「cardiac」さんのページ

総レビュー数: 8レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年12月13日

メタルというイメージを聖飢魔II、音のエクストリームさをグラインドコアかデスメタル、サタニックバンド、或いはパンク的な要素で表現してるあたりにズレを感じるし、表現の下品さでメタルを表現するのは少し残念な気はするけど、それは世間的なステロタイプのイメージをデフォルメした表現なのだろう。

キャラクターなどの設定をもっとしっかりしていれば、長期連載できそうな感じだけど、行き当たりばったりと無茶な展開が肝の漫画なので、さっさと短命で終わらせないとグダグダになりそう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-14 15:44:51] [修正:2008-01-14 17:42:48] [このレビューのURL]

6点 太郎

個人的にはボクシングに関する物語よりも、ドロドロの三角関係を混ぜ込んだ恋愛話や、かつての憧れからの自立といった主人公の内面的な描写に細野氏らしい魅力を感じていたので、スポ魂路線に突き進んだ後半は少し残念。

あと、作品の後半の展開は、よく練り込まれた作品の多い細野作品らしくなく、かなり無理がある。ボクシングのライバルが父親の愛人の息子だったとか、さらに自分の憧れの人物がそのマネージャーになるとか。

またクライマックスに向けての布石であるとしても、延々ロシアマフィアの話を描き続けるのも、連載が始まった時とはまったく別の漫画みたいになってるし、ボクシングの描写も雑な絵が多く感情移入しにくい。

全体的なイメージが暗いのは、おそらく連載中に起きたバブル崩壊や不景気といった社会世相の影響をモロに受けているせいだろう。次第に主人公が希望を失った元同僚たちの希望の星へと変わっていくのも、信用金庫という舞台を描く上では当時の雰囲気上、避けられないことだったのかもしれない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-12-14 15:56:42] [修正:2007-12-14 16:59:39] [このレビューのURL]

8点 DADA!

吉田作品の中でも好きな漫画のひとつ。

全体の印象云々よりも、モンロー(逢田紋次郎)のボクシング編の完成度が異様に高かったのが記憶に残ってます。今まで何度読んだかわかりません。



必殺 見えないパンチ! 最高です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-12-14 15:34:37] [修正:2007-12-14 15:34:37] [このレビューのURL]

9点 クロ號

[ネタバレあり]

飼い猫野良猫たちの世界を猫たちの目線で描いた作品。筆で書かれた絵は暖かく、出てくるキャラクターもかわいらしくてとっても魅力的。しかし交通事故や保健所に連れて行かれたり、主人公が病気で亡くなったりするなど、厳しい現実もしっかり描かれている。

漫画に夢とか希望を求める人には、ラストの重さは辛いかもしれないが、ペットとしてであれ動物ときちんと付き合うことを考えれば、こうした一面があることを伝えることに十分な意味はあると思う。また作者本人が飼っていたクロが亡くなってしまった以上、空想の世界で連載続けるのは忍びなかったに違いない。作品を終わらせることで、作者はクロに対してしっかり向き合い、けじめをつけようとしたのだと思う。

この作品は主人公クロの視点で描かれているが、それは猫好きな人間が猫を毎日見ながら、彼らがどんなことを考えているかを想像した結果生まれた発想なのだと思う。だから作品全体を包む雰囲気がとても暖かく感じるのだろう。

単行本をすべて集めるには苦労するかもしれないが、猫好きには是非読んで欲しい作品。

個人的にはツルマルとチン子が大好きです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-14 15:04:59] [修正:2007-12-14 15:07:02] [このレビューのURL]

主人公と王女サマの関係性は、プレステ2のゲームの『ボクと魔王』に似ていると思った(このゲームを知らないとわかりづらいたとえだけど)。キャラが弱い主人公、現時点では弱さもある、王女がいずれは世界に君臨する能力を有するというところとか。

見開き2ページでの力技描写に頼りすぎのきらいはあるけど、ドライな表現で描く人情味のあるストーリー展開は好きですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-13 03:27:00] [修正:2007-12-13 03:27:00] [このレビューのURL]

9点 ママ

ドロドロとした恋愛の描き方がこの作品のキモ。ナイーブな主人公が成長していくさまと後半の盛り上がりにぐいぐい引き込まれてしまいます。

個人的にはラブコメとして似た要素を持つ「めぞん一刻」よりも好きな作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-13 03:01:23] [修正:2007-12-13 03:01:23] [このレビューのURL]

BECKでもそうだけど、この作家は自分の好きな世界に対するリスペクトを持ちつつ、さらにフィクションである漫画に夢とドラマを持たせて描く力に長けた作家だと思う。シリアスさとコミカルな部分の描き分けのバランスもいい。

この作品には80〜90年代の古き良きパリーグに対する愛情を感じさせるエッセンスが満載で、周囲の人々と楽しみを共有できなかったパリーグファンなら、思わずにやりとしてしまうだろう。もし読者がスタンドに閑古鳥の鳴く80-90年代パリーグの悲哀を知っていれば、この作品は猛烈に感情移入のできるカルト的作品となりえるだろう。

ラストが作者の諸事情によって無理やり終わらせてしまったところが残念ではあるが、それを差し引いても、バカバカしいほどに熱くてなおかつ、少々ルーズで武骨な漢たちを描いた本作の魅力は失われていない。続編が読みたい作品の一つ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-13 02:47:02] [修正:2007-12-13 02:47:02] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

序盤のダラダラとした展開の遅さ、黒沢と対照的な存在である赤松の役割が生かされていないこと、脇役キャラの弱さ、格闘シーンなのに爽快さに欠ける点など、マイナス点を上げればキリがない。しかしそれらを差し引いても、このマンガに人を引き込むものがあるのは、作者本人の心の叫びが黒沢に乗り移っているからだと思う。

ダメ中年がみっともない姿をさらしながらも自分の弱さと向き合い、不格好でも逃げずに何かと闘うことで、命よりも大切なものを見出していくというストーリーは、コギレイで爽快な世界を描いたマンガよりも何倍も魅力的に感じる。

ラストの描き方は賛否が分かれる部分かもしれないが、作者の伝えたいメッセージ性を考えれば、納得できる結末だと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-13 02:09:26] [修正:2007-12-13 02:10:33] [このレビューのURL]