「rooruck」さんのページ

[ネタバレあり]

戦争美談みたいな危険なにおいがする近未来漫画。

世界観に何か釈然としないまま読み進めて2巻で気付く。
この漫画は非常に危険な漫画であると。

「出征前夜」のエピソードはまんま戦争での極限状態をこの世界観に無理矢理押し込めたものだと感じました。キャラクタの言う台詞一つとってもこのストーリーの見せ方は「死を強要される極限状態の中で何かのために散っていく者たちの美談」というやり方です。
本当に命の大切さ云々を描きたいのであればこのような描き方はあり得ません。絶対的な権力に死を強要される、と言う構図自体が使えません。この構図で使えるのはレジスタンス物か不条理な世界を描いた安部工房的な作品でしょう。

涙を誘えるシチュエーションを使っただけのペラペラ漫画。この評価が妥当だと思います。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2008-12-01 00:57:49] [修正:2008-12-01 00:57:49]