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7.5点(レビュー数:2人)

作者イーサン・ヴァン・スカイバー

原作ジェフ・ジョーンズ

巻数1巻 (完結)

連載誌DC Comics:2004年~ / ヴィレッジブックス

更新時刻 2011-09-02 20:39:56

あらすじ 最高のグリーンランタンと評されながら、怒りに駆られ、冥府へと堕ちた男、ハル・ジョーダン。だが今、驚愕の真相と共に、彼の苦悩と贖罪の旅は旅わりを告げる。全米人気No.1ヒーロー、グリーンランタン新生の話題作登場。

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グリーンランタン:リバースのレビュー

点数別:
1件~ 2件を表示/全2 件

7点 booさん

シークレットオリジンはハル・ジョーダンがランタンとなるまでのお話。
このリバースでは冥府に堕ちたハルの再生が描かれる。

これは多分傑作だろう、熱いぜ!
多分と言ったのには理由があって、上のあらすじを見ると何となく分かるかもしれない。
何の予備知識もなく見た人はどうなるか。オリジンでハルがランタンになりました。これからハルはどうなるのかわくわくです。リバースを見ました。え!?何でハル冥府に堕ちちゃってんの?しかもその前に最高のランタンになってたわけ?てか冒頭の地球担当のランタン達は誰よ?
あれ?キングクリムゾン時ぶっ飛ばしちゃった?

実際ダイジェスト的な感じでリバースの作中で大まかな経緯は説明されるので大筋はつかめても、細部の情報は全く足りない。事前にグリーンランタン/グリーンアローを読んでると多少はましだがそれでも足りない。解説見ても実感できるのとは違うしね。
こんな不親切な刊行になっているのもしょうがない部分はあって、まずランタンは連続したストーリーが続いているのでそれを全て邦訳することは恐らく出版社的に難しい。また、リバースからリニューアルされたこのシリーズだが、ハルが堕ちるまでの作品群はその一つ前のシリーズにあたるということ。ということでかなり流れをぶっ飛ばした邦訳になってしまったと。
バットマンだとそれ自体でほぼ完結する作品が多いんだけど、ここらへんは長い時に渡って連載されるアメコミならではの楽しさでもあり弊害でもある。

このリバースというのはスターウォーズを彷彿とさせるような壮大なエピソードなわけです(実際参考にしたらしい)。スターウォーズとは逆ベクトルの、堕ちて、苦悩し、それでも内で戦い続けたハルの堂々の復活とランタンズの再生。しかしエピソード1を見て、2を飛ばして、3を見たときにそれが十分に楽しめるかというと否でしょう。
ハル復活!!ハル復活!!ハル復活!!ハル復活!!なんて烈海王ばりにテンション上がりつつもそれだからこそこの作品をそういう事情で十全に楽しめなかったことは残念だなと思う。いやー、でもランタンズには熱くなったしガンセットは渋かったし、何だかんだかなり楽しめた。相変らずオリーもかっけぇよ。ランタン/アローが大好きな私は彼とハルとの絆にはほろっとね。

本作のライターのジェフ・ジョーンズはマーク・ミラーあたりと並んで間違いなくこれからのアメコミを引っ張っていく人。フランク・ミラーがDKRでスーパーマンをぼこぼこにしたように、ハルがバットマンを殴り倒してるのも彼の新たなヒーロー像を作るという決意の表れと思える。
結果熱く無鉄砲な少年漫画の主人公としては共感できる好感度の高い主人公に仕上がったわけだけど、あまりヒーローとしては魅力的ではないかもしれない。でもDKR以降ミラーのバットマンの類型がスタンダードになっていた中でそれに風穴を開けたというのはかなり歓迎すべきことだし、すばらしいことだろう。もっと色んなヒーローがあっていいよね。

リバース後も話は続いていきます。それらが邦訳されるかというと、正直映画がアメリカでは大コケしたのでめちゃくちゃ不安。映画に合わせてそれ関連の邦訳というパターンが多いので続編がないと果たしてどうなるか。
皆さん今からでも映画見に行きません? もちろん邦訳されたランタンシリーズを買ってもいいです。このままだとブラッケストナイトまで行き着くかが怪しいような…。
ヴィレッジさん、よろしくお願いします! そして願わくばエメラルド・トワイライトあたりから邦訳を!
誰かまじでAKB買いしてくれないものか笑。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-21 01:48:27] [修正:2011-09-21 08:25:49] [このレビューのURL]

8点 columbo87さん

グリーンランタンに関しては全くの予備知識無しで読んだ。かつて最高のグリーンランタンと呼ばれ、暗黒面に堕ち、いまでは復讐の精霊と恐怖の化身との間に解け合い不安定な存在となっているハル・ジョーダン。彼の復活と再生を描いたエピソードである。
復活にいたるまでの背景、膨大な設定を知らないまま読むと、はっきりいって大筋をつかむので精一杯である。人物相関などは附属の解説を読めば把握できるようになっている。

今作は、これまで購入したアメコミの中で最も少年漫画的展開、バトルを楽しめる作品であった。特に過去の仲間達が揃って宣誓を行う場面は何度読んでも痺れる。
読んでいて思ったのはなんとなくスターウォーズみたいだなーという所。色々な宇宙人を集めた警察機構、故郷を滅ぼされ、(黒幕のたくらみによって)暗黒面に堕ちてしまう主人公など、映像化されたときにその辺りの既視感からパチモンとして倦厭されるのではないかなどと思わされる。
 それはともかくとしてグリーンランタン:リバースは堕ちた英雄の復活のカタルシスを味わえる作品である。贖罪と再生への物語であり、他の邦訳コミックスにない戦闘中心のストーリー展開や映画作品のようにダイナミックな構成が見事な傑作であるということは、間違いがない。

しかし、やはりオリジンからパララックスへ堕ちる課程を観ないと最高のカタルシスは得られないのだろうと思わせられる。なぜこれを一番最初の邦訳にしたのだろうか?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-02 20:58:21] [修正:2011-09-02 20:58:21] [このレビューのURL]


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