだった。そうすればアリさんは、ただ働くことしか知らない日々の中で、楽しさを感じる方法をキリギリスさんから教えてもらえた。キリギリスさんは、アリさんに仕事を分けてもらって、生きることができた。お互いが成長できたんだよ。」
人間はアリでもキリギリスでもない。だからこそ、「共存」し、「成長」しあうことができるのだ。夏のチームは、AとBが共に手を取り合って初めて、人間として最高のチームになりえるのだろう。


この物語の主人公はナツだと信じている。嵐でも花でもなく、他の突出した長所をもった魅力的なキャラ達でもなく、暗くてダメダメなナツ。何故か?
死の世界で生きていくのに、アリのような優秀さも、キリギリスのような明るさもいらないから。
知らなければ教わればいい。一人でできなければ協力すればいい。
そう、これはナツの成長譚。「成長」を武器に、ナツでさえ、地獄のような世界で生きていく力を身につけてゆける。
そんなメッセージが込められた作品だと思うから、自分の中ではナツが主役なのだ。(もしくは、自分がナツ並にダメダメな人間だから震災後のような地獄の世界でも希望をもって生きられるようそう思いたいのかもしれないが…)


暗く残酷な話だけれど、どのチームも「人間らしく」生きようと成長していく姿が読んでいて非常に心地よい。秋だって成長できたのだから、夏Aもできるはず。田村先生曰く、ラストは考えてあるからいつでも終わらせられるとのことだが、いつまでもみていたいような、みんなで手を取り合って暮らすENDが早くみたいような…

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-03-12 22:12:47] [修正:2010-08-24 16:45:39] [このレビューのURL]

9点 森エンテスさん

素晴らしい作品です。

大人数が入り乱れる展開なので、グループごとの物語ではシンプルでしたが、最終局面ではゴチャゴチャとしてしまったのは仕方ないのかもしれません。

本編のみのでの点数を付けるなら最終話が消化不良で7点ですが、後日談の外伝を含めると9点ですね。

これだけ長い物語のエピローグはもっと長くても良いと思ったくらいですし、納得の行く終わり方をしたと思いました。

如何にも少女漫画な絵柄ですけど、男が読んでも素晴らしいと思える作品です。

サバイバルもの・・・というよりは「生き抜く」ことに不安を持っている読者の心に刺さる名作だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2018-02-26 21:28:47] [修正:2018-02-26 21:28:47] [このレビューのURL]

7点 Scroogeさん

[ネタバレあり]

大河SFサバイバル物語。
人類が絶滅した未来で、人類の再生を託された若者たちが、過酷な環境を生き抜く漫画。
時々で主人公の視点が切り替わる群像劇の形式で、傷つけあい、助け合う仲間を描く。

まず、これほど長大な物語をダレずに着実に書き続けることがすごい。
物語、漫画表現、いずれにも手抜きがない。

個人的には、セカイ系の作品群の最後に位置する作品だと思う。
1)主人公たちの関係性が世界や社会の運命と直結。
(学校→村→街→国のような中間集団がない。)
2)成長や多様性を促す時間的、空間的な広がりがない。
(親がいない、自分より若い者がいない、他所の人がいない)
というセカイ系の条件を、この作品は徹底的に満たしている。

セカイ系作品群がこのような条件を持つのは、他者が怖い、成熟が信じられない、故に自分以外を見たくない欲望の表れだが、
7SEEDSでは問題をその先に進めている。

親たちはみな死んだ。自分たちより若い者はまだ生まれていない。
ここ以外に人はいない。自分たちとセカイしかない、という環境に若者が置かれたとき、
彼らは人間らしく生きられるか?という問題設定。

そして答えはイエス。
いかなる時も知恵と勇気を持ち寄って彼らは生き延びようとする。
最終的に人類の再生が叶っても叶わなくても、彼らの尊さは損なわれない。
というような作品だと思う。

2015年現在、もはやセカイ系作品は商業的には旬を過ぎている。
余計な心配だが読者の高齢化も進むので、そろそろまとめに入ったほうが良いのではなかろうか。

田村由美の他にこんな漫画を描く人はちょっといないという意味で9点。
絵柄は古臭いし、大ゴマで無理やり押し切っているところもある。
また、序盤、中盤の説明的な展開もしんどいと言えばしんどい。
だが、我慢して読むだけの価値はあるので、苦手な人も頑張ってみてほしい。

35巻で完結。
途中ですったもんだした割に最後は順調だった。
敵だった奴も味方になり一致団結してそれぞれがベストを尽くしたので
誰一人欠けることなく生還できましたねこれからも頑張っていこうねエンド。
お約束の大団円そのものは悪くないが時間をかけすぎた。
せっかく天変地異が起こっているのに、各キャラに見せ場をつくろうとしすぎて展開が遅く読者としては退屈。
最後で大きな減点がついたものの壮大な物語をしっかり描き切ったのは立派。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-11-01 03:24:41] [修正:2017-08-25 14:51:23] [このレビューのURL]

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