ホーム > 不明 > Seventeen > 恐るべき子どもたち

8.5点(レビュー数:2人)

作者萩尾望都

原作ジャン・コクトー

巻数1巻 (完結)

連載誌Seventeen:1979年~ / 小学館

更新時刻 2011-01-14 01:59:25

あらすじ 第一次大戦直後のパリの街角。エリザベートとポールの姉弟にとって、その部屋は夢幻の王国だった。宝物遊び、夢遊び。無軌道な子どもたちいの永遠に似た混沌。だが、思春期の情熱がまどろみを破り外の世界があらわれた時、すでに悲劇は約束されていたのだった…。ジャン・コクトーの小説詩をもとに子どもたちの純粋で危険な世界を描き出す、萩尾望都のアンファン・テリブル!

シェア
Check

恐るべき子どもたちのレビュー

点数別:
1件~ 2件を表示/全2 件

7点 ジブリ好き!さん

歳を重ねていくほどに、物心ってのがついて次第に大人になっていくもの。
けれどもし永遠に子供のままでいたら…

閉鎖的な空間で、いつまでも子供の精神のまま年を重ねる姉弟
彼らは夢の世界で遊び続ける。遊び飽きたらまた次の遊びが始まる。
絶えず繰り返す喧嘩も遊びの一環。そしてその裏には、決して裏切らない姉弟愛がある。

社会へ出るための最低限の変化は許容しつつも、二人の秩序だけは絶対に壊してはならない。それを脅かす変化には、最大限の悪意を持って対処しよう。
芽生えた悪意は周囲の想いを壊し、人生を狂わす。何としても守りたかった姉弟の秩序。
しかし偽りの秩序は、かつて現実世界で憧れた者からの贈り物で、虚しく崩れ去る。
現実世界ではもう遊べない。
恐るべき子供たちは、旅だってゆく。永遠の夢幻の世界へと。

最初少しBLっぽいけど、話の中心は終始姉弟。
二人は永遠に子供のままで終わってしまい、成長も教訓もなく、ただ特異な人間の悲劇が描かれる。
原作含めて全く共感できません。けれど、あのラストには救いを感じました。


(読んだ人向け。参考HP「萩尾望都作品目録」)
ダルジュロスというキャラは、毒薬集めに見られるように、少年のころから現実社会に対する反抗心が強かった。
そして彼は少年時代の気持ちを持ち続けたまま、きちんと大人になることが出来た。
これってポールと彼の決定的な違いですよね。そういう人が最後に登場した時点で、ポールの結末は決まってたんだろうな。

あと、やっぱりメタルギアシリーズの「恐るべき子供達計画」とは関係なかったぜ…

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-14 02:00:03] [修正:2011-01-14 02:00:03] [このレビューのURL]

10点 そのばしのぎさん

詩人ジャン・コクトーの名作小説を萩尾望都が漫画化。
コクトーは詩も良いが、絵を描けばピカソも褒める位うまかったし、「詩人の血」「オルフェ」なんて映画も残している。
ちなみに原作の「恐るべき子供たち」は1950年にジャン=ピエール・メルヴィルにより映画化されている。

憧れのダルジュロスに石の入った雪玉をぶつけられ倒れるポール。
姉弟二人の世界を壊されたくないエリザベート。毒薬ごっこの決着をつけなければならなかった。
それにしてもポールが夢の中でエビに襲われるシーンなどは、この漫画のためにコクトーが書いたのではないかと思える位に妙にマッチしている。
原作が別にもかかわらず、実に萩尾望都らしい漫画になっている。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-18 08:32:59] [修正:2010-09-18 08:32:59] [このレビューのURL]


恐るべき子どもたちと同じ作者の漫画

萩尾望都の情報をもっと見る

同年代の漫画

該当なし

Seventeenの情報をもっと見る