「cardiac」さんのページ

総レビュー数: 8レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年12月13日

9点 クロ號

[ネタバレあり]

飼い猫野良猫たちの世界を猫たちの目線で描いた作品。筆で書かれた絵は暖かく、出てくるキャラクターもかわいらしくてとっても魅力的。しかし交通事故や保健所に連れて行かれたり、主人公が病気で亡くなったりするなど、厳しい現実もしっかり描かれている。

漫画に夢とか希望を求める人には、ラストの重さは辛いかもしれないが、ペットとしてであれ動物ときちんと付き合うことを考えれば、こうした一面があることを伝えることに十分な意味はあると思う。また作者本人が飼っていたクロが亡くなってしまった以上、空想の世界で連載続けるのは忍びなかったに違いない。作品を終わらせることで、作者はクロに対してしっかり向き合い、けじめをつけようとしたのだと思う。

この作品は主人公クロの視点で描かれているが、それは猫好きな人間が猫を毎日見ながら、彼らがどんなことを考えているかを想像した結果生まれた発想なのだと思う。だから作品全体を包む雰囲気がとても暖かく感じるのだろう。

単行本をすべて集めるには苦労するかもしれないが、猫好きには是非読んで欲しい作品。

個人的にはツルマルとチン子が大好きです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-14 15:04:59] [修正:2007-12-14 15:07:02] [このレビューのURL]

9点 ママ

ドロドロとした恋愛の描き方がこの作品のキモ。ナイーブな主人公が成長していくさまと後半の盛り上がりにぐいぐい引き込まれてしまいます。

個人的にはラブコメとして似た要素を持つ「めぞん一刻」よりも好きな作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-13 03:01:23] [修正:2007-12-13 03:01:23] [このレビューのURL]

BECKでもそうだけど、この作家は自分の好きな世界に対するリスペクトを持ちつつ、さらにフィクションである漫画に夢とドラマを持たせて描く力に長けた作家だと思う。シリアスさとコミカルな部分の描き分けのバランスもいい。

この作品には80〜90年代の古き良きパリーグに対する愛情を感じさせるエッセンスが満載で、周囲の人々と楽しみを共有できなかったパリーグファンなら、思わずにやりとしてしまうだろう。もし読者がスタンドに閑古鳥の鳴く80-90年代パリーグの悲哀を知っていれば、この作品は猛烈に感情移入のできるカルト的作品となりえるだろう。

ラストが作者の諸事情によって無理やり終わらせてしまったところが残念ではあるが、それを差し引いても、バカバカしいほどに熱くてなおかつ、少々ルーズで武骨な漢たちを描いた本作の魅力は失われていない。続編が読みたい作品の一つ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-13 02:47:02] [修正:2007-12-13 02:47:02] [このレビューのURL]