「中華三振」さんのページ
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あまりレビューされていない漫画や、自分が好きだと思った漫画をレビューできればと思います。
一時期は、増え続ける漫画の蔵書に「いつか買うのやめて整理しないといけないかなぁ」なんて感じていた時期があったのですが、最近『金魚屋古書店』を読むようになり、開き直りました。
いいじゃん漫画に埋もれたって(笑)
(件の漫画はいずれレビュー予定。気合入れてしなければ・・・)
ただ、それでも置いておける蔵書の量には限りがあるので、最近はある程度吟味するようにはなりましたが。
その際、吟味の一手段として、レビューサイトを回ったりしています。こちらの漫画レビュー.comにたどり着いたのも、その延長線上でした。
好んで読むジャンルは、青年漫画が多いですが、少年漫画も少女漫画も広く読んでるつもりなので、ぼちぼちレビューできればなと思います。
特に、面白い割りに世間にあまり認知・評価されていない漫画に日の目を見て欲しいです。
(文才はないので、上手くレビューできる自信はありませんが)

7点 リューシカ・リューシカ
この作品はよく、同様に子供の無邪気な日常生活を扱った「よつばと!」と比較される部分があります。
確かに同じ年頃の、ちょっと変わった子供の日常を描いているという点だけみると同じように聞こえるのですが
2作品を読み比べてみると分かると思いますが、決定的に違う場所があります。
それは『誰の視点で話を描いてるか』ということです。
よつばと!の場合は、主人公のよつばにフォーカスしつつも、基本は周りの大人や友人等の、客観的視点から見たよつばの行動が描かれています。
一方、この作品では主人公のリューシカ自身から世界を見た、主観的視点で描かれることが多いです。
上の二つの違いを、ちょっと自分の子供時代の体験談で例えてみます。
子供のころ親と電車に乗っていたとき、自分の電車が停車しているすぐ横のホームから電車が発進したとき、親に「(ホーム側を指して)こっちの窓は止まってるのに、反対側(発進中の電車が見える方)は発進してる!どうして!?列車が分裂してるの?」と真剣に尋ねたらしいです。親は最初、何を言ってるのか理解できなかったそうですが、自分の言わんとしてることを理解して大爆笑したとか。
大人にとっては当たり前の常識が、子供の知識の上ではまだ理解できなかったんですね。
つまり、上の例でいう「子供時代の自分が、窓からの眺めだけで自分の列車が走っている」と思い込んでる部分が、『リューシカ・リューシカ』で用いられる視点。それを聞いて親が?と疑問に思ったり、話を聞いてツッコミをいれるのが『よつばと!』でよく用いられる視点です。
ですので、どちらの話が面白いか、ということではなく、『よつばと!』が楽しめる方ならば『リューシカ・リューシカ』も楽しめると思います。2つの視点両方から見るというのもなかなか面白いです。
それと、実はこの漫画、全ページフルカラーです。昨今フルカラーの漫画は非常に珍しいです。これだけのフルカラーで上質な紙を用いた印刷物を650円で出してしまうというのですから・・・非常にお買い得でもあると思います。
美術的な観点からみてもお勧めの一冊です。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-12 18:13:55] [修正:2010-09-14 19:13:16] [このレビューのURL]
東方projectシリーズ初の、原作者ZUN氏公認の公式コミックです。
キャラクターはとにかく沢山出てきますし、普段見られないような衣装なども見れたりします。作者の秋★枝先生によるキャラデザインも可愛いです。
会話なども非常に原作にあるような独特の掛け合いもあったりし、東方シリーズファンにはそれなりに楽しめる内容ではあります。
ただ、東方シリーズファンであるとどうしてもひっかかるのが、”スペルカードルール(弾幕ごっこ)”の捕らえ方でしょうか。
弾幕ごっこは「必ず避ける方法がある」というのが条件であったと思いますが、作中、どうやっても避けようのない弾幕が存在していたりします。
東方シリーズは、二次創作があまりにも多く、公式コミックの評価というのは非常に難しいのですが(東方シリーズが好きであればあるほど、公式設定とはかけ離れた二次設定にも触れやすくなってしまう為)
スペルカードによる決闘の定義は公式的な見解でも、同じ内容だったと記憶してますし、なにより避けられない弾幕というものが原作に登場してしまえば、それはゲームではなくなってしまいますので。
「細かいことにいちいち突っ込まなくとも」とも思えるのですが、この東方シリーズにおける”スペルカードルール”は、根底にある最も重要な要素であり、これを蔑ろにして東方projectは評価できないと思ってますので、このあたりについて本作品はもっと慎重に描けなかったかな?と思います。
上記の意見は、ネット上でも度々議論されてますので、あまり深く突っ込むのもどうかと思いましたが、この部分を抜きに本作品をレビューするのは不可能と思いましたので、あえてきちんと自分の意見を書いてみました。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-09-12 19:31:20] [修正:2010-09-12 19:32:56] [このレビューのURL]
