「kogumataro」さんのページ

この作者の作品を読むのはデカスロン以来ですが、すごく感心させられてしまいました。

当時の数寄者に目を向けた歴史漫画ですが、戦乱の世を既存の美の概念とわびという美の概念の対比によってうまく描写しており
決して固くなくかっこつけず自由に描いてる点に好感をもてました

この漫画を読むと日本が生み出した「わび」について考えさせられます
百本の花より一輪の花、きらびやかよりもさりげなさ、現代の様な飽食の時代でもないのに昔の日本人がそこに美を見い出したかぁと、ただただ感心しました。
もちろん世界中にわびという美はありますが、その概念を言語化体系化する域にまでしたところに日本人っぽさが表れてるなぁと思います

話は反れましたが、この作者の特徴であるコミカルな部分は歴史物というカテゴリーにあっても多分に発揮されており緊張と緩和のバランスがうまく取れてる良作です。
ただ一点、途中から先の展開がよめてラストまで想像できちゃうんでそれが残念です。

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[投稿:2010-09-30 20:28:48] [修正:2010-09-30 20:28:48]