「ROADRUSH」さんのページ

総レビュー数: 4レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年10月02日

このキン肉マン単体を一気に読むとなかなか評価は厳しいかも。
しかし、現在までの格闘漫画へ与えた影響度は計り知れず。
「北斗の拳」よりも大きいです。
ただ、この作品も作者は7人の悪魔超人編くらいまでで終わらせるつもりだったんだろうね。
日本の文化に影響を与えるくらいの人気になり、ジャンプにしても金のなる木ということで無理やり描かせた結果、かなりの無茶な話になってしまった。
それでも毎週連載の形態では毎回楽しみを与えてくれる魅力はあったんですよ。
連載物は単行本で一発で読むのとは違うワクワク感を与えてくれるものですが、「次回はどうなるのか!?」という引きが実にうまかったんです。

もうひとつ、このキン肉マンで、ジャンプのヒットパターンが生まれてしまいます。

最初はギャグ漫画でも何でも作者に好きなように描かせる。
その後は編集部が作者に命じて敵を出させる。
倒したらもっと凄い敵を出す・・・といった具合。
そして作者はひたすら戦闘描写のみ描きつづけなくちゃならなくなる。飽きられるまで。

過去の「巨人の星」「リン賭け」などでもその傾向はありましたが、キン肉マンの実験的試みがあまりにも素晴らしい成功をもたらしたため、その後のジャンプのマニュアルになってしまったのですね。
「幽々白書」や「とっても!ラッキーマン」などまさにそのパターンで、あとは作者がそのパターンを命じられ、ストーリーの自由がない中、いかに楽しませるかという勝負になっていきます。
キン肉マン単体には厳しい評価もあるかもしれませんが、日本の漫画文化そのものに与えた影響は凄まじいものがあると思います。

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[投稿:2010-10-02 16:13:19] [修正:2010-10-02 16:13:19] [このレビューのURL]

連載開始当時、ジャンプの漫画の中では「恐怖漫画なのか?」と思わせるくらい異色で衝撃的な作品でした。
丁度その頃は、映画「マッドマックス」の影響で、映画にもかなりひどい暴力描写が描かれるようになる過渡期でしたし、一方でTVは香港のカンフー映画を連日のように放送しており、子供達にカンフーが大ブームの時期。
まさに時代の申し子のような漫画でした。
頭が破裂したり手が人間を串刺しにしたりと、黒澤明の時代劇映画のような容赦ない描写も、今となっては当たり前ながら当時の少年誌では画期的。
にもかかわらず勧善懲悪がしっかりしており、「必殺!仕事人」的なカタルシスが実に面白いのです。
おそらくこの作品はそんなに長編にするつもりもなく、シンとの対決で終わりにするはずだったのでは?
ジャンプの悪いクセで、人気が出ると敵をどんどんインフレ化して、無限に続かせるのも考え物です。
ジャギが登場するところくらいまでは非常に名作ですが、だんだん三国志や史記のようなお話になってくるとおかしなことになってきます。
内容はあくまで娯楽。
「ダークグリーン」や「ブラックジャック」のような考えさせられる作品とはまったく違います。
しかし、一度は絶対に呼んでおいた方が良いオモシロ作品です。

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[投稿:2010-10-02 15:49:30] [修正:2010-10-02 15:49:30] [このレビューのURL]

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