この先生のデビューの読みきり作品「機動剣士 ガンボーグVZ」を読んで、そのコロコロ離れした凄まじい描きこみっぷりに感激し、以降の「電人ファウスト」等も読んでいました。が、一つ上の兄貴や、周りの友人の上山先生に対する評価はイマイチ・・・どうも自分の好みは渋かったのかもしれません。
(ちなみに、同時期にコロコロに連載していた上山道郎先生の実弟だと知ったのは最近になってからでした)
そして先生の最後の小学誌連載となる「LAMPO」
ジェファン神国や神国ロボット、登場する兵器のリアリティに感激を覚えました。
そしてド派手で恒例のコロコロ離れをした演出。
読んだことある方なら分かると思いますが、第1話冒頭の主人公ランポがサメを釣るシーン(掲載時はたしかここででっかく作品タイトルが出たと思います)の”掴み”を見た時の興奮は今も忘れることができません。
私以外にLAMPOのレビューをされてる方、同様。自分も連載中にコロコロは卒業してしまい、途中以降のストーリーは知らないまま最近まで過してきました。
そして、ネットでふとコロコロ談義がされている掲示板にてLAMPOの話が出たとき、どうしても読み直したくなったので、オークションにて少々値が張りましたがなんとか購入。
歳を経て、落ち着いた視点で読み直してまず思ったのが「小学誌には勿体無い!!」
プロットもそうですが、背景の描きこみっぷりが半端ないレベルです。青年誌でもここまで描き込む&描き込める漫画化はそうそういないです。背景の線の細かさなど、芸術レベルに達してます。
ストーリーも、あまり時間を与えてもらえず、後半の駆け足展開っぷりが非常にもったいなかったですが、それは当時の雑誌からこの漫画に向けられていた視線を考えるとやむ終えなかったのかな・・・と。
もっと長く連載していれば、あるいはもっと違った結果だったかもしれません。
(その点だけがどうしても響くので、今回は7点とさせて頂きます。心情的には9点くらい与えたいのですが)
とにかく、背景が書き込まれてる漫画が好きな人には絶対お勧めです。
小さい頃読んでいて、続きが気になるなという方にもお勧めです。
まったく読んだことがないという方は、そこそこの値段で手に入れる幸運があれば(古書店で安くあったとか)是非お勧めします。
残念ながら現在絶版漫画のため、入手が難しいことだけが玉に傷ですね。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-09-12 18:35:22] [修正:2010-09-12 18:36:43] [このレビューのURL]
8点 孤独のグルメ
海外に出張や留学等で長期間行かれる方は、是非これをもっていきましょう。そして、しばらく荷物のそこに詰めといて、現地生活に慣れたなーっと思ったら開いてみましょう。あら不思議。絶対に近所に和食レストランがないか探し始めますw(金魚屋古書店の受け売りですが)
物語は、中年の独身貴族のおっさんが、ただ飯を食って心の中で感想を垂れる。それだけです。
本当に、それだけなんです。誇張もなにもなしに。
なのに多くの人にこの漫画が愛されているのは、とにかく飯を食べる描写がリアルで、おいしそうであるということ。
メシが美味そうなアニメや漫画は、それだけでももう素晴らしいです。
また、食べるシーンだけでなく、主人公のゴローちゃんは入ったお店の雰囲気やそこにいる客や店員の様子等、五感を使って料理を堪能します。(ですので、料理はおいしそうでも店の雰囲気が悪く味が楽しめないといった描写もあったりします。非常にリアルです)
そして、主人公の渋い中年独身貴族のゴローちゃんが、たまにやらかす失敗や、心の中でのつぶやき。
もう渋すぎて惚れてしまいます。とりあえず焼肉食べるときはウォン!って言ってしまいます。心の中で。
さらに、作品中に登場するお店は、実際に存在しているお店ばかりです。少々昔の漫画なので、既に閉店してしまってる店などもあったりしますが、多くのお店は現存し、作中に出てくるメニューも存在します。
ネットで調べるとすぐにレビューサイトを見つけることができるので、運良く家の近くにある方などは是非一人で行ってみて”孤独のグルメ”を堪能してきてください。
(間違っても店主さんにアームロックかけたり、季節限定メニューをしつこく頼んじゃ駄目ですが)
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-09-10 22:12:15] [修正:2010-09-10 22:33:10] [このレビューのURL]
8点 ヴィンランド・サガ
最初この作品を読むと、かなり人の命が軽く描かれているように見えるかもしれません。
もちろん、中世ヨーロッパという時代であったということも要因の一つですが、作者の幸村誠先生によると愛や命の重さをテーマにしたいために、対比させるためにあえて命が軽く扱われているように描いているそうです。
つまり、これだけ命が軽いとされている時代で、愛や命の重さを説くことの難しさ。これがこの作品の主題となっていると言えるのでしょう。
そういう視点で見ると、トールズやアシェラッドの行動が(特にトールズが)両極端な意味に映ってきます。
そして、テーマとはまた別に作者の幸村先生の作画にかけるこだわり・描き込みが素晴らしい!
