「drop it」さんのページ

総レビュー数: 14レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年11月11日

宇宙兄弟が「今の宇宙」、プレネテスが「未来の宇宙」を描いているとしたら、この作品はその間にある、人類宇宙進出の過渡期を描いている感じでしょうか。

過渡期と言えば変動の時代ですから、戦国時代や明治維新と同様劇的な展開が多く、物語として面白いのは当然なわけで。ただ、既に起こったことでなく、これから起こりうることを描くのは非常に難しいと思うのですが、それをやってのけたのがこの漫画だと思います。

まだ完結はしていませんが、マクロな視点で描かれる国家レベルの争闘と、ミクロな視点で描かれる人間ドラマを同時に楽しませてくれる、SF漫画の名作と位置づけても良いでしょう。

それにしても、まさか親子2代に渡って物語が続くとは・・。思っていた以上に壮大なドラマになりそう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-24 19:26:34] [修正:2010-11-24 19:26:34] [このレビューのURL]

言わずもがな、な有名漫画。

私は、鳥山明の作品は物語の展開に興奮したり、登場人物の心情に共感する類のものではないと思っていますので、その辺りを重要視する現在主流の漫画と並べて語ることはできません。

ではこの作品の何が魅力的かと言うと、キャラクター・道具・乗り物のデザインなど創造的な部分ではないでしょうか。敵としては大きく分けてピッコロにフリーザ、セル、ブウの4人が出てきますが、漫画好きなら(ドラゴンボールが好きでなくても)おそらくほとんどの人がその外観を知っているでしょう。ポイポイカプセルやスカウターはアイディアとして秀逸だと思いますし、筋斗雲やサイヤ人の宇宙船も一目でそれと分かるシンプルでインパクトの強いデザインをしています。孫悟空の武道着やサイヤ人の戦闘服もすごく印象深いですよね。

その辺りの創造力は、率直に言うとワンピースより格段上だと思います。「想像力」は尾田栄一郎の方がすごいと感じさせますが・・・。

もともと何かを訴えかけるといった作風ではないので、読んで衝撃を覚えるような体験はできませんが、子供のころあれだけ読んだのに今ふと読み返しても楽しめる、飽きの来ない名作です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-11-23 20:00:53] [修正:2010-11-23 20:11:51] [このレビューのURL]

7点 寄生獣

みなさんレビューされている作品ですので、私も。

私にとっては、一旦読み始めると夢中になって読みふけってしまうような漫画。

多少(?)グロテスクな場面もありますが、描かれている情景自体は北斗の拳やうしおととらに比べればまだおとなしい方です。ただ、この作品が他のグロテスクな描写のある少年漫画と大きく違うのは、非常に“日常感”が漂っている点です。何気なく暮らしている普通の家にふらっと殺人犯が入ってくるようなおぞましさ。作者の描く絵は、そういった日常と共存するが故に際立つ残酷さを強く感じさせます。

話し全体もよくまとまっていますし、絵も見やすくきれい。読んでいてとても面白く良作です。ただ私にとっては面白い以上の強い感動はありませんでした。何かを教えてもらった、という感じでもありませんでしたので、7点です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-23 19:29:57] [修正:2010-11-23 19:29:57] [このレビューのURL]

「漫画」を題材にした漫画では、トップクラスの面白さではないでしょうか。

この作者は一枚絵を並べているような漫画の描き方をされるので、動的なシーンの多い作品には正直あまり向かないと感じているのですが、当作品においてはその描き方が登場人物の心情を訴えかける力強さにつながっていて、迫力を感じさせる良い効果をもたらしていると思います。

登場人物と同じような生き方をしたい、とは思わなかったため、個人的に共感度は低いですが、まるで中世の彫刻家や画家のような彼らの情熱というか真剣さが凄まじく、感動を憶えることは間違いありません。

終わり方も素晴らしく、間違いなく良作です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-23 19:01:03] [修正:2010-11-23 19:01:03] [このレビューのURL]

この作品についてのレビューを読むと、同じ表現でも人によって様々な受け取り方があるんだと分かってとても興味深いです。

私にとっては人生に影響を与えた名作。

絵柄が好みだとか4冊で完結するちょうど良い長さであるとか細々とした理由もありますが、私が感動を覚えた最大の理由は、この作品が人のあるべき生き方を訴えてかけていると感じ、またそこに強く共感したから。主人公ハチマキの生き方が、まさにそれを体現しています。

閉鎖され他から隔絶した個が、他と接触することで属している全体を認識し、再び“全体の一部としての”認識を持った個(個でありながら常に全体でもあり得る)に回帰するという。この主張は、古くは釈迦の仏法思想に、今で言えばベストセラービジネス書スティーブン・R・コヴィー著「7つの習慣」と通じるものでしょう。

ちなみに私(というかみんな?)にとっての最重要ポイントは・・・ゴローがハチマキにスピーチを任せるきっかけとなったセリフ。あそこでハチマキが虚ろになりながら言った一言こそ、この作者が言いたかったことじゃないかなあ。
真理だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-11 20:35:50] [修正:2010-11-11 20:35:50] [このレビューのURL]

こちらのサイトで評価が高かったので読んでみました。

絵も丁寧ですし、登場人物たちのお酒に対する情熱は読み手を感動させてくれます。うんちく好きには、日本酒の製造工程に関するしっかりとした説明も興味深い内容です。長さもちょうど良く、最後までだれることなく楽しめる良作です。

ただ、私は主人公夏子の「幻の酒」に対する姿勢に狂気を感じてしまい、どうしても感情移入することができませんでした。ちょっとえげつないと思いましたね。しまいには夢遊病患者みたく夜中ふらついたりするし・・

ま、なんだかんだ言ってこの作品読んでから日本酒が好きになりましたけどねー笑。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-11 19:33:04] [修正:2010-11-11 19:33:04] [このレビューのURL]