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7.37点(レビュー数:24人)

作者藤崎竜

原作小野不由美

巻数11巻 (完結)

連載誌ジャンプスクエア:2007年~ / 集英社

更新時刻 2010-10-11 15:13:24

あらすじ 周りから隔絶された集落、外場村(そとばむら)。昔から変わることの無いこの村では、今でも土葬の習慣が根強く残っていた。

平和だった村に最初に起こった小さな変化。それはどこからか移築された古い洋館だった。なかなか越して来ない洋館の住人。ある日壊されていた村中の神像。次々と増える死因不明の死者。

そして、村の住人達は気付く、「この村は死によって包囲されている」と……。(wikipediaより)

備考 同名のホラー小説を漫画化した物。

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屍鬼のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全24 件

7点 朔太さん

藤崎竜は好きな漫画家の一人です。
独特の描画表現を持っています。
人物は、主要人物には可愛く大きい目を与えて、
脇役には一般描写で書き分けて、一様に少年誌風の
イラスト風です。
しかし、背景に目を凝らすと、実はとてもリアルな
写実画を全部ではないのですが、配しています。
これは相当な労力をかけているだろうと思われ、
藤崎一人では無理そうです。
写実描写の得意な優秀なアシスタントさんと藤崎の
協同作業が成しえた独特の描写と推察しています。

さて、本題の内容ですが、藤崎は原作物を借りて
漫画を描く方針を徹底しているようですね。
最初の封神演義で成功したからか、本人の意向か、
編集者の判断でしょうか。
本作の他に、封神演義、銀河英雄伝説もそうです。
原作の手を借りない作品もありますが、
どれも短期連載で終了していますので、
的を得た作戦でした。

しかし、本作品は、ホラー作品ですので恐怖が
下敷きにならねばならないはずです。
藤崎の可愛い描写はミスマッチの印象です。
もっと相応しい作家さんがいたのではないでしょうか。
頑張ったのですが、企画上の限界を感じざるを得ません。

藤崎竜ならではの世界観でもっと良い作品が出せるはずですので、
一層期待したいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-11-02 17:48:21] [修正:2020-11-02 17:48:21] [このレビューのURL]

7点 N0Bさん

完結しています。全巻読みました。
小野不由美のホラー小説を原作にあの「封神演義」の藤崎竜が作画、といっても藤崎竜なりのアレンジを加えた内容になっている。

ストーリーは流石に面白く、ミステリー要素の強いホラーといった感じで、どんどん続きが気になって引き込まれるモノがあるし、単純な恐怖を描いたホラーでは無く、人間の裏側というか汚さのような細かい心情も描かれていて深みもある。

藤崎竜は封神演義はもちろん、短篇集まで読んでるぐらい好きな漫画家なのだが、この作品がホラーだということを考えると、原作と作画の相性がベストだったのかな?と思ってしまう部分がある。
フジリュー絵は綺麗なんだけど、ドロドロしたエグい描写には向かない感じがするし、明るいキャラクターが際立つタッチのような気がする。
まぁ人によっては、それが逆にグロ描写を読みやすくしてて良いのかもしれないが、少し他の作家さんの作画でも読んでみたいと思ってしまったので7点。
(リアルな絵という意味で井上雄彦、グロい描写が映える絵という意味でヒラコー、三浦建太郎、山口貴由とか見てみたい。)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-04-16 18:50:23] [修正:2012-04-27 13:35:08] [このレビューのURL]

閉塞的な環境でジワジワ迫りくる怖さ
おどろおどろしい雰囲気にマッチした絵
それぞれのキャラにしてもしっかりつくられている

前半は村が正体不明のなにかに侵食される恐怖が描かれる。
しかし物語は狩る側と狩られる側が逆転することで大きく動く。
屍鬼を狩る人間
次第に描かれるようになる‘人間側’の怖さ

でもなによりもゾッとしたのは奇行を演じる郁美さんだったり…

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-21 16:50:22] [修正:2011-09-21 16:50:22] [このレビューのURL]

5点 booさん

原作は既読。ホラーの金字塔です。
封神演義は原作既読でかなり楽しめたのでこちらも期待していました。

小説など原作が他のメディアにあるものの漫画化としては大きくは以下の2つに分けられると思います。
1つ目は原作の展開や雰囲気を大事にした上の漫画化。原作の雰囲気と魅力を原作に忠実に漫画としてうまく表すことが求められる。うまくいった代表は皇国の守護者。
2つ目は原作を下敷きとして、書き手が独自の解釈や展開を加えた漫画化。うまくいった代表は封神演義。

屍鬼が当てはまるのは2つ目ですね。
封神演義ほどぶっとんだ改変はしていません。
しかし原作では一つの章の主人公とはいえあっさりと死亡する人物を全編通しての重要人物にしたのを皮切りに、最終的な物語の帰結・解釈は別物となっています。
絵は文句無しです。黒のトーンを基調としており、線は少しにじんだようなラインに。コミカルなのに、ゴシックホラーともいえるようなある意味芸術的な絵に仕上がっています。封神演義で派手なエフェクトでごまかしてはいるものの動く絵が下手に感じた作者ですが、屍鬼はあまりアクションがある作品ではないというのもあって止め絵が非常に効果的に使われています。

ではなぜあまり評価できなかったのか。
原作では、前半はまるでホラー映画のように屍鬼への未知なる恐怖と未知なる恐怖が現実の脅威になってしまう怖さを描き、狩るものと狩られるものが入れ替わった後半では人間の狂気に恐怖させるホラーとなっています。屍鬼に恐怖していたはずなのに、いつのまにか屍鬼に同情し、さらには人間の恐ろしさに戦慄してしまう所が原作のただのホラーに留まらせないミソなわけです。
しかし藤崎竜はこの前半をテンポを重視したのかさらっと進めて後半をメインに描いてしまう。そのために屍鬼にも人間にも大して恐怖を感じることができなくなってしまった。怖くないホラーなんてそれだけで残念と言えますね。原作の核である部分をなくしてしまったとしても違った視点からおもしろくできれば問題ないのですが、そうできたとは思えません。おそらくふじりゅーはにとっては前半は退屈で後半がおもしろかったのでしょう。しかし前半があっての後半の良さがあるというのを理解してほしかった。
とはいえ原作とは違って主要キャラに感情移入させるように描いてるので最終回によっては原作とは別物の切なくて美しい物語になりうると思ったのですが、そこは意外に原作通りあっさりだったという。

色々中途半端だったなという印象。いっそホラーとして書かないくらいの改変をするか、絵を活かして原作に忠実な作品にした方が上手くいったんじゃないかな。
封神演義が原作既読でも楽しめた作品だったのに対してこちらは難しかった。個人的には小説原作の漫画化に失敗した多くの作品の一つかなと思うけど、ここでの好評価を見る限りでは私がマイノリティだね。もう少し原作既読の方の意見が聞きたいな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-22 01:19:03] [修正:2011-07-22 09:57:31] [このレビューのURL]

8点 ラド様さん

全く違うジャンルなのでびっくりですが、あの封神演義を書いた藤崎さんの作品。
繊細で細いタッチの絵が気味の悪い物語に一役買っていて、結構しっくりきてます。
今後に期待。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-21 17:39:23] [修正:2011-07-21 17:39:23] [このレビューのURL]

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