「Kino.」さんのページ

少年と登場人物の交遊は見ていて微笑ましく、またどこか切なさや哀愁も漂う雰囲気です。山下先生の作画はこのようなオペラティックな作品に見事にマッチしています。
哲学的なテーマを扱いながらも説教臭くないのが魅力的です。生と死、人間の絆など荘厳なテーマになればなるほど、作者の個性が出て読みづらくなるのが世の常です。しかし、この少年と同様に山下先生は一歩引いた立場から淡々とその物語を語ってくれます。それにより読者自身が思索をして、その物語の結末を自分自身の価値観へと物語を昇華させることができます。不定期連載であることが少し残念な漫画です。しかしライフワークとして末永く頑張っていただきたいです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-10-30 13:36:11] [修正:2008-10-30 13:36:11]

月別のレビュー表示