「中華三振」さんのページ

総レビュー数: 9レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月10日

海外に出張や留学等で長期間行かれる方は、是非これをもっていきましょう。そして、しばらく荷物のそこに詰めといて、現地生活に慣れたなーっと思ったら開いてみましょう。あら不思議。絶対に近所に和食レストランがないか探し始めますw(金魚屋古書店の受け売りですが)


物語は、中年の独身貴族のおっさんが、ただ飯を食って心の中で感想を垂れる。それだけです。

本当に、それだけなんです。誇張もなにもなしに。


なのに多くの人にこの漫画が愛されているのは、とにかく飯を食べる描写がリアルで、おいしそうであるということ。
メシが美味そうなアニメや漫画は、それだけでももう素晴らしいです。
また、食べるシーンだけでなく、主人公のゴローちゃんは入ったお店の雰囲気やそこにいる客や店員の様子等、五感を使って料理を堪能します。(ですので、料理はおいしそうでも店の雰囲気が悪く味が楽しめないといった描写もあったりします。非常にリアルです)

そして、主人公の渋い中年独身貴族のゴローちゃんが、たまにやらかす失敗や、心の中でのつぶやき。
もう渋すぎて惚れてしまいます。とりあえず焼肉食べるときはウォン!って言ってしまいます。心の中で。

さらに、作品中に登場するお店は、実際に存在しているお店ばかりです。少々昔の漫画なので、既に閉店してしまってる店などもあったりしますが、多くのお店は現存し、作中に出てくるメニューも存在します。
ネットで調べるとすぐにレビューサイトを見つけることができるので、運良く家の近くにある方などは是非一人で行ってみて”孤独のグルメ”を堪能してきてください。
(間違っても店主さんにアームロックかけたり、季節限定メニューをしつこく頼んじゃ駄目ですが)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-10 22:12:15] [修正:2010-09-10 22:33:10] [このレビューのURL]

最初この作品を読むと、かなり人の命が軽く描かれているように見えるかもしれません。

もちろん、中世ヨーロッパという時代であったということも要因の一つですが、作者の幸村誠先生によると愛や命の重さをテーマにしたいために、対比させるためにあえて命が軽く扱われているように描いているそうです。
つまり、これだけ命が軽いとされている時代で、愛や命の重さを説くことの難しさ。これがこの作品の主題となっていると言えるのでしょう。
そういう視点で見ると、トールズやアシェラッドの行動が(特にトールズが)両極端な意味に映ってきます。


そして、テーマとはまた別に作者の幸村先生の作画にかけるこだわり・描き込みが素晴らしい!
先生の前作「プラネテス」も、非常に描き込まれていましたが舞台が宇宙という関係上、どうしても背景に関しては黒のベタにならざるを得なかったのですが、ヨーロッパを舞台にした本作では先生の職人魂が如何なく発揮されています。
背景だけでなく、戦闘シーン等の動きのあるシーンも非常に描き込まれていますし、登場人物それぞれのキャラが立っているので、戦記物が好きな人にもオススメです。


主人公のトルフィンは、ウィキペディアに元ネタとなった人物が載っているぐらい有名な人物なので、ちょっとヴァイキングに詳しい人や、ちょっと作品について調べたらこの作品の行き着く終着点はなんとなく想像できます。
が、どうやってそこにまで到るのか。トルフィンの人生を通したその過程こそが、”ヴィンランド・サガ”であるといえると言えるのでしょう。

最後に、公式サイトの作品紹介で使われたフレーズで締めたいと思います。



            この物語は

          本当の戦士の物語(サガ)


ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-09-10 20:47:50] [修正:2010-09-10 22:24:48] [このレビューのURL]

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