「ブレードランナーズ・ハイ」さんのページ

総レビュー数: 5レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年11月19日

当時の読者や今の漫画・アニメ業界で活躍するする人たちに多大なるトラウマを与えたであろう伝説の漫画。

永井豪の恐ろしさは、倫理観や理性を無視した超展開がノーモーションで飛び出ることにある。インタビューでも自ら語っていたが、おそらく永井豪はこの漫画を描き始めたとき、細かなことは何も考えていなかったと思われる。
グロテスクな表現はこの人の持ち味みたいなもので最初から頻繁に使われるが、作品全体としてはギャグを取り入れつつもあくまで古典的なダークヒーローものの漫画を描くつもりだったのだろう。

しかし一度ぶっ飛んだ展開を思いついたら、強引だろうが狂っていようが躊躇なくその方向性で物語を持っていく。たとえそれが、アニメも放送している人気作であってもお構いなしに、本能の赴くままにだ。

もちろん読者は予想を上回る展開に驚愕させられるわけだが、そのパワーとインパクトがこの漫画を伝説の名作へと押し上げた。
このような破壊力のある漫画は今後登場することはないかもしれない。
描ける漫画家もいないだろうが、仮にいたとしても一般に受けいられるとは思えない。

昔に比べて、読み手のキャパシティも作り手の能力も、今の時代は洗練されすぎてしまったと思う。

まだ読んでいない人は、漫画の表現も作者の本能も全てが無修正で出版することが許された時代の傑作に心酔するべし。

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[投稿:2011-11-18 12:38:03] [修正:2011-11-19 12:32:46] [このレビューのURL]

まぁ基本的にはHUNTER×HUNTERと比べると捻りのない典型的なバトル漫画なのは間違いないのだが、個人的にはハンターにひけを取らないほど好き。
王道の中でチラ見せするダークさや、得体の知れなさはかなり魅力的だと思う。

要所要所の心理描写や人間関係、特に悪役周りのエピソードは繊細で奥深く、美しい。最初は謎だらけのキャラも徐々にバックボーンが明確化され、最終的には読者に感情移入させられるようなわかりやすくも魅力的なキャラになっているのもすごい。

その辺の素直さや緩急のつけ方はハンターより好きかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-19 12:22:00] [修正:2011-11-19 12:22:00] [このレビューのURL]

細かい整合性や展開の違和感にツッコむのはナンセンス。この漫画には現代の漫画にはない迫力や破壊力がある。
もともと漫画なんて空想の世界なのだから、紙の上に広がる空想世界に読者を引き込めたら勝ちなのである。

そういう点ではこの作品は至高である。子供たちの心を鷲掴みにし、そのままトラウマ一直線にしてしまう恐れのある恐怖の世界観&物語&作画だ。
少なくとも、読み終えたら確実に食欲がなくなってしまう破壊力。
そしてありえない展開の中に終始流れる極限の集団心理の生々しさ。
ユーモアとおぞましさがにじみ出る画。

間違いなく傑作。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-19 12:08:00] [修正:2011-11-19 12:08:00] [このレビューのURL]