「cardiac」さんのページ

[ネタバレあり]

序盤のダラダラとした展開の遅さ、黒沢と対照的な存在である赤松の役割が生かされていないこと、脇役キャラの弱さ、格闘シーンなのに爽快さに欠ける点など、マイナス点を上げればキリがない。しかしそれらを差し引いても、このマンガに人を引き込むものがあるのは、作者本人の心の叫びが黒沢に乗り移っているからだと思う。

ダメ中年がみっともない姿をさらしながらも自分の弱さと向き合い、不格好でも逃げずに何かと闘うことで、命よりも大切なものを見出していくというストーリーは、コギレイで爽快な世界を描いたマンガよりも何倍も魅力的に感じる。

ラストの描き方は賛否が分かれる部分かもしれないが、作者の伝えたいメッセージ性を考えれば、納得できる結末だと思う。

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[投稿:2007-12-13 02:09:26] [修正:2007-12-13 02:10:33]