とろける鉄工所のレビュー
7点 朔太さん
溶接施工を生業にした鉄工所の日々をマニアックにテーマにした漫画です。
溶接は過酷な作業環境と忍耐力が必要です。
主人公の北さんは、溶接の奥深さを誇りをもって道を求める毎日です。
テーマは明確ですが、鉄工所で起こるほのぼのとした毎日が
何とも言えない味を出します。
話は変わりますが、こんなに鉄工所では、真面目に品質と効率を追求して、
夜中まで汗と痛みに耐えて働いているのに、生活は楽にならず
経営的に厳しい所が多いのが現状です。
その原因の一つに、社団法人溶接協会が実施する溶接施工資格試験があります。資格に3年前後の有効期限があるのです。
しかも、溶接法の種類、溶接材料の種類、姿勢(下向き、上向き、立向き・・)等
無数に条件が細分化されており、それぞれ数万円の受験料が必要ですし、
資格維持のための練習コストはバカになりません。
例えば、お医者さんの医師国家資格は一生に一度合格すれば生涯資格は
有効ですし、眼科の専門家は循環器はさっぱり知らなくても医師として
開業だってできます。
この両者の違いは何でしょうか?
溶接協会は既得権を持って、この制度の簡略化は何十年も絶対に進めません。
この結果、日本国民はあらゆる鉄構構造物は欧米の同種のものの
コストの倍を支払うことになっています。
その高コスト体質は政府は知っていて、海外の企業の参入障壁を
高くして公共事業は発注できないようにしています。
全ては、溶接協会が元凶になっていることを知っているのか知らずか?
同様に検査業界にも非破壊検査協会というのがあって、ここは溶接以上に
悪者の巣窟になっていて、資格試験が自分たちの力の源泉であることを
公言して憚りません。
この作品では、その辺りの日本の鉄工業界の腐った構造には触れて
いませんが、一工員さんの立場では3Kでこんなに働いても儲からない
カラクリには考えは及ばないのでしょう。
何とも悲しいです。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2017-10-17 19:52:02] [修正:2017-10-17 19:52:02] [このレビューのURL]
6点 森エンテスさん
鉄工所というなかなか縁の無い世界を読者に詳しく丁寧に教えてくれる作品で絵柄もあり、安心して読めるまさしく「良作」と言えると思います。
しかし、この手のウンチク系の作品は序盤の新鮮さが長く続かないので、もう少し早めに完結させても良かったのかなとも思いました。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2013-09-11 00:56:31] [修正:2013-09-11 00:56:31] [このレビューのURL]
7点 hariyuさん
技術的な話が多いけど、コミカルな内容と独特な絵と雰囲気で読みやすい漫画だと思います。
同じ職人系の自分としては北さんの思考に共感するものがあり、自分にとってはあるある系の漫画でもある。
作風が独特でパッと見で敬遠されそうな気がしますが、読んでみると違和感無く普通に読めると思います。意外と女性キャラがかわいいので地味に萌えます。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-11-25 04:25:13] [修正:2012-11-25 04:25:13] [このレビューのURL]
6点 ルリヲさん
鉄工所が舞台の専門職を題材にした漫画。
作者が元鉄工所の職員らしく、体験談も多い。
終始まったりとした雰囲気だけど微妙に変わっていく日常、人間関係がなんともいえない。
たまーに読みたくなる漫画。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-09-13 23:21:21] [修正:2012-09-13 23:21:21] [このレビューのURL]
5点 kikiさん
鉄工所が舞台ってずいぶんニッチな漫画だなぁ。
鉄工所が舞台の漫画というとたなかじゅんさんの「ナッちゃん」を
思い出しますが、あちらは物づくりの工夫や楽しさ、女の子の鉄工所奮闘記
でいかにもフィクションなんだけど、『とろ鉄』は現場の雰囲気や苦労話が
本当の話っぽくて興味深いです。(人間結構熱さに耐えられるんですね)
溶接に思い入れがたっぷり感じられそのマニアックなこだわりが面白く
作風がほのぼのした感じなのもいいです。
誰でも手軽に読める漫画だけど、私には続きが気になる漫画ではなかったです。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-04-25 18:30:04] [修正:2011-04-25 18:30:04] [このレビューのURL]
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