「トニーモンタナ」さんのページ

総レビュー数: 471レビュー(全て表示) 最終投稿: 2014年10月28日

新鋭って感じですね。ほんとに短編好きにはたまらないです。多感な時期に出会えば心の支柱になるくらいの力があると思います。漫画としての磁場が強いです。

スクリーントーンが物凄いセンシティブで陰影や光線が強調されてる。恋や青春の一瞬の輝きを永続させるような話が多くて大好きです。

「赤星くん」の金玉の大ゴマ、「成人ボム 夏の日」の見開きはヤバいです。圧縮と解放、奥行き、パースにただただ見惚れる。感情と漫画的飛躍が呼応する瞬間がもう優勝です。

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[投稿:2020-04-03 00:09:55] [修正:2020-05-28 14:53:29] [このレビューのURL]

前半は断片的なショートショートの形式ですが、後半はそれがフリになった短編。有機的に連動して絡ませるのが巧いです。

超現実的な飛躍するタッチはやはり唯一無二です。家族の呪縛、帰属することへの抵抗とかが統一されてる気がしました。特に父親への反発、折り合いの悪さが強調されてるように思いました。ポップなタッチとは裏腹に結構陰惨としてます。

空間の伸縮だったり、大胆なパース構図も「変身のニュース」とかに比べると抑えられてますが、出色の出来です。

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[投稿:2020-05-28 12:41:42] [修正:2020-05-28 12:41:42] [このレビューのURL]

飄々とした描線ですが、質量があり、強く残ります。短編全体的に日常を違う角度から見たり、近眼的に見てた日常を遠視で見て日常を再解釈するみたいなテーマが一貫してると思います。日常と非日常がシームレスに行き交うのを瑞々しい感性で魅せます。

表題作が特に好きです。プラトニックと狂気は紙一重みたいな話です。俯瞰描写が青春の後悔とかに巧く効用してます。ラストの展開、前に進むことを視覚的にも内面的にも符号させるのは高揚します。

「ゲームくん」も至極の出来です。圧縮と解放などのコマ割りや擬音の配置など革新的なことをたくさんやってます。自由度が高く、実験的で物理的限度を超越した漫画的快楽の連続に眩暈します。

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[投稿:2020-05-08 21:14:28] [修正:2020-05-08 21:14:28] [このレビューのURL]

ジョンヒューズ映画のような青春ものです。スクールカーストや学校の閉鎖的なコミュニティを換骨奪胎するという「わたモテ」といい「ブレックファストクラブ」の片鱗を連載中の作品で二作も味わえるのは嬉しいです。

違う特性人物同士の化学反応、相乗効果の描き方がほんとに良いです。他者を隔絶するのではなく、融和させるとても優しい作品です。ギャグの緊張と緩和の作り方、セリフ回しや言語の感覚も鋭いです。

扉絵で「ララランド」のジャケットのパロディをしていたり、仕掛けも色々散りばめられています。

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[投稿:2020-05-04 22:27:10] [修正:2020-05-04 22:27:10] [このレビューのURL]

隠れオタクを扱ったものだと「トクサツガガガ」は他者を断絶せずに作品を媒介にして自分の中に許容しますが、今作は自己完結気味で開き直ってます。
オタクと非オタクの対比、非オタクから見たバイアスのかかっていない映画への視点を設けてるのは偉いなと思います。

娯楽志向の作品を偏重してて芸術志向はよく分からないって視点は映画好きとしては共感できなかったです。ゴダールやトリュフォーもボンクラな人物なんてたくさん出てくるし、映画的飛躍も豊かだし、高尚なものって距離を置くのは好きじゃないです。

けど「卒業」とか「ポリスストーリー」とかのオマージュとか遊び心は楽しいです。「ロッキー5は泣かなかった」も同意します。

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[投稿:2020-05-04 22:19:59] [修正:2020-05-04 22:19:59] [このレビューのURL]

今までの浅野いにお作品は背景が精巧に描かれていて、人物が簡略化、デフォルメされていて相反な関係でしたけど、今作は背景と人物ともデフォルメタッチで描かれてる稀有な作品です。

