「蛸発光」さんのページ

総レビュー数: 8レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年03月04日

【East of The Sun, West of The Moon】
若いバンドマン達が集う居酒屋。貯めこんだツケの変わりに頼まれたのは、ママのバックバンド。

・今はアレだけど実は凄い人だった、といったありがちなテーマも作家の力量で面白くなる好例。

【さよならにっぽん】
ニューヨークで道場を開いた日本人、そこで出会う日本人や現地人との物語。

・喜怒哀楽、読んでいて楽しい作品群。そんな中で、日本人に対する皮肉めいた視点もあって興味深い。

【聖者が街にやって来る】
レコード会社に務める男に、アメリカから古い友人が会いに来る。仕事に対する情熱が冷めた男は、友人達との再会で...

・アメリカの友人達が良いんです。彼らは往年のジャズバンドで、嘗ての輝きは失われたかに見えたが・・・。現在の彼らの姿勢が格好良いです。男との関係も良いですねぇ。

【A荘殺人事件】
アパートの裏で、隣人の死体を発見した青年の顛末。

・大友らしいギャグです。オチも下らなくて面白い。

どの短編もクオリティが高い作品集。読んでいてストレスがないです。スーと染み込むように読めます。
個人的に「聖者が街にやって来る」がお気に入り。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-12-30 22:54:26] [修正:2012-12-30 22:55:52] [このレビューのURL]

終始異様な雰囲気に包まれた怪作。
すでに登場人物の風体(造形)からして異様です。
この絵で拒絶反応をおこす人もいるでしょう。

ストーリーの方はさらに異様。どの話も説明の仕様がない程に、突飛な展開のオンパレード。笑えるやら、不気味やら。
それでいて、否それ故にルンペン達の行動はとても痛快です。

見事にアッチの世界が描かれている作品、刺激的でブットンダものが読みたい方は是非。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-04 16:28:26] [修正:2010-03-04 16:28:26] [このレビューのURL]

魅惑的で奇妙奇怪な風景がゆるゆると描かれる。
深海に始まり、買出しに出かけた街、そこに暮す生物等々。

主人公とカッパに連れられ、どこか懐かしく旅情あるこの世界を巡る事に重点が置かれており、ストーリーは然して重要ではありません。

著者の描く世界に「何故?」はなく、そういう意味性を求める方、また嫌悪感を抱く程のものではないと思いますが、若干エログロ要素もありますので、これらが苦手な方にはあまりオススメできません。

しかし、一度受け入れられれば病み付きになること必定の“いみりワールド”ご注意を。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-04 12:59:05] [修正:2010-03-04 12:59:05] [このレビューのURL]