「蛸発光」さんのページ

総レビュー数: 8レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年03月04日

"こんな魔法使いあります"(帯より)

おーこういう物があるのか! 魔法(使い)という手垢のついた物が、とても新鮮に映ります。
能力バトルものといった趣の作風ではないが、どんな魔法が出るか、そんな楽しみがあります。

中身の方は血がドバドバ出たり、体がバラバラになったりするが、作者のポップセンスが素晴らしいので殺伐としません。

話も設定も個性的な作品。謎が謎を呼ぶ展開は、次巻が気になること必至。新しいものが読みたい人は是非。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-01-04 22:52:58] [修正:2013-01-04 22:52:58] [このレビューのURL]

10点 ZERO

哀しい男の物語。
やっと出会えた好敵手、得られたはずの後継者が、すり抜けていくのは男の業か。
狂気の先に行き着く最後は、涙なくしては見られません。

松本大洋がその才能を爆発させた、最初の作品だと思います。
特に試合描写の多彩さ、巧さは圧巻です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-01-01 00:12:47] [修正:2013-01-01 00:12:47] [このレビューのURL]

【East of The Sun, West of The Moon】
若いバンドマン達が集う居酒屋。貯めこんだツケの変わりに頼まれたのは、ママのバックバンド。

・今はアレだけど実は凄い人だった、といったありがちなテーマも作家の力量で面白くなる好例。

【さよならにっぽん】
ニューヨークで道場を開いた日本人、そこで出会う日本人や現地人との物語。

・喜怒哀楽、読んでいて楽しい作品群。そんな中で、日本人に対する皮肉めいた視点もあって興味深い。

【聖者が街にやって来る】
レコード会社に務める男に、アメリカから古い友人が会いに来る。仕事に対する情熱が冷めた男は、友人達との再会で...

・アメリカの友人達が良いんです。彼らは往年のジャズバンドで、嘗ての輝きは失われたかに見えたが・・・。現在の彼らの姿勢が格好良いです。男との関係も良いですねぇ。

【A荘殺人事件】
アパートの裏で、隣人の死体を発見した青年の顛末。

・大友らしいギャグです。オチも下らなくて面白い。

どの短編もクオリティが高い作品集。読んでいてストレスがないです。スーと染み込むように読めます。
個人的に「聖者が街にやって来る」がお気に入り。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-12-30 22:54:26] [修正:2012-12-30 22:55:52] [このレビューのURL]

7点 芋虫

懊悩による幻覚のビジュアル化は圧倒的だし、エログロ描写も十二分
と概ね満足ですが、原作を先に読んでいる為か、展開が少し性急に感じた。
夫に対する心境の変化を、もう少し掘り下げて描いてほしかった(そこには重点を置いていないのかもしれませんが・・・)

それにしても、バナナのやり取りは凄い。焦らす妻、狂喜し躍動する夫・・・これは笑って良い場面なのかな?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-13 05:30:48] [修正:2010-03-13 05:30:48] [このレビューのURL]

子供の頃熱中して読んでいた作品。
無茶苦茶な場面や設定の数々。おおよそ、まともなバスケットはしていない。
しかし、ド直球な性格の主人公に、ヒロイン・ライバル・敵組織など、キャラの立った連中がワイワイガヤガヤと動き回り、とても楽しい。
必殺の“マキシマムパワー”等々、子供心をくすぐる要素も沢山ある点も良い。

大人が読んでも面白いかは疑問だが、対象の子供達は今読んでも面白いと思う。
点数は思い出補正もあるが、子供の頃の自分を楽しませてくれた感謝を込めて!

余談:ここまで書いておいて何ですが、作者の殆どの作品は絶版になっており、これもその一つです。良い作品を描く作者だけに、この状況は残念です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-08 02:20:56] [修正:2010-03-08 02:20:56] [このレビューのURL]

男と女の逃避劇というありふれたストーリながら、作者特有の一癖も二癖もある登場人物により、凡作とは一線を画すものと成っている。
特にトシコの叔父のような、ねちっこく不気味なキャラを描くのが巧いですね。
曖昧にされたラストには賛否あるでしょうが、僕は好きです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-07 23:23:31] [修正:2010-03-07 23:23:31] [このレビューのURL]

終始異様な雰囲気に包まれた怪作。
すでに登場人物の風体(造形)からして異様です。
この絵で拒絶反応をおこす人もいるでしょう。

ストーリーの方はさらに異様。どの話も説明の仕様がない程に、突飛な展開のオンパレード。笑えるやら、不気味やら。
それでいて、否それ故にルンペン達の行動はとても痛快です。

見事にアッチの世界が描かれている作品、刺激的でブットンダものが読みたい方は是非。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-04 16:28:26] [修正:2010-03-04 16:28:26] [このレビューのURL]

魅惑的で奇妙奇怪な風景がゆるゆると描かれる。
深海に始まり、買出しに出かけた街、そこに暮す生物等々。

主人公とカッパに連れられ、どこか懐かしく旅情あるこの世界を巡る事に重点が置かれており、ストーリーは然して重要ではありません。

著者の描く世界に「何故?」はなく、そういう意味性を求める方、また嫌悪感を抱く程のものではないと思いますが、若干エログロ要素もありますので、これらが苦手な方にはあまりオススメできません。

しかし、一度受け入れられれば病み付きになること必定の“いみりワールド”ご注意を。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-04 12:59:05] [修正:2010-03-04 12:59:05] [このレビューのURL]