「natyu」さんのページ

読んでて、とても勉強になっておもしろい作品です。しっかりと理解しながらよみ進めて行けば、間違いなく全てが知識となっていきます。考古学はもちろんの事、北アイルランドとIRAについてとか東西ドイツ問題など世界の諸問題について考えるきっかけを提供してくれます。これだけ難しい問題を短い中でまとめきれる作者の技量はさすがですが、やはり、背景として作者の知識量が伺えます。想像力で独自の世界観を作り出す作者も素晴らしいと思いますが、自分の中の確かな知識量からしっかり問題提起できる作者も尊敬できます。もちろん単なる知識だけの漫画でなくしっかりと人間性も描ききった、漫画としてのエンターテイメント性と学問書としての教養性を両備をした作品と言えるでしょう。あえて文句を言うとしたら単純に漫画を楽しみたい人には少々説明臭くて読むのに疲れる点でしょうか?しかしじっくり読みたい人には最適の作品と言えるでしょう。個人的に、奇才、浦澤直樹の作品の中でも一番の完成度を誇っていると思います。良作です。

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[投稿:2006-08-04 22:59:46] [修正:2006-08-04 22:59:46]