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5点(レビュー数:1人)

作者有永イネ

巻数1巻 (完結)

連載誌短編集:2012年~ / 講談社

更新時刻 2013-10-15 21:14:47

あらすじ 漫画歴わずか2年。長足の進歩を遂げる注目の新鋭が描く、初の短編集。心の弱った人間にだけとりつく「ひとつめさん」がつなぐ友情を描いた「ひとつめは木曜になく」。ある日突然、双子の弟の顔が認識できなくなってしまった姉の心情に迫る「なき顔の君へ」など、商業誌未発表作品2編を含む、全4編を収録。すべての作品で共通して描かれるのは、未熟な主人公たちの素晴らしき葛藤。新人離れした表現力で、人の心を深く描きます!

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さらば、やさしいゆうづるのレビュー

点数別:
1件~ 1件を表示/全1 件

5点 クランベリーさん

優しく感じられる短編集。
日常の中の非日常をSFを交えて描いた作品。SFと言っても本格的なものじゃなくて「すこし・ふしぎ」ぐらいな感じ。まったり暖かいファンタジーかと思いきやそうでもなく、最後のお話以外はどちらかというとネガティブな人たちがメインの鬱屈した雰囲気のお話。

2話目の表題作が一番良かったかな。
「さらば」と言いながら全然思いを断ち切れていないナオくんと、逆に次のステップに進むことができたマキちゃんと。いろいろな角度から考察すればその分答えが存在するようなお話で、何だか妙に考えさせられた。
ただ、自分では当たり前だと思っていることが世間では非常識だったりすることって誰でも1つや2つはあると思うけど、でもあのブラジャーの付け方はひどい。あまりにも現実味が無さすぎて感情移入とかあるあるネタとかそういうものを超越してるから、うまく物語に入り込めなかった。もうちょっと他のエピソードにしてくれれば良かったのに、もったいない。

どのお話もスパッと綺麗に終わらせるというよりは、ぼんやりと余韻を持たせるような形で、「あとは貴方(=読者)にお任せします」というタイプの作り。これが好きかどうかは人それぞれかも。
この短編集はタイトルが秀逸。全体的にどこか優しい雰囲気が漂っているように錯覚してしまうのも、短編集のタイトルに「やさしい」って言葉が明記されているからだと思う。言葉の力は偉大。例えば短編集のタイトルが「逆さまブラジャー」とかだったらこんなに優しい読後感にならなかったかもしれない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-10-15 21:23:12] [修正:2013-10-15 21:23:12] [このレビューのURL]


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