設定がRPGのようなファンタジーで悪を倒した後の勇者のパーティーをメタ的に解剖していて、道満晴明作品や石黒正数作品を彷彿とさせます。高次的な遊び心が細部に溢れてます。

デフォルメされているけど、いつも通りどす黒い内面に迫っていきますし、陰影の使い方とかはスリリングです。パーティー内の弔いや死をアイロニーなギャグとして描いていて、仲間が並んでる扉絵を繰り返して仲間がどんどん減っていくのを反復と差異で見せてるのも意地悪です。

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[投稿:2020-05-03 22:02:33] [修正:2020-05-03 22:02:33] [このレビューのURL]

浅野いにお先生は漫画の枠組みを取っ払った表現をずっと追及してますね。今作も先進的なことをたくさんやってます。

「ばけものれっちゃん」は思春期の自意識や葛藤を化け物に象徴化した作品で、the pillowsの「ブルースドライブモンスター」を思い出したりました。どの収録作も思春期をシンボリックに描いてるのは通底していて「プンプン」と相似してる気がします。

「ふんわり男」では同じ話を違う視点から同じコマでモノローグだけで変化を描いていたり、「誘蛾灯」ではヘッドライトの表現やベタ、黒を使った夜の描写がアバンギャルドです。「ひまわり」は「ひかりのまち」とか初期作のような暴力観や死生観が見受けられました。

「きのこたけのこ」は「デデデデ」の源流らしいですが、作画の精密さの他にも奔放でスタイリッシュな画面構成が今に続いてます。



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[投稿:2020-05-03 21:50:39] [修正:2020-05-03 21:51:07] [このレビューのURL]

人物も背景もフリーハンドで描かれていて柔らかいタッチですが、不倫など背理的な恋愛描写が多く、内面描写も繊細ですがトゲトゲしています。ディープな色調の効果背景も緻密。幽霊は「夏雪ランデブー」を思い出します。

はぐれ者というか低温で達観した人物ばかりですが、寄り添い方は温かくなります。言語感覚も鋭敏で、言葉の紡ぎ方も良いです。コマのアングルや緩急も心情と符合しています。

あとがきで「漂流しながら描いた」とありましたが、人物の漂流感や浮遊感なども合致して、なんとなく納得しました。

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[投稿:2020-04-23 18:10:48] [修正:2020-04-23 18:10:48] [このレビューのURL]

「月曜日の友達」ほどの観念的、先鋭的描写が控えてあり、「空が灰色だから」と「ブラックギャラクシー6」の間の日常ものとしての位置づけに見えます。
「死に日々」以降からに顕著になってきましたが、斑点や水玉など集合体的なモチーフによる内面描写も少なめです。

トーン使いはやはり秀逸で、立ち位置や光と影を表現していたり、反転や対比などトーンの修辞法が見事です。

非有機的な風景の中に人物がいるのを俯瞰的、遠景的に捉える手法は最近の阿部共実メソッドとして確立してます。青春や無常さや虚無を視覚化しています。幾何学的な構図の中の有機的な人物の配置が洗練され尽くしていますね。









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[投稿:2020-04-23 17:51:51] [修正:2020-04-23 17:51:51] [このレビューのURL]

ボーイミーツガールの活用形。OS更新。

フリーハンドの描線で高感度な機微を映し出してます。トーンの濃淡も秀逸だし、漫画での光、ライティング表現の到達点な気がします。恋の喜びなどの一瞬を永続させる見開きも最高です。
視線の遮断と交錯など視線のモチーフも見事だし、虚像だった視線の対象が実像に結晶化する流れは感涙します。漫画で正攻法の切り返しを体現してます。

虚構と現実が同じ質量を持ったような作品はどうしても好きです。

「肉飯屋であなたと握手」といい夏次系作品において恋と体液には何か相関性がありそう。

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[投稿:2020-04-16 04:44:05] [修正:2020-04-16 04:44:05] [このレビューのURL]