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8点(レビュー数:2人)

作者丸尾末広

巻数1巻 (完結)

連載誌ガロ:1984年~ / 青林工藝舎

更新時刻 2010-09-20 20:28:14

あらすじ 病気の母を助けるため、夜ごと花売りにでかける少女、みどりちゃん。ある日みどりちゃんは山高帽を被った親切なおじさんに出会う。「困ったときは、いつでも私を訪ねておいで…。」家に帰ったみどりちゃんが目にしたのは、性器から入り込んだ何匹もの鼠に内臓を食い破られた母親の姿だった。孤児になったみどりちゃんは、山高帽のおじさんを訪ねる。しかしそこは、異形の者たちが働く見世物小屋であった…

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少女椿のレビュー

点数別:
1件~ 2件を表示/全2 件

6点 booさん

ひどく趣味が悪い。そして趣味が悪いものを好きな人はけっこう多い。

花売りだったみどりちゃんは、母親が亡くなってしまって独りぼっちに。困って親切だと思っていたおじさんを訪ねると、見世物小屋の芸人にされてしまう。異形のものを見世物とする尋常ならざる世界に足を踏み入れたみどりちゃんはどうなってしまうのか。

陵辱、エログロ、幻想、そして畸形畸形畸形畸形…。
兎にも角にも猟奇、そして猟奇は耽美に昇華されていく。

これぞ丸尾末広だよなぁ。もう完璧にやりきっちゃってるよこの人。
江戸川乱歩の怪奇小説の正当後継者とも言える猟奇漫画に仕上がっているわけだけど、思っていたほど読みにくくはない。それは私が乱歩の小説をそこそこ読んでいたり、事前に丸尾版の芋虫を読んでいたというのはあるかもしれない。
でも結局これは美少女が残酷な運命に翻弄される物語、薄幸の美少女の物語だ。そのように基本プロットは普遍的なものなのである程度猟奇系に耐性があれば楽しめると思う。薄幸ってレベルじゃないけどさ。

ただやっぱり存分に楽しめるのは丸尾末広の猟奇趣味が気に入っている人なのだろう。
私は乱歩の猟奇系の作品は嫌いではないけど好きでもなくて、性的倒錯を扱った人間椅子やひとでなしの恋が好みだったりする。ティム・バートンの映画にしても奇形への愛をもろに押し出したバットマン・リターンズはそれほど好きではなくて、シザーハンズやビッグフィッシュのような美しく奇形をリファインした作品の方が好きだ。
そういう人間だから私は少女椿が大好きというわけではないし、私はあなたと逆だよ、という人にこそ特に強くおすすめ出来る作品かもしれない。私だってその耽美を感じる部分が大いにあるのはもちろんだけど。

猟奇好きの人にはバイブルとなりうる作品だと思う。別に好きじゃないよという人も、もしかしたら自分の知らなかった嗜好を発見することになるかもしれない。

ああ、みどりちゃん…。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-07 23:15:12] [修正:2011-10-07 23:15:12] [このレビューのURL]

10点 そのばしのぎさん

高得点をつけてはいますが、この漫画、常識人の自覚がある人には決して勧められない。
グーグル検索もしない事をお奨めします。
エロ・グロ・畸形・児童虐待、あらゆるタブーが含まれた漫画です。
にも関わらず、耽美派文学作品のような読後感は異常。

ちなみに1992年にはアニメが作成されています。
J・A・シーザーが音楽やってたりします。
当然ながらTV放映などできません。それどころか児童ポルノ、猥褻物関係で上映禁止までくらっています。もったいない話です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-09-20 22:30:43] [修正:2010-09-20 22:30:43] [このレビューのURL]


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