先生の前作「プラネテス」も、非常に描き込まれていましたが舞台が宇宙という関係上、どうしても背景に関しては黒のベタにならざるを得なかったのですが、ヨーロッパを舞台にした本作では先生の職人魂が如何なく発揮されています。
背景だけでなく、戦闘シーン等の動きのあるシーンも非常に描き込まれていますし、登場人物それぞれのキャラが立っているので、戦記物が好きな人にもオススメです。
主人公のトルフィンは、ウィキペディアに元ネタとなった人物が載っているぐらい有名な人物なので、ちょっとヴァイキングに詳しい人や、ちょっと作品について調べたらこの作品の行き着く終着点はなんとなく想像できます。
が、どうやってそこにまで到るのか。トルフィンの人生を通したその過程こそが、”ヴィンランド・サガ”であるといえると言えるのでしょう。
最後に、公式サイトの作品紹介で使われたフレーズで締めたいと思います。
この物語は
本当の戦士の物語(サガ)
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-10 20:47:50] [修正:2010-09-10 22:24:48] [このレビューのURL]
6点 ツマヌダ格闘街
小学生の時、よくこの先生の作品をコロコロで読んでました。
なんか見たことある絵だな・・・と思って調べたら、ビンゴ!作者買い余裕でしたw
小学生の時にも感じてましたが、この先生は古武術とか武道とか格闘に造詣が深い。
作者曰く、青年誌に連載するにあたってとにかく得意分野や趣味入れていこうと、メイドとか古武術とか地元の街とかを詰め込んでみたらこういう作品になりました・・・とのこと。なるほど。
コロコロ時代から他の漫画家の群を抜いていた作画の描きこみっぷりも如何なく発揮されていて、戦闘描写が非常に楽しいです。
あと、古武術を応用した、効率の良い体の動かし方などうんちくもあり結構お得だったりします。
そしてこの漫画の隠れた要素の一つに、登場人物の殆どが容姿や名前に、先生の敬愛する藤子・F・不二雄先生のキャラクターのオマージュが入っており(ドラエさんなんて、名前や格好からしてもうねw)
藤子先生ファンでもある方なら、オマージュ探しも楽しみの一つとなっていたりします。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-09-10 21:27:51] [修正:2010-09-10 21:27:51] [このレビューのURL]
6点 ヤンデレ彼女
WEBサイト上で作者の忍先生が同人漫画を描いていた頃から存じてますが
この先生の描かれる作品は、日常のほわほわした、楽しい雰囲気からだんだん切ない・シリアスな展開に持っていき、そこから一気に大団円にもっていく展開が上手いです。
既に微妙にそのあたりの伏線も張られているようですが、今後の展開も気になります。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-09-10 21:18:26] [修正:2010-09-10 21:18:26] [このレビューのURL]
7点 自殺島
ホーリーランドの森恒二先生の新作。
ホーリーランド内にて語られているように、作者は現実で過去に一度ひどい挫折を味わい、そこから這い上がってきた先生の作品だけあり、前作に引き続き(前作以上に)生きる事に絶望を感じている主人公が、徐々に生きる意味を見出していく描写が印象的です。
ストーリーとしては、現在出ている3巻まででいうと、さいとうたかお先生の「サバイバル」や、本宮ひろし先生の「まだ生きてる」のように、とにかく”生きる”ということを主軸に持ってきているサバイバル物です。
ただ、登場人物達が通常のサバイバル物の漫画とは一線を画しているのがこの漫画の特徴です。
また、作中内に「南国の島で水もあり人が住んでいた形跡もあり、妙に”人が生きる”環境が整い過ぎている気がする」や「かつてこの島は無法島と呼ばれる流刑の島だった」等
節々に自殺島の存在そのものについての伏線的な描写が見え隠れします。
後半のストーリーは、「バトルロワイヤル」のような人間同士の争いと、島からの脱出がテーマになってくるのではないでしょうか。
特にこの手のサバイバル物は落としどころや終わり方が難しいだけに、存在自体が謎である自殺島という存在は
終わりに向けての絶好の伏線となるかもしれません。
今後もますます期待が持てます。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-09-10 21:11:29] [修正:2010-09-10 21:12:30] [このレビューのURL]
編集担当等による、技術的・科学的な考察やチェックが入ってないのではないか?と思う描写も多々あったりしますが
(弾道飛行しかできないロケットがそのまま軌道に載ってしまったり等…あえて無視してるのかもしれませんが)
そういう、科学的にはどうだとか現実にはこうだとか細かいところを差っぴいてもお釣りがくるぐらい、演出がうまく作品に引き込まれます。
宇宙開発物というより、SF物という視点で読んだ方が絶対に楽しめると思います。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-09-10 20:59:17] [修正:2010-09-10 20:59:17] [このレビューのURL]